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Microsoft セキュリティ更新プログラムリリース情報 - 2023 年 5 月

Last updated at Posted at 2023-05-11

Note:
この記事は 2023年5月9日(太平洋標準時)に公開された Microsoft セキュリティ更新プログラムの概要をまとめたものです。
以下の製品群にフォーカスしたものとなっています。(主にデバイス管理者向け)
・各クライアントOS (bitness は x64 対象 )
 Windows 11 (22H2)
 Windows 10 (22H2/21H2/1607LTSB)
・Microsoft Office (Microsoft 365 Apps for Enterprise)
・Microsoft Edge (Stable v113)
Microsoft がナレッジ内で言及している推奨手法(回避策)については"タメ語"で一部表現しておりますが、ご容赦ください。

Summary

今月はセキュアブートの脆弱性修正があり、影響度を踏まえて保護機能は無効状態での展開となる。
 将来的に自動で有効化する予定となるが、事前に手動で有効化してテストすることが推奨。

 KB5025885: CVE-2023-24932 に関連付けられているセキュア ブートの変更に対する Windows ブート マネージャー失効を管理する方法
・Win10/11系列は一般公開 2件、悪用実績 1件、CVSS高スコア(9.8)も1件あり。(サーバー系OSは悪用実績+1、高スコア+1)
・.NET Framework 更新なし
・Win10 20H2 は本リリースでEOS。

Comment

Windows 10 は 22H2 までとなり、 EOS まで品質更新しかリリースされませんといいつつ、機能更新プログラムが出ないというだけで、機能的アップデートが入る可能性は...ゼロではないかもですね。ここでフラグを折っておかないと。

Windows Client 今月の献立

Version Build CU KB NetFx KB SSU KB Other
22H2 (Win11) 22621.1702 5026372 (5022497) - (5012170)
22H2 (Win10) 19045.2965 5026361 (5022729) - (5012170)
21H2 (Win10) 19044.2965 5026361 (5022728) (5014032) ※1 (5012170)
1607 14393.5850 5025228 (5022503) (5023788) (5012170)

※1 単体SSUにおける最新。各種前提を適用できていない場合は 2022年5月のSSU(KB5014032) を先に適用してね。
※2 Intel マイクロコード更新。


22H2 (Win11)
2023-05 x64 ベース システム用 Windows 11 Version 22H2 の累積新プログラム (KB5026372)
# 先月以前にリリース済だが最新のもの
2023-02 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 22H2 用) (KB5022497)

22H2 (Win10)
2023-05 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 の累積更新プログラム (KB5026361)
# 先月以前にリリース済だが最新のもの
2023-02 x64 (KB5022729) 向け Windows 10 Version 22H2 用 .NET Framework 3.5、4.8 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム

21H2 (Win10)
2023-05 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 21H2 の累積更新プログラム (KB5026361)
# 先月以前にリリース済だが最新のもの
2023-02 x64 (KB5022728) 向け Windows 10 Version 21H2 用 .NET Framework 3.5、4.8 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム

1607
2023-05 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1607 の累積更新プログラム (KB5026363)
# 先月以前にリリース済だが最新のもの
2023-03x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1607 サービス スタック更新プログラム (KB5023788)
2023-02 Windows 10 Version 1607 (x64 版) 用 .NET Framework 4.8 の累積的な更新プログラム (KB5022503) # LCU では最新の SSU の適用を強く推奨するという表現。

Secure Boot DBX 更新プログラム(2022/12以降更新なし)
2022-08 x64 ベース システム用 Windows 11 22H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)
2022-12 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)
2022-08 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 21H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)
2022-08 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 20H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)

Intel マイクロコード更新 (2021/03リリース時点から更新なし)
2021-01 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 20H2 更新プログラム (KB4589212)
2021-01 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1607 更新プログラム (KB4589210)

Edge (Stable Ver.113)
Microsoft Edge-x64 ベース エディション (ビルド 113.0.1774.35) の Stable チャネル バージョン 113 Update
Microsoft Edge-WebView2 Runtime バージョン 113 Update の x64 ベース エディション (ビルド 113.0.1774.35)

Windows Known Issues (2023/05/10 12:00 JST)

バージョン共通 (新規なし)

Issues Status/WorkAround
スタートメニュー、Windows Search、UWPアプリを開く際に期待通りに動作しない可能性あり。
Office APIを使用してWindows、Office、Outlook(カレンダー)統合のアプリが対象。(ClickShareが代表例)
※累積更新インストールによるものではなく、アプリ側の更新によって事象発生している可能性あり。
調査中。アプリのアンインストールで回避してね。
11Bリリース以降の累積更新適用後、DirectX利用しているアプリにて apphelp.dllエラーが発生する可能性あり。
・Intelグラフィックスドライバーの 26.20.100.7463 ~ 30.0.101.1190 がインストールされているデバイスが対象。
・DirectX または Direct3D を使用してコンテンツのレンダリングをしているアプリが対象。
Intelグラフィックスドライバーにて 30.0.101.1190 より新しいものをインストールしてね。

