以前「GitHub Discussionsで社内のQ&Aフォーラムを開設する」でもご紹介した通り、LIFULLではGitHub Discussionsを使った社内向けのQ&Aフォーラムを有志で運営しています。
このフォーラムは「あるシステムについて誰か詳しい人に相談したい」とか「設計についてチーム外にも相談したい」とか、エンジニアリングで困ったことをなんでも聞ける窓口になることを目指しています。最近ではアーキテクトチームや QA チームなどの公式の窓口としても利用でき、質問の内容に応じて適切な部署や人がアサインされる体制も整い始めました。
元々はQ&Aのみを想定していたのですが、予想していなかった嬉しい使われ方も行われています。今回はそれを紹介します。
(また、これを社内のエンジニアが見て、「こういう使い方をしてもいいんだ」と更に活性化することを期待しています!)
去年のアドベントカレンダーで、「社内のQ&Aフォーラムに寄せられて嬉しかったことを書き、今年アップデートがあったことを書いていきます。
今年はこのフォーラムにおよそ200件程度の投稿がありました! 昨年は300件くらい実はちょっとペース落ちてるかもしれません😱
ChatGPT Retrieval Plugin(をベースとした社内AI)と連携した
keelaiという社内向けのAIアプリケーションが、このQ&Aフォーラムの内容を元に回答するように設定されました。
GitHubのAPIを叩いてDiscussionsやドキュメントのMarkdownを収集して、その内容を元に回答する機能があります。これは発足時はRetieval Pluginを社内のエンジニア向けに提供するプロジェクトでした。
次は、ソースとなったドキュメントのURL付きで質問に対して一次回答をする機能をつけてみたいです。
技術知見の共有の場になっている
去年に引き続き、Q&A以外に Knowledge
というカテゴリを使って「皆に共有したい技術的な知見」を共有する方が現れました。
今日もちょうど「良い自動テストを構成する4本の柱」という記事が投稿されていました。
今回は以下について説明します
- 良い自動テストを作るにはどうすれば良いのか?
- 良い自動テストを構成する4つの柱
全体確認の場として使ってもらえている
特にレガシーシステムの廃止・改善時の調査に、本格的な調査の前に聞いてくれる人も多くなりました。この手の問題によくあることかもしれませんが、現在は詳しい人はいないようだということが分かるだけのことも多くありますが…。
プルリクを何度か送ってもらえた
各部署への通知設定の改善についてプルリクや、ちょっとしたバグがあったときも、チーム外の方からすぐに修正のプルリクを送ってもらえました。
こちらの記事でも別の文脈で書いた通り、効率の良い開発のためには、透明性のある意思決定やオープンな相談が重要だと思っています。このフォーラムが多少なりとも役立てていたら嬉しいです。
昨年は「提案や意見集約の場として使ってもらえている」と書いたのですが今年はそこまで目立ちませんでした。全く無いわけではなかったのですが、こうした動きはもう少しありえるんじゃないかと思ってます。
開発プロセスの中で「何かちょっとイケてないけど、どこに提案すればいいか分からない。誰に修正してもらえばいいか分からない」というモヤモヤがあることもあると思います。そうした提案もいくつか行なってもらえています。
今後の展望
ChatGPTが盛り上がって以降、とりあえずAIに聞いて解決する問題も増えてきたと思います。LIFULLでは気軽にSlackから呼び出せる環境も整備しているため、投稿が減った要因はこれが大きいんじゃないかなと思ってます。
ただ、オープンな議論や意見集約の場としての役割は今より果たせる可能性があると思います。もしLIFULL社員が読んでいたら、その可能性を一緒に探っていって頂けると嬉しいです。