Note:
この記事は 2023年6月13日(太平洋標準時)に公開された Microsoft セキュリティ更新プログラムの概要をまとめたものです。
以下の製品群にフォーカスしたものとなっています。(主にデバイス管理者向け)
・各クライアントOS (bitness は x64 対象 )
Windows 11 (22H2)
Windows 10 (22H2/21H2/1607LTSB)
・Microsoft Office (Microsoft 365 Apps for Enterprise)
・Microsoft Edge (Stable v114)
Microsoft がナレッジ内で言及している推奨手法(回避策)については"タメ語"で一部表現しておりますが、ご容赦ください。
Summary
・Win10/11系列は一般公開/悪用実績ともになし。ただし、CVSS高スコア(9.8)は3件あり。
・.NET Framework 更新あり
・Win11 22H2 は別途機能更新あり。(時刻の秒表示など)
Windows Client 今月の献立
↓先月分の情報が混在していたので一部修正削除。
Version | Build | CU KB | NetFx KB | SSU KB | Other |
---|---|---|---|---|---|
22H2 (Win11) | 22621.1848 | 5027231 | 5027119 | - | (5012170) |
22H2 (Win10) | 19045.3086 | 5027215 | 5027538 | - | (5012170) |
21H2 (Win10) | 19044.3086 | 5027215 | 5027537 | (5014032) ※1 | (5012170) |
1607 | 14393.5850 | 5027219 | 5027123 | (5023788) | (5012170) (4589210) ※2 |
※1 単体SSUにおける最新。各種前提を適用できていない場合は 2022年5月のSSU(KB5014032) を先に適用してね。
※2 Intel マイクロコード更新。
2023-06 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 22H2 用) (KB5027119)
2023-06 x64 (KB5027538) 向け Windows 10 Version 22H2 用 .NET Framework 3.5、4.8 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム
2023-06 x64 (KB5027537) 向け Windows 10 Version 21H2 用 .NET Framework 3.5、4.8 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム
2023-06 Windows 10 Version 1607 (x64 版) 用 .NET Framework 4.8 の累積的な更新プログラム (KB5027123)
# 先月以前からの継続
2023-03x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1607 サービス スタック更新プログラム (KB5023788)
# LCU では最新の SSU の適用を強く推奨するという表現。
2022-12 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)
2022-08 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 21H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)
2022-08 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 20H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)
2021-01 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1607 更新プログラム (KB4589210)
Microsoft Edge-WebView2 Runtime バージョン 114 Update の x64 ベース エディション (ビルド 114.0.1823.43)
Windows Known Issues (2023/06/14 12:00 JST)
バージョン共通 (新規なし)
Issues | Status/WorkAround |
---|---|
スタートメニュー、Windows Search、UWPアプリを開く際に期待通りに動作しない可能性あり。 Office APIを使用してWindows、Office、Outlook(カレンダー)統合のアプリが対象。(ClickShareが代表例) ※累積更新インストールによるものではなく、アプリ側の更新によって事象発生している可能性あり。 |
調査中。アプリのアンインストールで回避してね。 |
11Bリリース以降の累積更新適用後、DirectX利用しているアプリにて apphelp.dllエラーが発生する可能性あり。 ・Intelグラフィックスドライバーの 26.20.100.7463 ~ 30.0.101.1190 がインストールされているデバイスが対象。 ・DirectX または Direct3D を使用してコンテンツのレンダリングをしているアプリが対象。 |
Intelグラフィックスドライバーにて 30.0.101.1190 より新しいものをインストールしてね。 |
大規模なアドレス空間を認識し、CopyFiles API を使用する 32bitアプリにて、ファイルの保存やコピー、添付といった動作を行うと断続的な問題が発生する可能性あり。 Word や Excel においては「ドキュメントは保存されません」というエラーが表示される場合あり。 |
→6B(今回)で修正済。 |
(※特定の更新プログラムが原因とはされていない事象) ARMデバイスの一部において、統合Webカメラが利用できない場合あり。 "0xA00F4271 (0x80004005)" エラー 対象プロセッサ: Qualcomm 8cx Gen 1、Qualcomm 8cx Gen 2、Microsoft SQ1、Microsoft SQ2 |
トラブルシューティングツールを使用するか、 レジストリ値(※)を設定して再起動してね。 "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Qualcomm\Camera" EnableQCOMFD (REG_DWORD) : 0 |
22H2(Win11) (新規なし)
Issues | Status/WorkAround |
---|---|
プロビジョニングパッケージを使用すると、期待通りに動作しない可能性あり。 OOBEが終了しない、予期せぬ再起動の発生、Windowsが部分的にしか構成されない可能性あり。(Autopilot除く) |
22H2にアップグレードする前にデバイスをプロビジョニングしてね。調査中。 |