22H2(Win11)

Issues Status/WorkAround
プロビジョニングパッケージを使用すると、期待通りに動作しない可能性あり。
OOBEが終了しない、予期せぬ再起動の発生、Windowsが部分的にしか構成されない可能性あり。(Autopilot除く)
22H2にアップグレードする前にデバイスをプロビジョニングしてね。調査中。
日本語または中国語を使用している場合、音声認識、表現型入力、手書き入力に断続的な問題が発生する可能性あり。
特定の単語を認識できない or 影響のある入力方式から入力ができない。
アプリがオフライン音声認識を使用している場合に発生する可能性が高くなる。
※Windows.Media.SpeechRecognition で音声認識文法仕様 (SRGS) を使用した音声認識にのみ影響あり。
影響を受けているアプリを閉じて、ctfrmon.exeのプロセスを強制終了(その後自動起動)してね。
数GBのファイルをコピーすると、完了するまでに想定以上の時間がかかる可能性あり。
SMBを介したネットワーク共有から22H2デバイスへのコピーで発生する可能性が高く、ローカルファイルコピーでも影響を受ける可能性あり。
→2Cで修正済。

22H2/21H2(Win10) (新規なし)

Issues Status/WorkAround
日本語IME利用時にローマ字/かな入力モードの自動的な変更ができない場合がある。
ImmSetConversionStatus 関数または VK_KANA キーエミュレーションを使用したアプリで発生する。
以前のバージョンのIMEを使用してね。調査中。
濁点・半濁点のついた半角カタカナと全角カタカナが同じ文字として解釈されない。CompareStringEx()関数をNORM_IGNOREWIDTHフラグとともに使用して比較すると事象が発生する。(※2004 6B以降で既に発生するもの) レジストリにて NLS sorting rule を 6.2(=1909以前のもの) に戻すことで事象回避が行える。
※11C(KB4586853)未適用状態で実施するとシステムが起動できなくなる恐れあり。
LCUを適用(SlipStream)させたカスタムオフラインメディアやISOイメージから構成されたデバイスでは、Edge Legacy が削除されるが New Edge がインストールされない可能性あり。 LCUをSlipStreamする前に、LCU/SSU統合パッケージからCABを抽出して、SSUのCABを先行して適用してね。
タスクバーがちらつき、システムが不安定になる可能性あり
・天気やニュースと興味ウィジェットおよびアイコンがちらつく
・タスクバーが応答停止する
・エクスプローラーが応答停止する
・Officeアプリが応答停止する 等
調査中。KIRあり。(KB5017380)

1607(LTSB) (新規なし)

SecureBootDBX更新プログラム(KB5012170) (新規なし)

Issues Status/WorkAround
グループポリシー "ネイティブ UEFI ファームウェア構成の TPM のプラットフォーム検証プロファイルを構成する"を有効化して PCR7 を選択している場合、インストールに失敗する可能性あり。 BitLockerを再起動回数1~3回分一時停止してね。
(Credential Guard無効/有効で差あり。)

Vulnerability

以下の基準でピックアップしたものです。(脆弱性全ての一覧ではありません。)
・ゼロデイ(一般公開/悪用実績あり)
・CVSSスコアが高い (9.0以上)
・その他話題になっているもの

