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Microsoft セキュリティ更新プログラムリリース情報 - 2023 年 2 月 (02/17 11:00 記事更新)

Last updated at Posted at 2023-02-16

Note:
この記事は 2023年2月14日(太平洋標準時)に公開された Microsoft セキュリティ更新プログラムの概要をまとめたものです。
以下の製品群にフォーカスしたものとなっています。(主にデバイス管理者向け)
・Windows 11 (22H2)
・Windows 10 (20H2/21H2/22H2)
・Microsoft Office (Microsoft 365 Apps for Enterprise)
・Microsoft Edge (Stable v110)
Microsoft がナレッジ内で言及している推奨手法(回避策)については"タメ語"で一部表現しておりますが、ご容赦ください。

Summary

・今回で Internet Explorer 11 (IE11) は無効化される。
 → Ver. 110.0.1587.49 にて無効化を確認。(※ただしIEモードのためモジュール自体は生存。)
・Windows 10 系列は悪用実績2件、Officeも悪用実績1件。IPAも注意喚起。
・CVSS高スコア(9.8)が複数件あり。
・.NET Framework 更新あり。
・一部のWSUSにおいてはUUPのファイルタイプ追加作業が必要。(後述あり)

Windows Client 今月の献立

Version Build CU KB NetFx KB SSU KB Other
22H2 (Win11) 22621.1265 5022845 5022497 - (5012170)
22H2 (Win10) 19045.2604 5022834 5022729 - (5012170)
21H2 (Win10) 19044.2604 5022834 5022728 (5014032) ※1 (5012170)
20H2 19042.2604 5022834 5022727 (5014032) ※1 (5012170)
(4589212) ※2

※1 単体SSUにおける最新。各種前提を適用できていない場合は 2022年5月のSSU(KB5014032) を先に適用してね。
※2 Intel マイクロコード更新。

22H2 (Win11)
2023-02 x64 ベース システム用 Windows 11 Version 22H2 の累積更新プログラム (KB5022845)
2023-02 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 22H2 用) (KB5022497)

22H2 (Win10)
2023-02 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 の累積更新プログラム (KB5022834)
2023-02 x64 (KB5022729) 向け Windows 10 Version 22H2 用 .NET Framework 3.5、4.8 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム

21H2 (Win10)
2023-02 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 21H2 の累積更新プログラム (KB5022834)
2023-02 x64 (KB5022728) 向け Windows 10 Version 21H2 用 .NET Framework 3.5、4.8 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム

20H2
2023-02 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 20H2 の累積更新プログラム (KB5022834)
2023-02 x64 (KB5022727) 向け Windows 10 Version 20H2 用 .NET Framework 3.5、4.8 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム

Secure Boot DBX 更新プログラム
2022-08 x64 ベース システム用 Windows 11 22H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)
2022-12 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)
2022-08 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 21H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)
2022-08 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 20H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)

Intel マイクロコード更新 (2021/03リリース時点から更新なし)
2021-01 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 20H2 更新プログラム (KB4589212)
2021-01 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1607 更新プログラム (KB4589210)

Edge (Stable Ver.110)
Microsoft Edge-x64 ベース エディション (ビルド 110.0.1587.49) の Stable チャネル バージョン 110 Update
Microsoft Edge-WebView2 Runtime バージョン 110 Update の x64 ベース エディション (ビルド 110.0.1587.49)

Windows Known Issues (2023/02/15 11:00 JST)

バージョン共通

Issues Status/WorkAround
スタートメニュー、Windows Search、UWPアプリを開く際に期待通りに動作しない可能性あり。
Office APIを使用してWindows、Office、Outlook(カレンダー)統合のアプリが対象。(ClickShareが代表例)
※累積更新インストールによるものではなく、アプリ側の更新によって事象発生している可能性あり。
調査中。アプリのアンインストールで回避してね。
11Bリリース以降の累積更新適用後、DirectX利用しているアプリにて apphelp.dllエラーが発生する可能性あり。
・Intelグラフィックスドライバーの 26.20.100.7463 ~ 30.0.101.1190 がインストールされているデバイスが対象。
・DirectX または Direct3D を使用してコンテンツのレンダリングをしているアプリが対象。
Intelグラフィックスドライバーにて 30.0.101.1190 より新しいものをインストールしてね。

22H2(Win11)

