概要・経緯
LIFULLでは、keelaiというプロダクト名で、内製のGAIアプリ群を実装しています。
また、最近はkeelextという内製Chrome拡張との連携機能も整備されてきています。「LLMを利用したPlatform Engineering」にもあるようなGrafanaのログ要約に加えて、
当初はGrafanaのユーザ体験を補完するなどプラットフォームの利用補助が主なスコープでしたが、汎用AI(仮)の開発に伴いそのスコープが拡大してきています。
メーラーソフトでの自動メール文提案や、営業日報の入力補助なども行えるようになりました。
これらのツールでは、インナーソースの考え方が採用されており、誰でも機能提案やPRが送れる状態になってはいます。これを使って本当は各部署で必要な機能をみんなで実装する流れを作りたいのですが、今のところはたまにある程度です。
そんな折に創民祭(社内エンジニア向けイベント)でLTを発表する機会がありました。そこで「keelaiでチームの業務を効率化しよう!」というタイトルで発表した内容をQiitaにも記載します。
①keelaiを使ってみよう!
まず、こういうチャットAIが使える状態になっても、「そもそもどこから使えばいいの?」という声が挙がると思います。例えばこのLTのタイトルを決める際にも「アイデア案を10個出して」という質問をしました。
特にGoogleなどの検索エンジンや、Slackや社内Wiki(Confluence)を探す代わりに質問してみるのをおすすめします。例えば、この間の社内の質問用Slackチャンネルで「(海外子会社とやり取りしたいから)英語の部署名や組織図が欲しい」という質問があったのですが、実はこの質問はkeelaiでもカバーできます。
keelaiは社内のFAQページのデータをRAGで参照できるようにしています。
まず「何から業務効率化すればいいか分からない」という方は、まずなんでもkeelaiに聞いてみて、足りない社内情報は、FAQページや社内用語集のページに追加してもらえると嬉しいです。
FAQや用語集以外にも、ConfluenceやGitHub、Slackなども簡単な設定ファイルだけで取り込めるようになっています。直接PRを出してもらってもいいし、スプレッドシートから簡単に追加依頼を出せる仕組みも整備されています。
こうするとkeelaiがだんだん質問をカバーできる範囲が増えていきます。
②自動化してみよう!
次にトライしてほしいのがSlack Automationです。例えば「海外の開発拠点メンバーと、受託先ではなくチームメンバーとして協働するための取り組み」で興津さんが書いているように、絵文字リアクションで翻訳プロンプトを起動するものは、社内で広く使われていると思います。
このkeelaiとSlackワークフロービルダーを掛け合わせることで、自動翻訳を行うこともあります。
たとえば、Slackで任意の投稿に特定のリアクションをつけた時、keelaiにその投稿を翻訳するように指示をする、というワークフローを作成します。
よくあるプロンプトをbotで自動入力しているだけではあるんですが、意外と便利でいろいろな使い方ができます。他にも「URLの記事を要約する」とか「フォーム入力で箇条書きから営業日報を作成する」とかが使われています。
また、更に一歩進んで、自部署や関連部署が使うツールの自動化を効率したいとき、Chrome拡張機能に組み込むと更に楽になるかもしれません。ちょうど今朝、営業メンバーが使っていた日報用プロンプトを元に、Chrome拡張機能をリリースしました。
自由入力欄にメモ書きを書いていると、それを構造的に整理してくれるようなシンプルなもので、実はほぼメーラーソフト向けの返信文提案実装の使いまわしです。ただ実際に使うと、画面遷移せずにそのまま使えるのがけっこう便利らしくて、その営業の方から
商談メモがワンクリックで整理された日報になるのでは感動しております、、、!!!
というコメントをいただけたのがめちゃめちゃ嬉しかったです。
③keelaiプロジェクトにコミットしてみよう!
さらに一歩進んで、keelaiプロジェクト自体にコミットできる機会を作ってもらえると嬉しいです。自部署業務で役に立つのは、次の3つだと思います。
- RAGのデータソースの追加
- 外部ツールの入力補助をChrome拡張(keelext)に実装する
- keelai本体への機能追加
1と2はこれまでの話とも被っています。
「RAGのデータソースの追加」は、ConfluenceやGitHubのドキュメント追加がまず嬉しいです。更に部署によってはJiraにある過去の依頼内容や、Google Driveの発表資料をkeelaiが検索できたら便利かもしれません。認証機能の実装はしているものの、これらのRAG機能への取り込みは未対応です。
「外部ツールの入力補助をChrome拡張(keelext)に実装する」は先程説明した通りです。最近メーラーソフトの機能拡張や、Salesforceに対応しました。
「keelai本体への機能追加」は、例えばkeelaiの連携できるツールが増えたら便利かもしれません。例えば(詳細は私も思いついてないですが)社内の物件情報検索APIと連携して開発を効率化したり、Googleカレンダーの予定が空いているか参照したりすると、自部署の業務効率化できる幅が増えるし、それは他の社員にとっても便利な機能かもしれません。
こうしたポイントで業務やツールを見直していいアイデアを探して、相談チャンネルで話しかけてもらえると嬉しいです。自部署の業務効率化もして、GAI基盤の機能整備もするような、みんなHAPPYになれる道を探っていきましょう!