LaTeXは文章を書くのには良いのだが、レイアウトとかスタイルを設定しようとすると色々と面倒だと改めて感じたので、自分のためにメモを残す。今回は主にBibtexでの文献管理関連のことをメモする。
LaTeXの環境について
最近は文献の管理にPaperpileというのを使っている。
https://paperpile.com/?welcome
Chromeのブラウザ拡張を使うと、気になる文献があったらボタン一つで登録できるのでとても重宝している。
最近はローカルにLaTeXの環境を作るのが面倒になったのと、共著者と一緒に文章を書くときに共有するのが楽なのでOverleafを使うようにしている。
https://www.overleaf.com/
Overleafを日本語で使うためにはひと手間必要だけど、そもそも日本語で何か文章を書くときはなるべくLaTeXを使わないようにしている。
BibLaTeXを使う
で、bibtexをつかった文献の引用方法について。以前からなんとなく誤魔化しながら使っていたが、引用した文献のリストのスタイルをなんとかしようとすると、bstファイルを直接変更する必要があってとても面倒。いい加減なにかいい方法がないかと思って調べたところ、最近はBibLaTeXというのを使うのが良いみたい、というのを知った。
まずPaperpileの文献リストをOverleafに取り込む。
https://ja.overleaf.com/blog/how-to-create-a-bibliography-using-overleaf-and-paperpile-a-step-by-step
これで文章を書いている途中に新しい文献を追加しても、自動でアップデートされるようになる。とても便利。
あとは必要な設定を書くだけ。今書いている文章の設定を書く。
\documentclass{article}
\usepackage[backend=biber,style=phys,%
articletitle=false,biblabel=brackets,%
chaptertitle=false,pageranges=false,%
eprint=true,%
maxnames=3]{biblatex}
\addbibresource{paperpile.bib}
\renewcommand*{\bibfont}{\small}
\setlength\bibitemsep{0.1\baselineskip}
\begin{document}
...
\printbibliography
\end{document}
オプションは色々あるけど、自分が簡単な文章を書くときは上の設定でだいたい満足できる出力を得ることができた。
上の設定に辿り着くまでに調べたこと
基本的にここにまとまっていた。
https://paper3510mm.github.io/latex/bibtex3.html
引用すると
文献リストで文献がどのように表示されるかは、使っている文献スタイルファイル(bstファイル)に依存する。しかし、既存のbstファイルによる文献表示に満足できなかったり、サポートされていないフィールドを出力したいと思ったりするかもしれない。このように文献リストの調整やカスタマイズをすることは、あまり容易ではない。方法としては以下のようなものが挙げられる:
- 直接bstファイルを編集する。
- BibLaTeXを用いる。
- amsrefsパッケージを利用する。
- Bibulousを用いる。
- 自動でのカスタマイズは諦めて、bblファイルを手動で調整する。
という選択肢がある。2のBibLaTeXを使う、というのが自分なりの結論。
1の直接bstファイルを編集するというのは、原理的にはやりたいことがなんでもできること自体は知っていたが、bstの文法は自分には見てすぐに理解できるものではなかったので、なかなか手をつけられずにいた。
https://qiita.com/HexagramNM/items/7c59f307e55010caf693
自分の目的に合ったbstファイルが存在していれば良いのだが、意外と細かいところが思い通りでなくて困っていた。
https://mathlandscape.com/latex-bibstyles/
ここから目的に近いものを探して、細かいところは自分で修正する、というのが良いのかとは思っていたが、それでもなかなか難しい。
日本語で使うならば、jecon.bstを使うのが良さそうな気がする。少なくともbstの中身を見て、自分でもある程度カスタマイズできそうな気がした。しかし、私は基本的に日本語ではLaTeXを使わない方針にしている。
https://github.com/ShiroTakeda/jecon-bst
amsrefsやBibulousというのはよくわからないのでパス。そもそもOverleaf上で使えるのか不明。
bblを手動で調整するのは少々手間はかかるけど確実な方法。引用文献が少なければなんとかなるかもしれないけど、Overleaf上でPaperpileを使う、という私の環境だと、bblをダウンロードして、編集して、アップロードする、という手間がかかるのでかなり面倒なので最終手段としては良いがあまりやりたくない。
適当なbstファイルがなくて、いまいち文献引用のスタイルがカスタマイズできずに困っている人も多いかと思い、メモを残しておく。