Note:
この記事は 2024年11月12日(太平洋標準時)に公開された Microsoft セキュリティ更新プログラムの概要をまとめたものです。
以下の製品群にフォーカスしたものとなっています。(主にデバイス管理者向け)
・各クライアントOS ( bitness は x64 対象 )
※一部OS扱いを変更しました。
Windows 11 (24H2/23H2/22H2)
Windows 10 (22H2/1607LTSB)
・Microsoft Office (Microsoft 365 Apps for Enterprise)
・Microsoft Edge (Stable v130)
Microsoft がナレッジ内で言及している推奨手法(回避策)については"タメ語"で一部表現しておりますが、ご容赦ください。
Summary
・.NET Framework系更新。(先月リリースの10Cと同KB番号)
・高スコア 1件、一般公開 2件、悪用実績 2件。
Windows Client 今月の献立
Version | Build | CU KB | NetFx KB | SSU KB | Other |
---|---|---|---|---|---|
24H2 | 26100.2314 | 5046617 | 5045934 | - | - |
23H2 | 22631.4460 | 5046633 | 5045935 | - | - |
22H2 (Win11) | 22621.4460 | 5046633 | 5045935 | - | (5012170) |
22H2 (Win10) | 19045.5131 | 5046613 | 5046542 | (5031539) ※1 | (5012170) |
1607 | 14393.7515 | 5046612 | 5044021 | (5043124) | (5012170) (4589210) ※2 |
※1 単体SSUにおける最新。各種前提を適用できていない場合は 2022年5月のSSU(KB5014032) を先に適用してね。
※2 Intel マイクロコード更新。
2024-11 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 24H2 用) (KB5045934)
2024-11 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 23H2 用) (KB5045935)
2024-11 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 22H2 用) (KB5045935)
2024-11 x64 (KB5046542) 向け Windows 10 Version 22H2 用 .NET Framework 3.5、4.8 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム
# 先月以前からの継続
2023-10x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 サービス スタック更新プログラム (KB5031539)
2024-11 Windows 10 Version 1607 (x64 版) 用 .NET Framework 4.8 の累積的な更新プログラム (KB5046266)
# 先月以前からの継続
2024-09x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1607 サービス スタック更新プログラム (KB5043124)
# LCU では最新の SSU の適用を強く推奨するという表現。
2022-12 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)
Microsoft Edge-WebView2 Runtime バージョン 130 Update の x64 ベース エディション (ビルド 130.0.2849.80)
Windows Known issues (2024/11/13 07:00 JST)
24H2
Issues | Status/WorkAround |
---|---|
ARMデバイスにて、Microsoftストアを介して"Roblox"(ゲーム)がダウンロード・実行できない問題あり | (回避策)Robloxの公式サイトからDL可能。 |
23H2/22H2(Win11)
Issues | Status/WorkAround |
---|---|
OpenSSHサービスの起動ができず、SSH接続が行えない。 OS付属の OpenSSH v9.5において右記のユーザー以外のユーザーが読み取り権限よりも強い権限を持っていると判断された場合、起動がエラーになるように動作が変更されたため。 |
PowerShell等を使用して、以下のフォルダーに SYSTEM および Administrators グループにフルコントロール、 Authenticated Users に読み取り専用アクセスを許可してね。 C:\ProgramData\ssh\ C:\ProgramData\ssh\logs ※フォルダーの削除やリネームでも可。 |
22H2/21H2(Win10)
情報なし
1607 (Win10 / Windows Server 2016)
情報なし
Vulnerability
以下の基準でピックアップしたものです。(脆弱性全ての一覧ではありません。)
・ゼロデイ(一般公開/悪用実績あり)
・CVSSスコアが高い (9.0以上)
・その他話題になっているもの
CVE# | タイトル | 深刻度 | 一般公開 | 悪用実績 | 悪用可能性指標 | CVSSスコア関連 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
CVE-2024-43639 | Windows Kerberos のリモートでコードが実行される脆弱性 | 緊急 | なし | なし | 悪用される可能性は低い | スコア : 9.8 攻撃経路:NW 条件複雑:低 必要特権 :なし ユーザー関与:なし スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
CVSS高スコア。 認証されていない攻撃者が、特別に作成したアプリケーションを使用することでKerberos暗号化プロトコルのエラー処理を利用してリモートでコード実行する可能性あり。 |
CVE-2024-49039 | Windows タスク スケジューラの特権の昇格の脆弱性 | 重要 | なし | あり | 悪用の事実を確認済み | スコア : 8.8 攻撃経路:LOCAL 条件複雑:低 必要特権 :低 ユーザー関与:なし スコープ:変更あり 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
今月のゼロデイ。 認証された攻撃者が特別に細工されたアプリケーションを実行し、AppContainerからにもかかわらず、より高い整合性レベルでコードを実行したり、リソースにアクセスできる可能性あり。 |
CVE-2024-49019 | Active Directory 証明書サービスの特権の昇格の脆弱性 | 重要 | あり | なし | 悪用される可能性が高い | スコア : 7.8 攻撃経路:LOCAL 条件複雑:低 必要特権 :低 ユーザー関与:なし スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
