Note:
この記事は 2025年7月8日(太平洋標準時)に公開された Microsoft セキュリティ更新プログラムの概要をまとめたものです。
以下の製品群にフォーカスしたものとなっています。(主にデバイス管理者向け)
・各クライアントOS ( bitness は x64 対象 )
Windows 11 (24H2/23H2/22H2)
Windows 10 (22H2/1607LTSB)
・Microsoft Office (Microsoft 365 Apps for Enterprise)
・Microsoft Edge (Stable v138)
Microsoft がナレッジ内で言及している推奨手法(回避策)については"タメ語"で一部表現しておりますが、ご容赦ください。
Summary
・.NET Framework系久々に更新あり。
・高スコア 1件、一般公開および悪用実績 0件。
・今月にてM365Apps半期チャネルは機能更新展開。(バージョン2502)
Windows Client 今月の献立
Version | Build | CU KB | NetFx KB | SSU KB | Other |
---|---|---|---|---|---|
24H2 | 26100.4652 | 5062553 | 5056579 | - | - |
23H2 | 22631.5624 | 5062552 | 5056580 | - | - |
22H2 (Win11) | 22621.5624 | 5062552 | 5056580 | - | (5012170) |
22H2 (Win10) | 19045.6093 | 5062554 | 5062154 | (5031539) ※1 | (5012170) |
1607 | 14393.8246 | 5062560 | (5055170) | 5062799 | (5012170) (4589210) ※2 |
※1 単体SSUにおける最新。各種前提を適用できていない場合は 2022年5月のSSU(KB5014032) を先に適用してね。
※2 Intel マイクロコード更新。
2025-07 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 24H2 用) (KB5056579)
2025-07 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 23H2 用) (KB5056580)
2025-07 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 22H2 用) (KB5056580)
2025-07 x64 (KB5062154) 向け Windows 10 Version 22H2 用 .NET Framework 3.5、4.8 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム
# 先月以前からの継続
2023-10x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 サービス スタック更新プログラム (KB5031539)
2025-07 Windows 10 Version 1607 (x64 版) 用 .NET Framework 4.8 の累積的な更新プログラム (KB5062064)
2025-07x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1607 サービス スタック更新プログラム (KB5062799)
# LCU では最新の SSU の適用を強く推奨するという表現。
2022-12 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)
Microsoft Edge-WebView2 Runtime バージョン 138 Update の x64 ベース エディション (ビルド 138.0.3351.77)
Windows Known issues (2025/7/9 5:30 JST)
バージョン共通
Issues | Status/WorkAround |
---|---|
Chromiumベースのブラウザー(Edge / Chrome等)で、 96 DPI (100%スケーリング)で表示すると、日本語、中国語、韓国語のテキストがぼやけたり、不明瞭になったりする可能性あり。 | Googleとの共同開発フォント(Notoフォント)であり、Google側で対応。回避策としてディスプレイスケーリングを125%または150%に変更すると、テキストの明瞭度が回復する。(システム>ディスプレイ>拡大縮小とレイアウト) |
22H2/21H2(Win10)
単独では情報なし
1607 (Win10 / Windows Server 2016)
単独では情報なし
Vulnerability
以下の基準でピックアップしたものです。(脆弱性全ての一覧ではありません。)
・ゼロデイ(一般公開/悪用実績あり)
・CVSSスコアが高い (9.0以上)
・その他話題になっているもの
CVE# | タイトル | 深刻度 | 一般公開 | 悪用実績 | 悪用可能性指標 | CVSSスコア関連 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
CVE-2025-47981 | SPNEGO Extended Negotiation (NEGOEX) Security Mechanism Remote Code Execution Vulnerability | 緊急 | なし | なし | 悪用される可能性が高い | スコア : 9.8 攻撃経路:NW 条件複雑:低 必要特権 :なし ユーザー関与:なし スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
