まえおき
- チームで『システム運用アンチパターン』の輪読会をしている
- 有料集客関連の開発だと、広告知識やデータ知識が必要で、一部のメンバーに知識が溜まってしまう傾向があるので、この章を読むことで対処方法を知りたかった
- 実際は「運用チームの権限集約をなんとかする」ような的な話が多くて、ヒントは多そうだが、そのままチーム内で参考になるわけでもなかった
- 意識しないとキーパーソン(『The Phoenix Project』の登場人物のブレント)に知識が集まる
- 情報を積極的に共有すればいい?→公開するだけでは興味を持てるわけではない
- ひどいと誰も全体を見なくなる
10.1 どのように情報がため込まれているのかを理解する
- 悪意があって管理者が情報をため込んでいるケースは少ない
- また、「意図的なため込み」も、インセンティブ設計が間違っていることが原因のことが多い
10.2 意図せずに情報をため込んでいる人を認識する
- ある人が概念検証のプロジェクトに関わってて、いろいろ試行錯誤して、変更が落ち着いたらPJを離れる
- その結果、「ドキュメントを書く」タスクはjiraの闇の中へ…
- (あとは想像どおりの内容w)
10.2.1 ドキュメントを大切にしない
- ドキュメントの価値は、美辞麗句ではなく行動に根ざしている
- 例えば、経費精算のドキュメントがなくなると、我々がその作業ってできなくなるよね?
- 別PJに行くのは悪いことではなく、「情報の共有」を達成することが大事で、もっと楽な方法があれば代替していい
10.2.2 抽象化 vs. 難読化
- 抽象化されたレイヤを用意して、関心の分離を行うことがある(ピザのサイトで、普段は「注文処理」と「配送システム」を分けるとか)
- ただ、横断的な施策で「注文チームの変更が配送システムに影響がないか」を調べるときに困るようになる
- また、チーム間で壁を作って、一旦汚いコードで実装したときなど「住んでる人にしか状況が分からない」状態になりがち
10.2.3 アクセス制限
- 運用チームなどパスワード管理などが必要なことが多いチームでは、Wikiにアクセス制限をかけることが多い
- ただ、その範囲は広がりがち
- 大抵の人は「鍵のかかったドア」を見ると、「この中は自分には関係ない」と思いがち
10.2.4 ゲートキーパーの行動を評価する
- 良心に従っていても、ゲートキーパーになることがあるので、自分自身を振り返ろう
- ドキュメント化して、依頼者自身が作業を実施できるようにする必要がある
- 次の節でドキュメントを上手に扱う方法についてまとめる
10.3 コミュニケーションを適切に定義する
- 我々の文脈だとSlackでの告知に役立つ話
- 誰もが知識を伝えるスキルを持っていると考えがちだが、そんなことはない
- 4つの学習方法、視覚・聴覚・読み書き・体験(ハンズオン)があって、自分と違うスタイルを好む人もいるのを覚えておこう
- 次のコミュニケーションステップに従おう
- トピックを定義する: 同じ「テレビ」がテーマでも、社会的影響をテーマにするのか、番組をテーマにするのかで違う
- 対象者を定義する: 小学生に説明するときは「コンパイラ」は用語説明が必要。対象がエンジニアでも、文脈の違う人のためにリンクで補足しよう
- キーポイントを説明する: 「絶対に伝えたいこと(コアポイント)」と「理解を深めるのに役立つこと(カラーポイント)」を区別できるようにしよう
- 最後に行動を喚起する: 「自分のチームに共有」とか「アンケートの回答」とか、どういう行動をとってほしいのか説明しよう
10.4 知識を発見可能にする
- 情報を共有するプロセスは意図的に行う必要がある
- ナレッジストア(Wiki等)を管理して、その構造に関するガイドラインの策定には注意が必要
- 誰もが日常業務で行うべきことだが、明確な指示と優先順位付けがなければ劣後してしまう
10.4.1 ナレッジストアの構築
- 共通の辞書を使おう。著者によると、用語の違いだけで同じモジュールの話をしているのに10分気づかないこともあったらしい。プロジェクト名をそのままプロダクト名として使っちゃって混乱することもある
- ドキュメントを階層化しよう。例えば「請求書作成」のプロセスが担当部署ごとに分散していることがよくある(→具体的なフォーマットの話は割愛)
- 部門ではなくトピックを中心に
10.5 学習の習慣付け
- 組織が繰り替し行う活動やイベント(=習慣)が文化の構築に大きな影響を及ぼしている
- ただ、SME(Subject Matter Experts、※専門性を持った人)は既に責務が多く、「ドキュメント作成」という新しいミッションを追加すると悪循環に陥りがち
- 負担もかけるし、人によって得意分野は違うので、チームメンバーと共有の仕方を議論しよう
習慣付けで紹介されている4つの方法
- ランチ&ラーン
- ライトニングトーク
- 外部イベントのホスト
- ブログ
10.5 チャットツールの有効活用
- チャットツールは情報共有のための素晴らしい手段
- ただ、適切に作法を定義しないと、猫の写真やカップケーキのレシピで埋め尽くされてしまう🐈
10.5.1 会社の作法を確立する
会社によってチャットツールの文化は違うが、次のような方法を明示するのはおすすめ
- 短命でトピックを絞ったチャンネルを使う
- スレッド機能を使う
- 定期的に自分のステータスを更新する。「話しかけていい時間」を明示する
-
@here
などを使いすぎないようにする
10.5.2 チャットだけではない
- 自動化などで強力なメリットがある
- チャットボットでシステム管理すれば、他にも障害対応の作業内容が他のメンバーにも明示できるというメリットもある
- チャットボットにより、特定のタスクを運用チーム以外にも権限を渡すこともできる