各モジュールについて

README と pom.xml を参考に、各モジュールの概要を整理します。また、なるべく他のモジュールから依存されている順で記載していきます。

Java の実装を持たない POM（= 親 POM）

まずは、親 POM から各モジュールの役割を見ていきます。

プロジェクト直下に配置されている pom.xml のプロジェクトです。
子 POMが11個定義されています。子POMごとにディレクトリが作成され、それがプロジェクト直下に配置されている構成になっています。

この親 POM 内では、Maven の基本的なプラグインやフォーマットに関するライブラリの依存性のみが定義されています。

唯一、プロジェクト直下の pom.xml を直接継承しているモジュールです。
Spring Initializr プロジェクト全体での依存関係バージョンの一元管理をしています。

また、Maven のプラグインで以下の設定をしています。

flatten-maven-plugin
必要最小限の情報を含むPOMを生成。
また、${revision} に具体的なバージョン名を付与する。

xml-maven-plugin
上記のプラグインで生成したPOMを整形する。

唯一、initializr-bom を直接継承しているモジュールです。

以下の項目において、 initializr 全体のプロジェクト設定の共通化をしています。

依存関係バージョンの一元管理
Spring Boot Dependencies, Apache Commons（compress, text）, Maven関連ライブラリ, など。

プラグイン設定の共通化
maven-source-plugin や maven-compile-plugin などの一般的な Maven プラグインの設定。
また、full プロファイルにて、javadoc を生成する設定も追加しています。

これ以降のモジュールは実際に Java のソースコードを含みます。

こちらは initializr が適切なライブラリバージョンを選択・解決する機能を提供するモジュールです。

既存の Maven で使用されている依存解決方法はスレッドセーフではないことでローカルリポジトリが壊れてしまう問題が起こるそうで、その問題を回避するためのモジュールみたいです。
Spring のプロジェクトというよりも、Utility 系のプロジェクトといった印象。

テンプレートベースのコード生成と、Spring フレームワークを使用したプロジェクト生成の機能を提供している initializr の中核的なモジュールです。

プロジェクト生成に必要なメタデータの定義に関する機能を提供しています。
依存性に initializr-generator を持っています。

基本の initializr-generator を拡張して、Spring プロジェクトに特化した機能を提供するモジュールです。

initializr-generator と initializr-metadata を依存性として持っています。
また、テストスコープとして initializr-generator-test を使っています。

プロジェクト生成機能のテストを支援するユーティリティを提供しています。
また、テスト基盤としての役割を果たすため、主要なテストライブラリが実行時依存関係（compile scope）として含まれています。

initializr-generator と initializr-metadata を依存性として持っています。

このモジュールが Spring Initializr の Web フロントエンドとして機能し、ユーザーインターフェースとAPIを提供しています。
具体的には以下のような機能です。

initializr-generator と initializr-metadata を依存性として持ち、
テストスコープとして、initializr-generator-spring、initializr-generator-test を持ちます。

Spring Boot Actuator を使用して、Spring Initializr の運用監視機能を提供しています。
具体的には、システムの健康状態、メトリクス、使用統計などの監視機能を提供しているようです。

依存性として今まで上記で紹介してきたライブラリを持ちます。

JavaDoc を生成するための機能を提供しています。
生成したドキュメントは以下で公開されているようです。

依存性として今まで上記で紹介してきたライブラリを持ちます。

Spring Initializr を実際にサービスとして実装する際のサンプル（参照実装）を提供しています。
ソースコードで処理の始まりから追っていきたい場合、ここを起点にするのがよさそう。