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もしものために,香川県からのアクセスを避ける

Last updated at Posted at 2020-01-22

茶番

「どうも〜、セミコロンつけない派です。お願いします」
「お願いします」
「あ〜、ありがとうございます。今、LGTMを頂きました。こんなんなんぼあってもいいですからね」

「あのな、おかんがな、思い出せない都道府県があるらしいねん」
「ほな、その特徴教えてくれる?」
「おかんが言うにはな、最近ゲームが

「香川やないか!」

(ミルクボーイやりたかっただけ。)

ちまたで噂のネット・ゲーム依存症対策条例

ネットやゲーム依存症を防ぐため、18歳未満の使用時間を制限するというやつです。
今はちょっと変わってコンピュータゲームだけになったみたいです。
これに関する議論は尽きないですが、ここでは置いておきます。

仮にサービス側が何とかしろと言われたら...

ネット界隈では、「香川県民ですか? はい/いいえ」のような香川認証がネタになってます。

しかし、本当にサービス側が対策しないと行けなくなったらやばい。(絶対ないと思うけど)

そこで、JavaScriptのGeolocation APIを使って香川からのアクセスを避けてみます。

ソースコードはこちらにあります。

香川ブロックプログラム

概略

回避法としては下の図のようになります。

Geolocation APIで緯度経度を取得し、逆ジオコーティングAPIで都道府県を割り出し、香川県だった場合はブロックします。
今回は簡易的に香川県だった場合は、香川県のホームページに飛ばします。
メインの部分は以下の感じです。

index.js
document.addEventListener('DOMContentLoaded', async () => {
    const message_id = document.getElementById('message')

    // 位置情報取得対応かチェック
    if (navigator.geolocation) {
        // 現在位置をPromiseとして取得  - (1)
        const postion = await getCurrentPositionAsPromise().catch(error => {
            console.log(error)
            message_id.innerHTML = '現在位置を取得できませんでした'
        })
        // 逆ジオコーディングにかける - (2)
        const json = await getPrefecture(postion.coords.latitude, postion.coords.longitude).catch(error => {
            console.log(error)
            message_id.innerHTML = '都道府県を特定できませんでした'
        })
        const prefecuture = json.result.prefecture.pname
        // 香川県なら県のホームページへ
        if (prefecuture === '香川県') {
            location.href = 'https://www.pref.kagawa.lg.jp/'
        } else {
            message_id.innerHTML = 'ようこそ'
        }
    } else {
        message_id.innerHTML = '位置情報取得を許可してください'
    }
})

(1) 位置情報取得

Geolocation APIは、getCurrenctPosition(successFunc, errorFunc, options)で現在位置を取得することができます。
ただし、位置情報取得は許可されてる時のみです。
また、この許可をポップアップによって求めることがあるのですが、この応答待ちが必要なので、Promiseで包みます。

index.js
async function getCurrentPositionAsPromise() {
    return new Promise((resolve, reject) => {
        navigator.geolocation.getCurrentPosition(resolve, reject)
    })
}

(2) 都道府県情報照合

Geolocation APIで取得した位置情報を逆ジオコーディングAPIにかけます。
位置情報はgetCurrentPosition()の返り値をpositionとすると、
緯度: position.coords.latitude
経度: position.coords.longitude
で受け取れます。

逆ジオコーディングにはfinds.jsの簡易逆ジオコーディングサービスを使いました。
APIキー取得が不要で使いやすいです。

APIにはfetchを使って投げます。
ここも取得待ちが必要なので、fetchをそのままPromiseとして返します。

index.js
const API_URL = 'http://www.finds.jp/ws/rgeocode.php'

async function getPrefecture(latitude, longitude) {
    const response = await fetch(`${API_URL}?json&lat=${latitude}&lon=${longitude}`,{
        mode: 'cors'
    })
    if (response.ok) {
        return response.json()
    } else {
        throw new Error(`${response.status}: ${response.statusText}`)
    }
}

注意

このプログラムを動かす時、Web APIを使ってるためCORS要求がうまくいかず、失敗する場合があります。
Chromeだと、拡張機能としてMoesif Origin&CORS Changerを入れるとなんとかできる場合があります。

あと位置情報取得にもAPIの応答待ちも少し時間がかかるため、待つ必要があります。

位置偽造実験

香川県にいないので、実際に香川からアクセスした場合の挙動がわかりません。
なので、Chromeの機能を使って位置情報を香川県に変更します。
香川県の高松市の緯度経度を使用します。

香川デモ

結果、無事香川県のホームページに飛ばされました。
位置情報変えられるのであれば、香川県からのアクセスを別のところからにもできますが(笑)。

まとめ

今回はGeolocation APIを使って香川県からアクセスされた場合、ブロックしてみました。
というか、香川県のゲーム規制をネタにGeolocation APIで遊んでみました。

実際、ゲーム規制どうなるんですかね。
記事執筆段階では、親に努力義務が課せられるという状態ですが、果たして。

(追記)
*1: @alt さんがタグを修正して下さいました。
*2: @proudust さんがasync/awaitで書き換えて下さいました。
*3: @yukiyukki さんがエラー修正してくださいました。
ありがとうございます。

(追記2)
ねとらぼさんでこの記事を取り上げて頂きました。
よろしければ、ご一読ください。
「香川県からのアクセスをブロックするプログラム」が話題に ネット・ゲーム依存症対策条例への問題提起として

(追記3)
いいねをLGTMに変更しました。

参考文献

Geolocation APIをPromiseでラップして扱う(TypeScript)
簡易逆ジオコーディングサービス
Moesif Origin&CORS Changer
ローカルのHTMLファイルでfetchを試す & CORSとその回避策
【Google Chrome】位置情報を変更してPCの現在地を自由自在に設定
香川県の市町村ごとの緯度経度一覧

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