Issues Status/WorkAround
プロビジョニングパッケージを使用すると、期待通りに動作しない可能性あり。
OOBEが終了しない、予期せぬ再起動の発生、Windowsが部分的にしか構成されない可能性あり。(Autopilot除く)
22H2にアップグレードする前にデバイスをプロビジョニングしてね。調査中。
数GBのファイルをコピーすると、完了するまでに想定以上の時間がかかる可能性あり。
SMBを介したネットワーク共有から22H2デバイスへのコピーで発生する可能性が高く、ローカルファイルコピーでも影響を受ける可能性あり。
キャッシュマネージャー(Buffered I/O)を使用しないファイルコピーツールを使ってね。(robocopy や xcopy)
2B(2/14リリース)以降のWin11 22H2向け更新プログラムは、Windows Server 2016/2019 から 2022 へOSアップグレードをしたWSUSサーバーにて、Win11デバイスに対して更新展開が行えない可能性あり。MCM(ConfigMgr)は対象外。 UUP(統合更新プラットフォーム)サービスファイルタイプの手動追加を実施すると緩和できる。調査中。

22H2(Win10)/21H2(Win10)/20H2 (新規なし)

Issues Status/WorkAround
日本語IME利用時にローマ字/かな入力モードの自動的な変更ができない場合がある。
ImmSetConversionStatus 関数または VK_KANA キーエミュレーションを使用したアプリで発生する。
以前のバージョンのIMEを使用してね。調査中。
濁点・半濁点のついた半角カタカナと全角カタカナが同じ文字として解釈されない。CompareStringEx()関数をNORM_IGNOREWIDTHフラグとともに使用して比較すると事象が発生する。(※2004 6B以降で既に発生するもの) レジストリにて NLS sorting rule を 6.2(=1909以前のもの) に戻すことで事象回避が行える。
※11C(KB4586853)未適用状態で実施するとシステムが起動できなくなる恐れあり。
LCUを適用(SlipStream)させたカスタムオフラインメディアやISOイメージから構成されたデバイスでは、Edge Legacy が削除されるが New Edge がインストールされない可能性あり。 LCUをSlipStreamする前に、LCU/SSU統合パッケージからCABを抽出して、SSUのCABを先行して適用してね。
タスクバーがちらつき、システムが不安定になる可能性あり
・天気やニュースと興味ウィジェットおよびアイコンがちらつく
・タスクバーが応答停止する
・エクスプローラーが応答停止する
・Officeアプリが応答停止する 等
調査中。KIRあり。(KB5017380)

SecureBootDBX更新プログラム(KB5012170) (新規なし)

Issues Status/WorkAround
製品ベンダーによってはインストールできない可能性あり。 OEMに聞いてみて
グループポリシー "ネイティブ UEFI ファームウェア構成の TPM のプラットフォーム検証プロファイルを構成する"を有効化して PCR7 を選択している場合、インストールに失敗する可能性あり。 BitLockerを再起動回数1~3回分一時停止してね。
(Credential Guard無効/有効で差あり。)
インストールエラーとして"0x800f0922"が表示される可能性あり。※本更新のみの問題であり、CU適用への影響はなし。 UEFI/BIOSを最新にすることで回避できる可能性あり。調査中。
Windows 11 の一部のデバイスにおいて、更新適用後の1~2回目の再起動でBitLocker回復モードに突入する可能性あり。 2022/07/12以降のSSUおよびCUの適用で解消する。

Vulnerability

以下の基準でピックアップしたものです。(脆弱性全ての一覧ではありません。)
・ゼロデイ(一般公開/悪用実績あり)
・CVSSスコアが高い (9.0以上)
・その他話題になっているもの

