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アイレット株式会社Advent Calendar 2024

Day 10

【UI/UX】生成AI時代に改めて考える、差別化って一体なんだろうか?

Last updated at Posted at 2024-12-10

本記事は私の経験と考察をまとめたものです。誤りや改善点がありましたら、ぜひコメントをいただけると嬉しいです。:bow_tone1:

本記事の主な目的は「差別化」という概念の理解を深めることです。
その為、「差別化」という概念に関してよく知らない、説明するのが難しいと感じる方が主なターゲット読者になります。

私は新卒2年目で、肩書上はデザイナーとエンジニアの両方を担当させていただいております。

皆さんは「差別化」という言葉をよく耳にしませんか?でも、いざ説明しようとすると難しくありませんか?

私は経済学部経営学科卒なので、学生時代から「差別化」という言葉には馴染みがありました。ただ、正直なところ差別化=違いを作るという漠然とした理解で済ませていた部分があります。

また、昨今は生成AIが普及しており、活用すれば他と違うものを量産できるようになりました。その中で差別化の重要性を改めて考える必要があると思います。

「差別化について知りたい方」、「説明が難しい方」など、私と同じように感じている方の参考になれば幸いです:raised_hand:

差別化の定義

まず、「差別化」という用語の定義を見ていきましょう。

広辞苑による定義

  • 同類の他のものと違いを際立たせること
  • 「他社とは提供するサービスで差別化をはかる」といった用例がある

Cambridge Dictionary による定義

  • 明確に他と異なるものにすること
  • 何かを異なるものにする、または異なるものになるプロセス

マイケル・ポーターによる定義

  • 競合他社の商品と比較して機能やサービス面において差異を設けることで、競争上の優位性を得ようとすること
  • 同種カテゴリーにある製品やサービスにおいて、基本機能は同じでも、デザインやブランドイメージ、広告などによって価値活動の一部を差異化すること

上記では日英3つの定義を掲載しました。意味としては、「他と異質化すること」や「異質化するプロセス」という私たちがよくイメージするものや「競争上の優位性確保」などのビジネス的なものが挙げられました。

ここからわかるのは少なくとも「差別化」という概念は複数の意味を持っているということです。冒頭の私のように差別化=違いを作るという認識も誤りではないということがわかります。

しかし、私たちが生きている資本主義においては、ビジネス上の定義が特に価値を持つのだと思います。すなわち「競争優位性を確立するため」の重要な戦略として行うことですね。恐らく多くの人は「他との違いを作ること」というイメージを持つのではないかと思いますが、ビジネスにおいては単なる違い以上の意味を持つのだと考えます。

また、現代のUIデザインの分野では、ユーザーにとって「意味のある価値」を生み出すことこそが真の差別化だと考えています。単なる見た目の違いではなく、ユーザーの課題解決や体験の向上につながる本質的な価値提供が重要なのではないでしょうか

差別化を取り巻く課題

手段の目的化

現場で直面する大きな課題の一つが「手段の目的化」です。差別化は本来、ユーザーや顧客に価値を提供し、結果として利益を生み出すための戦略的プロセスです。しかし時と場合によっては「とにかく他と違えばいい」という考えに陥りがちです。私自身もそういう時があります。

業務でもまず差別化、差別化はどうするかという用語が飛び交う時もあります。
しかし、本来は以下のように最終目的を達成するための手段であるべきだと思います。

img_differentiated.png

差別化の意味に関する認識の不一致

もう一つの課題は、差別化の意味に関する認識の違いです。多くの人が私と同じように差別化=違いを作ると捉えているかもしれません。でも実際は、ユーザーにとって本当に価値のある違いを作ることが重要です。

img_differentiated2.png

もしかしたら、「差別化=違い」と考えていて、なぜそこまで固執するのかと疑問に思う方もいるかもしれないので、ここに関しては、メンバー間で認識を合わせる必要があるかもしれません。

UI/UXにおける実践的な差別化アプローチ

UI/UXにおいて差別化を実現するためには以下3つのアプローチがあると思います。

  • マーケティング
  • UXリサーチ
  • ウェブアクセシビリティ

UI/UXの分野で効果的な差別化を実現するには、まず客観的な市場理解のためのマーケティング調査が欠かせません。その上で、体系的なUXリサーチとデザインプロセスを進めていきます。

具体的には、ユーザーの生の声を聞くアンケート調査から始まり、具体的なターゲット像を描くペルソナ設定、ユーザー体験を可視化するカスタマージャーニーマップ、そして提供価値を明確にするバリュープロポジションキャンパスの作成などを行います。

さらに、より多くの人が使いやすいサービスを目指して、ウェブアクセシビリティの向上にも取り組むことが重要です。これらの取り組みを通じて、本質的な価値を持つ差別化が実現できると考えています。

まとめ

今回は、「差別化」について取り上げました。

  • ビジネスにおいて差別化は競争の優位性を確保するための戦略・プロセスそのものである。すなわち、差別化はあくまで目的ではなく、最終目的を達成するためのプロセスである。
  • UIデザインにおいて、差別化は単なる「違い」ではなく、「意味のある価値」を生み出すことである

※もちろん地域や考える人の立場によって差別化の捉え方は様々あると思います。

良い差別化には時間とコストがかかります。でも、改めてより良いUI/UXを実現するための重要な指針として、私自身も大切にしていきたいと思いました

本記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!:bow_tone1:

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