CVE# タイトル   深刻度 一般公開 悪用実績 悪用可能性指標 CVSSスコア関連                   備考
CVE-2023-24932 セキュア ブートのセキュリティ機能のバイパスの脆弱性 重要 あり あり 悪用の事実を確認済み スコア : 6.7
攻撃経路:LOCAL
条件複雑:低
必要特権 : 高
ユーザー関与:不要
スコープ:変更なし
機密性:高
完全性:高
可用性:高
今月のゼロデイ。
標的のコンピューターに物理的にアクセスできる状態で管理者権限を持つ攻撃者が、UEFIブートキット(BlackLotus)を活用してセキュアブート機能を迂回して不正なブートポリシーをインストールする可能性あり。現時点では手動で脆弱性修正の有効化が必要。
CVE-2023-24941 Microsoft ネットワーク ファイル システムのリモートでコードが実行される脆弱性 緊急 なし なし 悪用される可能性が高い スコア : 9.8
攻撃経路:NW
条件複雑:低
必要特権 : なし
ユーザー関与:不要
スコープ:変更なし
機密性:高
完全性:高
可用性:高
CVSS高スコア。サーバー系OSのみ、NFSV4.1が対象。(2.0/3.0は対象外。)
攻撃者がNFSサービスに対して細工された読み出しを行い、非認証の状態でリモートで任意のコードが実行される可能性あり。
回避策はNFSV4.1の無効化。(22年5月のセキュリティ更新を適用していない場合は別の脆弱性CVE-2022-26937の影響があるため要注意。)
CVE-2023-24943 Windows Pragmatic General Multicast (PGM) のリモートでコードが実行される脆弱性 緊急 なし なし 悪用される可能性が低い スコア : 9.8
攻撃経路:NW
条件複雑:低
必要特権 : なし
ユーザー関与:不要
スコープ:変更なし
機密性:高
完全性:高
可用性:高
CVSS高スコア。
MSMQ (Microsoft メッセージ キュー サーバー)を有効にしている PGMサーバー環境のみ対象。
攻撃者が特別に細工されたファイルをネットワーク経由で送信することで、リモートで任意のコードが実行される可能性あり。
CVE-2023-29325 Windows OLE のリモートでコードが実行される脆弱性 緊急 あり なし 悪用される可能性が高い スコア : 8.1
攻撃経路:NW
条件複雑:高
必要特権 : なし
ユーザー関与:不要
スコープ:変更なし
機密性:高
完全性:高
可用性:高
一般公開あり。
攻撃者が特別に細工されたリッチテキスト(RTF)が添付されたメールを標的ユーザーに送信し、Outlook(プレビューウィンドウも攻撃対象)経由でメールを開くまたはプレビューを表示した場合に、OLEの競合状態を利用して任意のコードを実行できる可能性あり。
プレーンテキスト形式でメールを開くように構成することで回避可能。
CVE-2023-29336 Win32k の特権の昇格の脆弱性 重要 なし あり 悪用の事実を確認済み スコア : 7.8
攻撃経路:LOCAL
条件複雑:低
必要特権 : 低
ユーザー関与:不要
スコープ:変更なし
機密性:高
完全性:高
可用性:高
今月のゼロデイ。サーバーOS(2012/2012R2/2016)が対象。
Win32kドライバーの協会エラーを利用してメモリ破損を引き起こし、SYSTEM権限で任意のコードを実行できる可能性あり。

M365Apps 今月の献立

Channel Build
Current Version 2304 (Build 16327.20248)
Monthly Enterprise Version 2303 (Build 16227.20318)
Version 2302 (Build 16130.20500)
Semi-Annual Enterprise Preview Version 2302 (Build 16130.20500)
Semi-Annual Enterprise Version 2208 (Build 15601.20660)
Version 2202 (Build 14931.21000)

Office Known Issues (2023/05/10 12:00 JST)

Apps Issues Status/WorkAround
PowerPoint 32bitアプリでは秘密度ラベルの自動適用・推奨機能が利用できない。 32bitアプリでは当機能がサポートできていないため。対応中。
Outlook クイック操作にて新規に"新しい電子メールの宛先"を作成する際、オートコンプリート機能を利用して連絡先を選択して完了すると、内容が保存できない。 調査中。回避策は、アドレス帳で連絡先を検索するボタンを利用するか、レジストリ(※)を追加してね。
HKCU:\software\policies\Microsoft\office\16.0\outlook
DoNotIncludeNickNameCacheInSearch (REG_DWORD)
Value: 1
Outlook 特定のクエリにて検索候補を使用して検索しても結果がない。
英語以外の言語にて影響が出ている可能性あり。
例:"宛先"を示す単語が検索候補側では実質的に無効な単語になっている
4月に修正済。
その他回避策
候補を使わずクエリを手動で検索する。英語に置き換える。レジストリ値(※)を利用する。
HKCU:\software\policies\Microsoft\office\16.0\outlook\search
DisableServerAssistedSearch (REG_DWORD)
Value: 1
#強制的にローカル検索が使用されるので、修正後に当レジストリ値の削除を推奨。
Outlook 新規メール作成時に、[差出人]フィールドのドロップダウンを選択して別のアカウントに切り替えると、Outlookによって"サーバーからテンプレートを取得する"というメッセージが表示される。
バージョン2206以降で発生。
調査中
回避策:キャンセルを選択し、元の送信元アカウントの選択をする。もしくはバージョン2205(以下)に戻す。
Outlook 会議出席者が、代理人によって変更された添付ファイルを含む会議の更新またはその一部を取得できない可能性あり。 調査中。共有予定表の機能強化を無効にすることで回避可能。(アカウント設定)
Outlook 共有予定表で終日イベントを拡張すると予期せぬ伸縮が起きる可能性あり。 調査中。共有予定表の機能強化を無効にすることで回避可能。(アカウント設定)
Outlook オンラインモードでメールボックスにアクセスし、メッセージの転送や分類、フラグを設定しようとすると"操作に失敗しました"というエラーが表示される場合あり。 回避策
キャッシュモードで利用するか、Web版を利用してね。

参考(英語情報)

Windows 11 Update History
Windows 10 Update History

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