CVE# タイトル   深刻度 一般公開 悪用実績 悪用可能性指標 CVSSスコア関連                   備考
CVE-2023-21823 Windows グラフィックス コンポーネントのリモートでコードが実行される脆弱性 重要 なし あり 悪用の事実を確認済み スコア : 7.8
攻撃経路:LOCAL
条件複雑:低
必要特権 : 低
ユーザー関与:不要
スコープ:変更なし
機密性:高
完全性:高
可用性:高
今月のゼロデイ。
WindowsOSだけでなく、各ストアで配布されるOfficeアプリ(iOS/Android/UWP)も対象。攻撃者はローカルユーザーとして同コンポーネントの境界エラーを利用してメモリー破損を引き起こし、SYSTEM特権を獲得して任意のコード実行を行う可能性あり。
CVE-2023-23376 Windows 共通ログ ファイル システム ドライバーの特権の昇格の脆弱性 重要 なし あり 悪用の事実を確認済み スコア : 7.8
攻撃経路:LOCAL
条件複雑:低
必要特権 : 低
ユーザー関与:不要
スコープ:変更なし
機密性:高
完全性:高
可用性:高
今月のゼロデイ。
攻撃者はローカルユーザーとして同ドライバーの境界エラーを利用してメモリー破損を引き起こし、SYSTEM特権を獲得して任意のコード実行を行う可能性あり。
CVE-2023-21803 Windows iSCSI Discovery Service のリモートでコードが実行される脆弱性 緊急 なし なし 悪用される可能性は低い スコア : 9.8
攻撃経路:NW
条件複雑:低
必要特権 : なし
ユーザー関与:なし
スコープ:変更なし
機密性:高
完全性:高
可用性:高
CVSS高スコア。32bitOS かつ iSCSIイニシエーターを有効にしているシステムのみが対象。
特別に細工された悪意のあるDHCP検出要求を32bitOSマシン上のiSCSIイニシエーターサービスに送信して、任意のコードを実行する可能性あり。
CVE-2023-21689/21690/21692 Microsoft Protected Extensible Authentication Protocol (PEAP) のリモートでコードが実行される脆弱性 緊急 なし なし 悪用される可能性が高い スコア : 9.8
攻撃経路:NW
条件複雑:低
必要特権 : なし
ユーザー関与:なし
スコープ:変更なし
機密性:高
完全性:高
可用性:高
CVSS高スコア。
NPS(ネットワークポリシーサーバー)を構成しているサーバーで、PEAP(Wi-Fi認証プロトコル+TLS保護有)を許可するNWポリシーが構成されている場合に対象となる。
攻撃者はリモートで特別に細工したPEAPパケットをNPSサーバーに送信し、システム(サーバー)アカウントの権限で任意のコードを実行する可能性あり。
CVE-2023-21715 Microsoft Publisher のセキュリティ機能のバイパスの脆弱性 重要 なし あり 悪用の事実を確認済み スコア : 7.3
攻撃経路:LOCAL
条件複雑:低
必要特権 : 低
ユーザー関与:必要
スコープ:変更なし
機密性:高
完全性:高
可用性:高
Officeゼロデイ。
攻撃者は、(ローカル)ユーザーに対して特別に細工されたファイルをWebサイトからダウンロードして開くように誘導し、信頼されていないファイルや悪意のあるファイルをブロックするマクロポリシーをバイパスして実行させる可能性あり。
CVE-2023-21716 Microsoft Word のリモートでコードが実行される脆弱性 緊急 なし なし 悪用される可能性は低い スコア : 9.8
攻撃経路:NW
条件複雑:低
必要特権 : なし
ユーザー関与:なし
スコープ:変更なし
機密性:高
完全性:高
可用性:高
CVSS高スコア。
特別に細工されたRTFファイルをユーザーに送付し、開かせるように誘導することで、アプリケーション内でコマンドを実行するアクセス権を取得し、さらに悪意のあるコードやファイルを実行する可能性あり。(※プレビューウィンドウも含む)
緩和策としては、トラストセンター>ファイル制限機能の設定にてRTFファイルをブロックすること。

M365Apps 今月の献立

Channel Build
Current Version 2301 (Build 16026.20200)
Monthly Enterprise Version 2212 (Build 15928.20282)
Version 2211 (Build 15831.20280)
Semi-Annual Enterprise Preview Version 2208 (Build 15601.20538)
Semi-Annual Enterprise Version 2208 (Build 15601.20538)
Version 2202 (Build 14931.20926)
Version 2108 (Build 14326.21336)

Office Known Issues (2023/02/15 12:00 JST)

Apps Issues Status/WorkAround
PowerPoint 32bitアプリでは秘密度ラベルの自動適用・推奨機能が利用できない。 32bitアプリでは当機能がサポートできていないため。対応中。
Outlook 共有予定表で終日イベントを拡張すると予期せぬ伸縮が起きる可能性あり。 調査中。共有予定表の機能強化を無効にすることで回避可能。(アカウント設定)
Outlook Outlook.comアカウントの共有予定表のアラームを閉じることができない可能性あり
予定やイベントの作成、権限の表示ができないエラーが発生することもあり。
調査中。共有予定表の機能強化を無効にすることで回避可能。
Outlook Outlook for Microsoft 365 において、スケジュールアシスタントには2023/1/5以降に空き時間のみが表示され、予定が表示されない可能性あり。 調査中。
Outlook オンラインモードでメールボックスにアクセスし、メッセージの転送や分類、フラグを設定しようとすると"操作に失敗しました"というエラーが表示される場合あり。 キャッシュモードで利用するか、Web版を利用してね。
Outlook 共有カレンダーが重複して表示される。 共有カレンダーを開きながら予定表→メール→予定表と表示を切り替えた際に、共有カレンダーの表示が重複する。
Access 一部のテーブルにて、VBA CreateTableDef を使用している場合に "dbo_" ではじまる名前をつけることができない。 CreateTableDefコールとは別にTableDefオブジェクトの名前を設定してね。

参考(英語情報)

Windows 11 Update History
Windows 10 Update History

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