今月のゼロデイ。 認証された攻撃者がドメイン管理者権限を取得できる可能性あり。サブジェクト名ソースとして"Supplied in the request"として設定され、登録権限がドメインユーザー・コンピューターなどの広範囲なアカウントセットに付与されているバージョン 1 の証明書テンプレートを使用して作成された証明書を公開していることが条件となる。 |
CVE-2024-43451 | NTLM ハッシュ開示スプーフィングの脆弱性 | 重要 | あり | あり | 悪用の事実を確認済み | スコア : 6.5 攻撃経路:NW 条件複雑:低 必要特権 :なし ユーザー関与:必要 スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:なし 可用性:なし |
今月のゼロデイ。 ユーザーが悪意のあるファイルに対してシングルクリックや右クリック、もしくは開いて実行する以外の最小限の操作を実行するだけで、ユーザーのNTLMv2ハッシュが攻撃者に開示され、攻撃者はユーザーとしてなりすまして認証することができる。 |
M365Apps 今月の献立
Channel | Build | Remarks |
---|---|---|
Current | Version 2410 (Build 18129.20158) | |
Monthly Enterprise | Version 2409 (Build 18025.20214) Version 2408 (Build 17928.20286) |
|
Semi-Annual Enterprise Preview | Version 2408 (Build 17928.20286) | |
Semi-Annual Enterprise | Version 2402 (Build 17328.20648) Version 2308 (Build 16731.20948) |
|
Perpetual Enterprise (Office 2019 Standard) | Version 1808 (Build 10416.20007) |
Office Known Issues (2024/9/11 7:00 JST)
Apps | Status | Issues | Remarks/WorkAround |
---|---|---|---|
Outlook | 調査中 | メール管理者は Outlook Classic に対して OnlineMeetingsByDefaultEnabled の設定値を適用させることができない | 現在調査中。 |
Outlook | 調査中 | Microsoft Defenderポータルを利用して、「Outlookで報告されたメッセージを監視する」を「Microsoft以外のアドインボタンを使用する」に設定した場合、Outlook側では標準のレポートボタンが使用可能な状態になってしまう | 現在調査中。本件はMC841229としてテナント管理メッセージセンター上の採番あり。 |
Outlook | 調査中 | 更新適用後に、Outlook、Word、その他のOfficeアプリケーションを起動すると、「コンピューターに msls70.dll がないため、プログラムを開始できません。この問題を解決するには、プログラムを再インストールしてみてください。」というようなエラーが表示される。 | Officeのバージョンとチャネルの不一致が原因と考えられており、該当する場合はOfficeの再インストールの実施が必要。関連フォーラム |
Outlook | 調査中 | 自分または共有カレンダーで会議を更新するときにエラーが発生する可能性あり。(「アイテムは別のユーザーによって、または別のウィンドウで変更されたため、保存できません」等) | サポートに問い合わせてね。 |
Outlook | 調査中 | Outlookにて予定表を追加した後、開くことができない。 2024/7/15~17の間にてWindows版Outlookのオンラインモードにて発生。(EX814289) |
7/17にサービス側を修正済みだが、事象が発生する場合は、予定表の一覧をキャプチャーやメモ等で保管しておき、ファイル名指定して実行にて"Outlook.exe /resetnavpane"を実行し、Outlookを起動後に再度カレンダーを追加してね。 |
Outlook | 修正済 | Outlook Desktop と Outlook Web App 間で署名が同期されない または しばらくすると削除されてしまう。 | 11/12公開の各チャネルの更新にて修正済。 |
Outlook | 調査中 | Outlookデスクトップアプリ(Ver2309以上)を起動した際、予期したプロフィール画像の代わりにサインインボタンが表示され、資格情報を入力して認証しようとしても、「この電子メールアドレスはすでに追加されています」というエラーダイアログが表示されてしまう | 調査中。 |
Outlook | 調査中 | タッチモードで各アプリ(ToDo)が機能しない。 | 回避策→マウス使ってね。 |
Outlook | 調査中 | クイック操作にて新規に"新しい電子メールの宛先"を作成する際、オートコンプリート機能を利用して連絡先を選択して完了すると、内容が保存できない。 | 回避策は、アドレス帳で連絡先を検索するボタンを利用するか、以下のレジストリを追加してね。 HKCU:\software\policies\Microsoft\office\16.0\outlook DoNotIncludeNickNameCacheInSearch (REG_DWORD) Value: 1 |
Outlook | 調査中 | 会議出席者が、代理人によって変更された添付ファイルを含む会議の更新またはその一部を取得できない可能性あり。 | 可能な限り添付ファイルを SharePoint か OneDrive に保存し、リンクを使用して共有することを推奨。 |
Outlook | 調査中 | オンラインモードでメールボックスにアクセスし、メッセージの転送や分類、フラグを設定しようとすると"操作に失敗しました"というエラーが表示される場合あり。 | 回避策 キャッシュモードで利用するか、Web版を利用してね。 |
Outlook | 修正済 | メールを送信しようとすると エラーコード 0x80040305 を含む想定外の配信不能レポートが表示される可能性あり。 | 各チャネルの2410バージョンにて修正。(18129.20000) |
Word | 調査中 | リスト内でEnterキーとBackSpaceキーが期待通りに機能せず、リストからカーソルが抜けられなくなる場合あり。 | |
PowerPoint | 調査中 | 32bitアプリでは秘密度ラベルの自動適用・推奨機能が利用できない。(US英語環境を除く) | 32bitアプリでは当機能がサポートできていないため |
PowerPoint | 修正済(中) | PowerPoint 2019(Version 1808,ビルド 10409.20028)において、ボリュームライセンスインストールにおいてはファイル破損やデータ損失の可能性があるため、一部機能の無効化を実施中。(オブジェクトの挿入→アイコンとして表示、形式を指定して貼り付けメニューからの図の貼り付け等) | ファイル破損の一部解決があり、ビルド10412.20006にて対応。以下2機能の無効化は継続中。 ・[形式を指定して貼り付け] ダイアログ ボックスから [図 (Windows メタファイル)] として貼り付け。 ・Shapes.PasteSpecial メソッドと View.PasteSpecialメソッド から ppPasteMetafilePicture として貼り付け。 |