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ラズパイを大学の無線LANに接続する

Last updated at Posted at 2018-10-04

はじめに

 ラズパイを手にして最初にぶち当たる壁。それがwifiの設定だと思っています。GUIによる操作だったら,手元にあるPCと同じ手順で繋げられますが,CUIだとなかなかに面倒臭い。さらにLinux苦手だったらなおさらです。最近研究室で,大学の無線LANに改めて繋ぐ機会があったので,今回記事にしてみました。詳しい方いれば是非コメントをください。

ターゲット(目標)

  • 大学の無線LANに繋げる!
  • せっかくだし色々と勉強したい!

事前準備

 ラズパイ側の環境は次の通り。

名称 詳細
ラズパイのモデル Raspberry Pi 3 Model B
SDに入っているOS RASPBIAN
OSのバージョン June 2018(kernel: 4.14)

 ターゲットとなる大学の無線LANについても。他の情報はあとで追記

方式 詳細
認証方式 WPA2エンタープライズ
暗号化方式 AES(共通鍵暗号方式)

とりあえず,これらの情報を頭に入れていざチャレンジ!!

実際にやってみた

 事前準備より,大学の無線LANの認証方式は,WPA2エンタープライズだとわかっています。この方式は,企業や大学といった大きな機関で用いられていることが多く,言うところの認証サーバが,ユーザ名やパスワードでこちらを認証してくるタイプ。実はこの認証がラズパイにとっては相性が悪く,手間がかかるようです。繋ぐためにはこの無線LANに関する情報が足らなさそうなので,とりあえず調べてみました。

sudo iwlist wlan0 scan

 ターミナルを開き,このコマンドで全てのwi-fiとその詳細情報をかき集めることができます。ずらーっとそれなりの数が出てきますが,とりあえずターゲットだけにフォーカスしてみましょう。

          Cell 02 - Address: XX:XX:XX:XX:XX:XX
                    Channel:11
                    Frequency:2.462 GHz (Channel 11)
                    Quality=63/70  Signal level=-47 dBm  
                    Encryption key:on
                    ESSID:”YYYYYYYYYY”
                    Bit Rates:5.5 Mb/s; 11 Mb/s; 12 Mb/s; 18 Mb/s; 24 Mb/s
                              36 Mb/s; 48 Mb/s; 54 Mb/s
                    Bit Rates:6 Mb/s; 9 Mb/s
                    Mode:Master
                    Extra:tsf=0000000000000000
                    Extra: Last beacon: 60ms ago
                    IE: IEEE 802.11i/WPA2 Version 1
                        Group Cipher : CCMP
                        Pairwise Ciphers (1) : CCMP
                        Authentication Suites (1) : 802.1x

とりあえず重要なのは,下の4行分の IE: 部分でしょうか。(一部分を変えて載せています)ESSIDはネットワークの名前。下から4行目の IE: IEEE 802.11i/WPA2 Version 1 はWPA2のことですね。さらに下の CCMP これはAESと殆ど同じ暗号形式だそうです。(厳密には違うらしいけど)
 とりあえず,なんとなく情報は掴んだので実際に無線LANの設定をしてみましょう!ラズパイを起動させ,ターミナルを開きます。

sudo nano /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf

 viエディタでも良いですが,私はまともに使いこなせないので,nanoでやっています。ちなみにsudo権限でないと,編集内容を保存することができないので要注意です。
 この wpa_supplicant は,IEEE802.1X/WPAを無線LANクライアントに提供するツールだそうです。開いてみると,既に自宅でWi-Fiを繋げている場合は,おそらくそのWi-Fiに関するidやらpwやらが書いてあるはずです。特に上段部の ctrl_interface=/var/run/wpa_supplicant とかは消さずに無視して,その下の空いているところに,繋げたい大学の無線LANに関する情報を書き込んでいきます。書き込むべき内容は次の通りです。

network={
        ssid="繋げたい無線LANの名前"
        priority=1
        key_mgmt=WPA-EAP
        pairwise=CCMP
        auth_alg=OPEN
        eap=PEAP
        identity="ログインできるID"
        password="そのIDのPW"
        phase1="peaplabel=0"
        phase2="auth=MSCHAPV2"
}

 日本語のところは,自分で書き込みましょう!その他の項目は以下の通りです。

形式 詳細
priority 複数ネットワーク下の優先度。大きい数ほど優先度高
key_mgmt 認証方式。WPA2エンタープライズ
pairwise 暗号化方式。AESだがCCMPで表記
auth_alg 認証アルゴリズム。WPA/WPA2はOPEN
eap EAPメソッド。認証方式でphase2へつながる
phase1 外部認証。0というのはバージョンっぽい
phase2 内部認証。VPNやWPA2の認証としてよく使うMS-CHAPv2

 これらの用語を調べていると,認証サーバはRADIUSサーバらしいです。とりあえず,大学のwifiで繋ぎたい!という場合はこれだけ書き加えればOKなはずです。無事にすべて書くことができたら,一度ラズパイを再起動しましょう!

sudo reboot

 私はこれだけでとりあえず大学の無線LANには繋がりました!!これからの研究に熱が入ります。

ラズパイ4の場合(2022年6月)

 時代はラズパイ4となったので,こちらについても追記します。

名称 詳細
モデル Raspberry Pi 4 Model B
OS Raspberry Pi OS (64-bit)
リリース日 April 4th 2022 (kernel version: 5.15)
URL https://www.raspberrypi.com/software/operating-systems/

 /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf のファイルについては,上記と同じです。これに加えて /etc/dhcpcd.conf のファイルの最終行の下に下記を追加してください。

interface wlan0
env ifwireless=1
env wpa_supplicant_driver=wext,nl80211

 一応,再起動してからインターネットブラウザを開いてみましょう。

追記(2018年10月)

 初投稿後,ありがたいことにコメントの方をいただきまして,
Q. /etc/network/interfacesのファイルは書き換えなくて良いの?
というご質問をいただきました。実はこの件,私の研究室でも少し話題に上がりまして,その際は書き換えたらできるようになったというものでした。どうやら書き換える必要はなさそうですね。私ももう少し調べてみる必要がありそうです。

参考文献

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