国内におけるITエンジニアの地位向上につながればと思い書く。
あなたは交渉すべきである。
交渉の余地のない企業に所属されているならば、あなたは必要とされていないので転職をおすすめする。
なお「必要とされていない」は「あなたのスキルが低い」ことを意味しない点は強調したい。
理由は後述しているので本文の 2. 給与が上がらない理由を理解する
を参照されたし。
追記/修正
書いている際には 給与交渉すること
を前提のように書いてしまった点、実のところ本意ではない気がしてきた。あなたは交渉すべきである
というよりは あなたは交渉が不要な企業で労働すべきである
ということなのかもしれない。
また経営側は 給与を上げる前提で自社ビジネスに必要なスキルセットを持つエンジニアを採用すべし
となるし、
マネジメント層は もしも自身の管理対象となるエンジニアが給与交渉を必要とする状態に陥っても苦にならない程度のコストになるよう、常日頃から後押しをすべし
となるだろう。
ゲームとしての 交渉
を楽しめる人と楽しめない人がいて、僕自身が楽しめる側の人間であることに少しばかり無自覚にこの記事を書いてしまったことは、 国内におけるITエンジニアの地位向上につながればと思い書く
を阻害する可能性を感じたのでここに追記修正したい。
経歴
- 1980年生まれ
- 新卒就職活動せずフリーター
- お笑い芸人を目指し活動するが1.5年で飽きてやめる
- 2003年から2006年まで、日々口に糊するためのバイトがだるくてしょうがない
- 解体業
- 漫画喫茶
- コンビニ
- 出会い系サイト集客事業の運営スタッフ
- クレジットカードの顧客情報入力キーパンチャー
1社目
- 偽装派遣系
人財
企業 - コーポレートサイトにブラック企業御用達画像多め
- フリー素材
握手
- フリー素材
キーボード
- イベント画像
BBQ
- イベント画像
サークル活動(フットサル)
- イベント画像
月末帰社日社内飲み会
- フリー素材
- Linux運用/構築がやりたくてこの業界に入った
- バイトに比べると仕事楽すぎワロタ
- 研修期間 : CCNAを1ヶ月研修して取得 / 896点
- 月収20万円の人(2006年04月)
- 1案件目 : Windowsサーバのお守り
- 月収25万円の人(2006年06月)
- 月収26万円の人(2007年06月)
- 2案件目 : データセンタのランプ点検/テープ交換作業者案件に回された
- 暗黒の2週間を経験し、夜勤が始まる前に退職した
- その時点で次の職は未定
2社目
- サーバホスティング企業
- 1週間の転職活動、1社目1回の面接で即内定
- 社長のワンマン
- 当時は気が付かなかったが、今思うにこの社長の自分勝手には正当性があったと感じる
- ただ権力保持者特有の、持たぬ者への配慮が見えない点は多く、ブラックな可能性は現時点でも否定できない
- Linux運用/初期構築/運用スクリプト作成などを学べた点は大きい
- 最後の数ヶ月、凄腕エンジニアに出会い教えてもらった本『ザ・ゴール』に感銘を受ける
- 月収30万円の人(2009年06月)
- 月収33万円の人(2012年04月)
3社目
- 老舗特定端末VOD配信事業者
- 前職の給与をそのまま引き継ぐ形になってしまった
- このテーブルから脱却できないことが転職の決め手となる
- 月収35万円の人(2012年10月)
- 月収35万6千円の人(2013年05月から)
- 月収38万円の人(2014年05月から)
- 月収40万円の人(2015年07月から)
4社目
- 現職なので僕は伏せる!!
僕なりの給与の上げ方
0. 前提
交渉をする際には、退職を前提にすること
1. 自身の立場を最大限に理解して交渉する
2007年06月
に給与が+1万している点に注目していただきたい。
このとき 別の現場にいきたい
と駄々をこねている。
これを自社営業にやっても仕方がない。構造自体に交渉を許す余地がないからである。
なので、所属企業でなく偽装派遣先の営業に駄々をこねたところ、巡り巡って給与があがった。
2. 給与が上がらない理由を理解する
2社目から3社目の途中まで、給与の上がり傾向が鈍化した状態になった。
これは経営的観点からすれば至極当然なのだというのが現在の理解である。
例えば当時の僕(そして現在のあなた)が持っているスキルが、非常に立派で(少なくとも所属企業において)抜きん出ていたものだとしても、
所属企業にそれを活かすビジネス構造がなければ、あなたのスキルは経営数値になんら貢献しないからである。
給与が高い企業のエンジニアと僕のスキル乖離だけが問題だけでなく、母体となる企業にそのエンジニアリングを活かすビジネスの枠組みが存在するかしないかが、あなたの給与を規定する大前提であることを忘れてはならない。
なので逆説的には 僕やあなたよりも給与が高い他社のエンジニアが存在する
場合、 給与の高い他社のエンジニアの能力が相対的に高い
ということが証明されたわけではない。
証明されているのは 給与の高いエンジニアを擁する他社には、そのエンジニアのスキルを活かす経営的枠組みがある
ということだけである。
卑屈になるな。あなたは素晴らしいスキルを持っている。
所属企業があなたを活かしきるためのビジネスの枠組みをもっていないだけである。
蛇足になるが以下。
ということなので、所属企業を恨むのもまたお門違いであると言えそうだ。
企業のビジネスがあなたを必要としていない、していたとしても経営へのインパクトは少ない形でしか依存していない
ということでしかないので、必要としている企業へ転職をするのが健全な発露と言えそうだ。
3. 給与交渉をする前に、交渉の本を読む
僕は現職の転職給与交渉を前に、交渉のメソッドを読んだ。
ここで学んだことをいくつか1
-
提示金額を目にした際に
期待を上回る額であろうとも
沈黙すること -
その沈黙をあなたの限界以上に長く続けること
-
そのあとゆっくりと以下を淡々と説明する
i. 明示的に『想像よりも少ない』と伝える
ii. その一方で評価に齟齬がある可能性、自身のプレゼンで誤解を与えている可能性がないか確認する
iii. 「なので教えてください、この金額を導出した評価とその内訳を」と言う
ここでいくつかの事実が判明する。
まず「提示金額の根拠はない」あるとすれば評価とは無関係の以前の給与に色を付けただけの値である。
その後の態度によって「あなたが本当に必要とされているかいないか」が判断できる。
事前に回答を準備してきたり、立て板に水で「根拠」を濫造できる管理者もいるかもしれないのでその点は注意すること。
4. 相手がたじろいだり譲歩を見せたらここから交渉がスタートする。提示金額は白紙にさせる必要がある
5. 4を経ると「逆にいくらなら妥当なのか」というこちらの提示ターンになるパターンがある
6. 「沈黙」のときと同様に強気の数値を出すこと。ただし職能における最大想定値を超えると交渉はその時点で決裂する点注意されたし
7. 6の回答を得て企業側は 本当に妥当な額から数割値引いた値
を出す。なぜならこのあとにも交渉がつづくことを想定しているからである
8. 7の値を 最低保証値
という足場として 6の 強気の数値
から適切な歩み寄りを始めること。
9. このときの歩み寄りで当初よりも多い金額を払ったにもかかわらずお買い得感を出させることで、入社後の印象がよくなる点留意されたし。つまり最終的には企業側担当者に華を持たせること。
-
もしかすると本に書いていないこと、本とは真逆の事を言っているかもしれない ↩