CVSS高スコア。 SMB、RDP、HTTP等各種アプリケーションプロトコルによるサーバー・クライアント間認証方式選択のプロトコルであるSPENGO NEGOEXにおいて、バッファーオーバーフローの脆弱性を悪用し、攻撃者がネットワーク経由で悪意のあるメッセージを送信することで、リモートコード実行を行える可能性あり。 |
M365Apps 今月の献立
Channel | Build | Remarks |
---|---|---|
Current | Version 2506 (Build 18925.20158) | |
Monthly Enterprise | Version 2505 (Build 18827.20202) Version 2504 (Build 18730.20240) |
|
Semi-Annual Enterprise Preview | Version 2502 (Build 18526.20472) | |
Semi-Annual Enterprise | Version 2502 (Build 18526.20472) Version 2408 (Build 17928.20604) Version 2402 (Build 17328.20856) |
|
Perpetual Enterprise (Office 2019 Standard) | Version 1808 (Build 10417.20030) |
Office Known Issues (2025/6/11 6:00 JST)
Apps | Status | Issues | Remarks/WorkAround |
---|---|---|---|
共通 | 調査中 | Officeのテキスト翻訳機能を使用した場合に、結果は見つかりませんでした。というエラーメッセージが出る可能性あり。 | 調査中。 |
Outlook | 調査中 | 自動応答設定を開こうとすると、サーバーが現在利用できないため、自動応答設定を表示できない旨のエラーメッセージが表示される。 | 調査中。回避策としてはOWA経由で設定を行ってね。 |
Outlook | 修正済 | Viva Engage、Viva Insights、Yammer、または Power Automate から送信されたメールを開くと、Outlook Classic がクラッシュする。 | サービス側で修正を実施済。(6/13以降・Outlookを再起動することで反映。) |
Outlook | 調査中 | Outlook Classicで、グローバルアドレス一覧(GAL)から作成された連絡先を含む共有予定表を開くことができない可能性あり。 | 調査中。連絡先からではなく、GALから予定表を追加してね。 |
Outlook | 調査中 | Windows 11 24H2へのアップデート後、Outlookのタスクバー通知がフォアグラウンドで表示されない可能性あり。 他のアプリ(PowerPoint、Word、Teams等)をアクティブで開いている際に発生し、タスクバーのOutlookアイコンは5回点滅する |
現在 Windows チームにて調査中。 |
Outlook | 調査中 | メール管理者は Outlook Classic に対して OnlineMeetingsByDefaultEnabled の設定値を適用させることができない | 現在調査中。 |
Outlook | 調査中 | 自分または共有カレンダーで会議を更新するときにエラーが発生する可能性あり。(「アイテムは別のユーザーによって、または別のウィンドウで変更されたため、保存できません」等) | サポートに問い合わせてね。 |
Outlook | 回避策提示済 | Outlookデスクトップアプリ(Ver2309以上)を起動した際、予期したプロフィール画像の代わりにサインインボタンが表示され、資格情報を入力して認証しようとしても、「この電子メールアドレスはすでに追加されています」というエラーダイアログが表示されてしまう | 現時点正式リリースの見通し無し。回避策はハイブリッド先進認証にすること。 |
Outlook | 調査中 | タッチモードで各アプリ(ToDo)が機能しない。 | 回避策→マウス使ってね。 |
Outlook | 調査中 | Outlook(Classic)で一部の出席者に会議のキャンセルが予期せず送信される。 | 共有カレンダーの改善を有効にする機能をオフにして再起動してね。 サービス側でOWAと新しいOutlookでこの問題を修正済。 |
Outlook | 調査中 | 会議出席者が、代理人によって変更された添付ファイルを含む会議の更新またはその一部を取得できない可能性あり。 | 可能な限り添付ファイルを SharePoint か OneDrive に保存し、リンクを使用して共有することを推奨。 |
PowerPoint | 調査中 | 32bitアプリでは秘密度ラベルの自動適用・推奨機能が利用できない。(US英語環境を除く) | 32bitアプリでは当機能がサポートできていないため |
PowerPoint | 修正済(中) | PowerPoint 2019(Version 1808,ビルド 10409.20028)において、ボリュームライセンスインストールにおいてはファイル破損やデータ損失の可能性があるため、一部機能の無効化を実施中。(オブジェクトの挿入→アイコンとして表示、形式を指定して貼り付けメニューからの図の貼り付け等) | ファイル破損の一部解決があり、ビルド10412.20006にて対応。以下2機能の無効化は継続中。 ・[形式を指定して貼り付け] ダイアログ ボックスから [図 (Windows メタファイル)] として貼り付け。 ・Shapes.PasteSpecial メソッドと View.PasteSpecialメソッド から ppPasteMetafilePicture として貼り付け。 |