Solana Agent Kit v2（SAK v2）は、AI エージェントや dApp が Solana 上のブロックチェーン操作を安全かつ効率的に行うための、プラグイン型ツールキットです。v1 の課題を抜本的に解決し、よりモジュール化された設計とセキュアなウォレット統合を実現しています。

v1 の課題

v1 は多機能でしたが、以下の課題が存在しました。

コンテキスト過多による LLM のハルシネーション
秘密鍵を直接入力する不安定な運用

v2 の進化ポイント

1. プラグインアーキテクチャ

必要な機能だけをロードできる構成になり、LLM との連携時に不要なツールが含まれないため推論精度が向上します。利用可能なプラグインには以下があります。

Token Plugin（送金・発行・ステーキングなど）
NFT Plugin（Metaplex/Tensor/3Land 連携）
DeFi Plugin（Jupiter、Drift、Raydium 等）
Blinks Plugin（ゲームや Lulo などの Blink 連携）
Misc Plugin（ドメイン解決、価格取得など）

2. Embedded Wallet 対応（Privy / Turnkey）

秘密鍵を直接扱わずに、人間の承認や細かい制御が可能なウォレットを統合できます。Privy は「人間による確認」、Turnkey は「ルールベースの自動承認」に向いています。

3. AI エージェントとの統合最適化

createLangchainToolsやcreateVercelAIToolsを用いることで、LangChain や Vercel AI SDK に即接続可能。対話型／自律型の AI エージェントから Solana を操作可能になります。

4. MCP / Claude 対応

Claude Desktop との連携を意識したModel Context Protocol（MCP）Adapterが標準提供されており、Claude のチャット UI からそのまま Solana 操作が可能です。

使用例（初期化）

import { SolanaAgentKit, KeypairWallet } from 'solana-agent-kit';
import TokenPlugin from '@solana-agent-kit/plugin-token';

const wallet = new KeypairWallet(myKeypair);
const agent = new SolanaAgentKit(wallet, RPC_URL, {
  OPENAI_API_KEY: process.env.OPENAI_API_KEY,
}).use(TokenPlugin);

結論

Solana Agent Kit v2 は、AI エージェントと Solana の融合を実用水準で支えるインフラです。セキュリティ、拡張性、推論精度を兼ね備え、Solana dApp の自動化・高度化を目指す開発者にとって、導入すべき最前線のツールキットとなっています。