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社内オンラインAI技術展示会を開催して得られた知見

Last updated at Posted at 2020-12-02

こんにちは、LIFULLの二宮です。
私は9月までAI戦略室という部署に所属しており、機械学習やデータサイエンスを活用したアプリケーションの実装を担当していました。

9月30日に「AI成果展示会」として、そのAI戦略室のメンバーの成果を社内発表する初のオンラインイベントを開催し、そのプロジェクトリーダーも担当していました。イベントの概要については、グループ長の嶋村さんが既に「社内でAI成果展示会を開催しました」という記事で説明されていますが、その運営やオンラインの工夫について共有します。

イベントの目的や経緯

AI戦略室では以前から、以下のような目的で「AI成果展示会」を開催していました。

  • 投資される部門であるため、「きちんと将来のプロダクトにつながるものを作っている」と成果を説明する必要があるため
  • 最終的にプロダクトを本体サービス(LIFULL HOME'S)に適用されることが多いので、「この手法をどこかのチームで施策化しません?」とアピールするため

従来は、「大部屋を貸し切って、ポスターセッションの形式で発表する。当日に社内告知して業務の合間に来てもらう」という形で開催していました。
コロナウィルスの流行が始まった頃は「次はコロナが収束したら開催しようね〜」とのんきに話していたのですが、流行は長引き、そのまま全社的にリモートワーク主体に移行したので腰を据えてオンライン開催に踏み切りました。

準備期間のプロジェクト進行

まず、リーダーの嶋村さんに以下のスローガンを設定して頂きました。今回は初めてのことが多いので、何か意思決定が必要なときに使う簡易的なインセプションデッキのような基準として使っていました。

  • 活動の意義を認めてもらう(全社員に)
  • 投資したいと思ってもらう(経営層に)
  • 活用したいと思ってもらう(実サービスで)

より具体的には、今回は発表内容などを「基本的にはエンジニアとサービス企画職の両方に伝わるようにする」ような方針になりました。

運営メンバーは私と新卒1~2年目の4人で、最初に「この週までに発表資料を作ろう」というような大まかなスケジュールを決め、リーダー(私)が進捗管理しながら「週1回のミーティングで各タスクの状況確認し、次の週にやることを各メンバーにアサインしていく」という形で進めました。

これは成果展示会に限った話ではありませんが、Amazonの会議ルールを参考に、事前に議事録ページを用意し、できるだけ仮の結論を書いておき、「異論が無ければ承認するだけ、あればきちんと議論しよう」というスタンスで進めました。それは、次の2つの目的がありました。

  • 全メンバーが本業のプロジェクトの合間に作業をすることになるのでできるだけ考えることを減らしたい
  • 自転車置き場の議論で言われているような、「どの選択肢でもあまり変わらないことの議論に白熱してしまうこと」を避ける

大きなトラブルはなく、比較的スムーズに準備は進められたと思います。ただ、普段の開発と比べ、きちんと作業と意思決定さえ進めれば大丈夫な、不確実性の低いプロジェクトだからうまくいった面も大きいと思っています。

実施内容の振り返り

今回は大きく分けて2つのコンテンツを用意し、合計19件の発表を行いました。

  • データサイエンスパートナー鹿内学さんの招待講演 & パネルディスカッション
  • 各メンバーのプロジェクトのセッション

今回は一日がかりのイベントになり、zoomの部屋を2つ用意しました。各プロジェクトのセッションでは質疑も含めて30分の枠を用意し、その中で発表する形式にしました。事前に概要資料を社内共有して宣伝し、発表資料や録画も後日共有し、当日参加できなかった人にも見てもらうようにしました。

スクリーンショット 2020-12-02 21.34.17.png

社内共有した資料はこんな感じの内容が並び、想像以上に本格的なカンファレンス感が出て、私はかなりテンションが上がりました。開催内容の更なる詳細は「社内でAI成果展示会を開催しました」を読んでください。

鹿内さんの「AIや機械学習の基本的な内容」を説明しつつ、うまく他の発表にも興味を持って貰えるような内容で、チーム内外で評判がよく、次回も同様の趣旨の企画を進めたいと話題になりました。ただ、時間帯によっては参加人数が少ない時間帯もできてしまいました。従来のポスターセッション形式では「ついでに他のプロジェクトを見てもらう」「自由にディスカッションしてもらえる」ことができたのですが、そういう「気軽に参加できる感」は薄れてしまっていました。「ラジオ感覚でずっと聞いてもらえるかも」とも思っていたのですが、あまりそういう人は居なかったようです。

もっとポスターセッションに近い形式でやるなら、zoomではなくRemoSpatialChat、NTTコミュニケーションズが作っていて最近話題になったNeWorkのような交流会に近いイメージのツールで、ポスターセッションに近づけるのを検討してみると良いのかもしれません。

細かい反省点でいうと、当日の発表間の休憩時間を5分程度しか取っておらず、発表者や司会の切り替えが大変だったということもあります。また、(開催時期は変えられなかったので仕方なかったのですが)LIFULLでは9月決算で、期末の忙しい時期のピークだったこともマイナス要因でした。

また、私の異動が決まっていたこともあって、次回の開催で今回以上のものができるように、ドキュメント化や振り返り会はしっかり行なったつもりです。ドキュメントは例えば次のような内容でした。

スクリーンショット 2020-12-02 21.56.06.png

また、個人的な意見ですが、後日開催されたエンジニア向けイベントの「Ltech#11 不動産領域のAI活用最前線」のほうが、より技術的な話を深く聞けて面白く感じました。もしかすると、「誰にでもわかりやすくしよう」という方針だけではどっちつかずになっていて、プロジェクトの魅力を伝えられてなかった面もあるのかもしれません。

まとめ

最後に要約すると、オフラインのポスターセッションとzoomでの発表を比べると、次のような差分があったように思います。

  • 録画や資料の共有がやりやすく、情報資産を残しやすい
  • 動画配信前提だと外部のパートナーなどの発表も呼びやすい
  • 気軽な質問・ディスカッションはやりにくくなった
  • カンファレンス形式だと一日がかりになって当日の負担が大きくなった

私はチームから離れてしまいましたが、次回はもっと洗練されて開催してもらえると期待しています。また、もし今回の知見を誰かに役立てて頂けると嬉しいです。

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