日本語または中国語を使用している場合、音声認識、表現型入力、手書き入力に断続的な問題が発生する可能性あり。 特定の単語を認識できない or 影響のある入力方式から入力ができない。 アプリがオフライン音声認識を使用している場合に発生する可能性が高くなる。 ※Windows.Media.SpeechRecognition で音声認識文法仕様 (SRGS) を使用した音声認識にのみ影響あり。 |
5Cで修正済。 |
22H2/21H2(Win10) (新規なし)
Issues | Status/WorkAround |
---|---|
日本語IME利用時にローマ字/かな入力モードの自動的な変更ができない場合がある。 ImmSetConversionStatus 関数または VK_KANA キーエミュレーションを使用したアプリで発生する。 |
以前のバージョンのIMEを使用してね。調査中。 |
濁点・半濁点のついた半角カタカナと全角カタカナが同じ文字として解釈されない。CompareStringEx()関数をNORM_IGNOREWIDTHフラグとともに使用して比較すると事象が発生する。(※2004 6B以降で既に発生するもの) | レジストリにて NLS sorting rule を 6.2(=1909以前のもの) に戻すことで事象回避が行える。 ※11C(KB4586853)未適用状態で実施するとシステムが起動できなくなる恐れあり。 |
LCUを適用(SlipStream)させたカスタムオフラインメディアやISOイメージから構成されたデバイスでは、Edge Legacy が削除されるが New Edge がインストールされない可能性あり。 | LCUをSlipStreamする前に、LCU/SSU統合パッケージからCABを抽出して、SSUのCABを先行して適用してね。 |
タスクバーがちらつき、システムが不安定になる可能性あり ・天気やニュースと興味ウィジェットおよびアイコンがちらつく ・タスクバーが応答停止する ・エクスプローラーが応答停止する ・Officeアプリが応答停止する 等 |
調査中。KIRあり。(KB5017380) |
1607(LTSB) (新規なし)
SecureBootDBX更新プログラム(KB5012170) (新規なし)
Issues | Status/WorkAround |
---|---|
グループポリシー "ネイティブ UEFI ファームウェア構成の TPM のプラットフォーム検証プロファイルを構成する"を有効化して PCR7 を選択している場合、インストールに失敗する可能性あり。 | BitLockerを再起動回数1~3回分一時停止してね。 (Credential Guard無効/有効で差あり。) |
Vulnerability
以下の基準でピックアップしたものです。(脆弱性全ての一覧ではありません。)
・ゼロデイ(一般公開/悪用実績あり)
・CVSSスコアが高い (9.0以上)
・その他話題になっているもの
CVE# | タイトル | 深刻度 | 一般公開 | 悪用実績 | 悪用可能性指標 | CVSSスコア関連 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
CVE-2023-32014/ CVE-2023-32015/ CVE-2023-29363 |
Windows Pragmatic General Multicast (PGM) のリモートでコードが実行される脆弱性 | 重要 | なし | なし | 悪用の可能性は低い | スコア : 9.8 攻撃経路:NW 条件複雑:低 必要特権 : なし ユーザー関与:不要 スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
CVSS高スコア。MSMQ (Microsoft メッセージ キュー サーバー)を有効にしている PGMサーバー環境のみ対象。 攻撃者が特別に細工されたファイルをネットワーク経由で送信することで、リモートで任意のコードが実行される可能性あり。 |
M365Apps 今月の献立
Channel | Build |
---|---|
Current | Version 2305 (Build 16501.20210) |
Monthly Enterprise | Version 2304 (Build 16327.20324) Version 2303 (Build 16227.20354) |
Semi-Annual Enterprise Preview | Version 2302 (Build 16130.20580) |
Semi-Annual Enterprise | Version 2208 (Build 15601.20680) Version 2202 (Build 14931.21024) |
Perpetual Enterprise (Office 2019 Standard) | Version 1808 (Build 10399.20000) |
Office Known Issues (2023/06/14 12:00 JST)
Apps | Issues | Status/WorkAround |
---|---|---|
PowerPoint | 32bitアプリでは秘密度ラベルの自動適用・推奨機能が利用できない。 | 32bitアプリでは当機能がサポートできていないため。対応中。 |
Outlook | 予測入力変換が機能せず、設定上も「入力中にテキスト予測を表示する」オプションが表示されない。 | 調査中。 |
Outlook | タッチモードで各アプリ(ToDo)が機能しない。 | 調査中。 回避策→マウス使ってね。 |
Outlook | クイック操作にて新規に"新しい電子メールの宛先"を作成する際、オートコンプリート機能を利用して連絡先を選択して完了すると、内容が保存できない。 | 調査中。 回避策は、アドレス帳で連絡先を検索するボタンを利用するか、レジストリ(※)を追加してね。 HKCU:\software\policies\Microsoft\office\16.0\outlook DoNotIncludeNickNameCacheInSearch (REG_DWORD) Value: 1 |
Outlook | 新規メール作成時に、[差出人]フィールドのドロップダウンを選択して別のアカウントに切り替えると、Outlookによって"サーバーからテンプレートを取得する"というメッセージが表示される。 バージョン2206以降で発生。 |
5月末に修正済。 回避策:キャンセルを選択し、元の送信元アカウントの選択をする。もしくはバージョン2205(以下)に戻す。 |
Outlook | 会議出席者が、代理人によって変更された添付ファイルを含む会議の更新またはその一部を取得できない可能性あり。 | 調査中。 共有予定表の機能強化を無効にすることで回避可能。(アカウント設定) |
Outlook | 共有予定表で終日イベントを拡張すると予期せぬ伸縮が起きる可能性あり。 | 調査中。 共有予定表の機能強化を無効にすることで回避可能。(アカウント設定) |
Outlook | オンラインモードでメールボックスにアクセスし、メッセージの転送や分類、フラグを設定しようとすると"操作に失敗しました"というエラーが表示される場合あり。 | 調査中。 回避策:キャッシュモードで利用するか、Web版を利用してね。 |