先日国内発売されたMagikEye ILT開発キット(DK-ILT001)の特性を調べました
なぜ調べた?
前に「MagikEyeをROS1で動かすまで」を書きました。次に動かせるようになったセンサーを早速応用したいのですが、あれ? 検知可能範囲に関する仕様を知りません。公式サイトや販売サイトにスペックを見つけることができなかったです(2021/07/30現在)。とはいえ、センサーの検知範囲を知らずには使えないので、ざっくり調べました。
【2021/07/31更新】
プレスリリースに記載がありました。
測距可能距離(弊社開発環境による)
- プロジェクター発光到達距離: 1500mm
- 弊社推奨測距距離: 150〜800mm(測定精度±3¥%)
- 高精度測距距離: 150〜500mm(測定精度±1.5¥%)
- 測距有効視野角(FOV): 約55度×約43度(弊社開発環境による)
- 測距速度: 約120fps(弊社開発環境による)
距離
フラットな壁に向かってセンサーを近づけていきました。
MagikEye ILT001 検知距離を測ってみました。
— nisshan にっしゃん (@nisshan_) July 30, 2021
壁から2.5m離れた位置から少しずつ壁に近づいています。 pic.twitter.com/ewdQ7clX2H
近ければ近いほど精度が良く、逆もしかり、という特性ですね。このセンサーで物の形を捉えるような精度を求める使い方ならばかなり近づける必要があります。30cm〜50cmぐらいですね。
ざっくり「何か障害物がある/なし判定ができれば良い」という用途なら、(アルゴリズムにも寄りますが)1〜2mの距離は見えている、という感じですね。
2m以上離れるとノイズみたいに拡散するので、むしろ邪魔になります。ROSなら出力されたpointcloudをbox cropのフィルタでバッサリ切っちゃうのが良いでしょう。
画角(垂直方向)
ざっくり55°です。realsense D435iの縦FOVが58°なのでほぼ同等ですね。
画角(水平方向)
横方向のFOVはざっくり43°。realsense D435iが87°なのでその半分ですね。垂直方向よりも狭いとは想定外でした。
「走行するロボットにmagikeyeを乗せて周りの障害物を見る」という使い方の場合、動かし方によっては何か対策を考える必要があるかもしれません。例えば、旋回するときはゆっくり進むか、旋回半径を大きくするように制限かけるとか。MagikEyeは安いので、複数台載せて死角をなくすというのもアリかもしれません。
垂直方向よりも水平方向の広く見たい場合は、90°向きを変えて取り付け、ソフト処理で90°戻してやる方法が取れますね。
さいごに
まだまだ市場供給量が少ないので入手困難なMagikEye DK-ILT001ですが(2021/07/31現在)、購入前の検討に役立てば幸いです。