Solana Agent Kit v2(以下 SAK v2)は、LangChain や Vercel AI SDK と組み合わせることで、DeFi 操作を AI エージェントに委ねることが可能です。本記事では、SAK v2 の DeFi プラグインを使って、スワップ/ステーキング/レンディング/流動性提供といった代表的な操作を自動化する方法を紹介します。
必要なセットアップ
まずはプラグインの導入です。
npm install @solana-agent-kit/plugin-defi
エージェントへの適用は以下のとおりです。
import DefiPlugin from '@solana-agent-kit/plugin-defi';
const agent = new SolanaAgentKit(wallet, RPC_URL).use(DefiPlugin);
取引(スワップ)
Jupiter Aggregator 経由で任意の SPL トークン同士のスワップが可能です。
const signature = await agent.methods.trade(
new PublicKey('出力トークンのmint'), // 例:USDC
1.5, // 入力量(SOL)
new PublicKey('入力トークンのmint'), // 省略可:SOLがデフォルト
100 // スリッページ(1% = 100bps)
);
レンディング(Lulo)
Lulo プロトコルを使って USDC を貸し出すことで利回りを得られます。
const tx = await agent.methods.lendAssets(100); // 100 USDCを貸す
利回りや残高は以下で取得可能です。
const details = await agent.methods.getAccountDetails(); // APYや利息も確認可
ステーキング(jupSOL / sSOL)
Jupiter や Solayer を通じて SOL を Liquid Staking できます。
// JupiterでjupSOLを取得
await agent.methods.stake(1.0);
// SolayerでsSOLを取得
await agent.methods.restake(1.0);
流動性提供(FluxBeam など)
FluxBeam などを使えば、任意の 2 トークンで LP ポジションを自動作成できます。
await agent.methods.fluxbeamCreatePool(
new PublicKey('SOLのmint'),
1.5,
new PublicKey('USDCのmint'),
10
);
LangChain との統合例
たとえば、以下の自然言語プロンプトに対応可能です。
"Swap 2 SOL for USDC with 0.5% slippage"
"Lend 500 USDC on Lulo"
"Stake 1 SOL to get sSOL"
"Provide 1.5 SOL and 10 USDC to a liquidity pool"
すべてが AI ツール化された状態で LangChain に組み込まれていれば、LLM は上記プロンプトを SAK のアクションにマッピングして実行できます。
まとめ
SAK v2 の DeFi プラグインを使えば、単なるウォレット操作だけでなく、スワップ・ステーキング・レンディング・LP 提供までを含む DeFi 戦略を AI が自律的に遂行できます。これは、従来の「人がクリックする UI」から「AI が判断して行動する UX」への転換を意味します。
AI エージェントによる DeFi 運用に取り組む方は、まず SAK v2 を導入し、LangChain や OpenAI Functions と連携させることから始めてみてください。