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スクラムマスタとマネージャの違い

Last updated at Posted at 2016-12-05

スクラムマスタとマネージャー

まだスクラムをやったことがない人はスクラムマスタがマネージャのようなものかと思うこともあるかもしれません。
たまにスクラムマスタと名乗りながらマネージャの動きをしている誤解している人も居ました。

そこで、スクラムマスタとマネージャの違いに観点をおいて、書いてみようと思います。

プロジェクトマネージャ

プロジェクトマネージャとは何をする人でしょうか?
タスクを振り分ける人。では、ありません。これはミッションでは無いです。
エンジニア上がりのマネージャでマネジメントの勉強をしない人は、これしか出来ない人がいますが、これはマネジメントの仕事の一部でしか無いです。
エンジニアとマネジメントの知識はまるで違います。
エンジニアが新しいプログラミング言語、フレームワーク、ライブラリを学ぶように
マネージャも新しい手法、チーム管理、人を動かす観点を学ばなければなりません。

では、プロジェクトマネージャのミッションは何でしょう?
計画を立て、それに従って進捗を進めることです。
究極的には計画を進めるためには基本的にメンバが壊れても構わないです。
ただ、知識を持つメンバが辞めたり、新しいメンバが参加した際の学習コストを考えると、通常、潰れるようなマネジメントをする人は長期的には厳しいチームになりやすいかもしれません。
ただ、基本的には長期戦略ではなくプロジェクトという短期の目標に対して最大限の力を注ぎ、責任を取る人間です。

スケジュールまでに完成させるスピードのために複数人で作業を進める必要があり、
そこで、タスクを割り振ることが出てきます。
ただ、タスクを割り振るだけが仕事ではなく、そのタスクが最大のスピードで消化されることこそがマネジメントの妙だと思います。

作業メンバのスキルや意識に合わせたタスクを割り振る。
作業メンバのスキルに合わせたタスクの落とし込みをしてからタスクを渡す。
メンバ同士のチェックペアを作り、ベテランと新人を組ませ品質を担保させる。
割り振ったタスクの意義を伝え、モチベーションを引き出す。

割り振ることが仕事ではなく、最速で品質高く仕上げることがミッションであれば
このようなことが仕事だと気がつくことが出来るでしょう。
もちろん、ここにあるのは一例であり、タスクの消化スピードを上げる方法は沢山あると思います。

スクラムマスタ

実はプロジェクトマネージャの"本当"のミッションと"ほとんど"同じです。
そのチームで最大のスピードを出すことがミッションです。

ただ、そのアプローチと観点がちゃんと定義されてます。

スクラムが定義する用語にインペディメント(障害物)があります。
これを取り除いていく活動がメインのポイントに置かれています。

障害を見つけたらそれを解決に向かわせるように開発チームに促したり
チームが障害に対応しやすいように整理し、リスト化したり。
解決方法のアイデアを出したり、問題になっている技術的負債に対してチームが向き合うようなマインドを育てます。

最初に"ほとんど"と書いたのは、スクラムマスタはプロジェクトの終了がゴールではなく
より長期的にチームの力が最大化するような観点を持っています。

技術的な成長を促すような活動を出したり、そのリソースを確保するように動いたりすることです。
簡単に言うと勉強会を設定するように提案したり、業務で関わった高度な技術の情報シェアをメンバに促したりすることです。
情報シェアは勉強会だけでなくQiita:TeamやWikiなどのドキュメントにまとめるようなルールを定義したりします。

そうしてチームが成長し、ガッチリ肩を組んだスクラム体制になっていくなかで、相乗効果的に技術力が上がるようにして、強いチームを作っていきます。

スクラムマスタが普通のマネージャと違うのはスケジュール管理はメインミッションでは無いことです。
スケジュールに関しては責任は開発チーム自身に委ね、何を作るべきかはプロダクトオーナーの役割にしていることです。

それは何故かと言うと短期のスケジュールと中長期のチーム成長というものはたびたび相反する決定になるため、1人でその責任を果たそうとすると、より短期のスケジュールを優先するという判断になりがちだからです。

中長期的にチームの能力を向上させ、プロダクトの品質を上げるため技術的負債を解消することや開発する上での小さな障害の積み重ねになっていて中長期の開発スピードにボディーブローのように効いてくる事象を取り除くことが一番のミッションになります。

もちろん、全てスクラムマスタの言うとおりにするべきということではありません。
開発チームはスケジュールと合わせて、忘れがちな中長期的な視点についてアドバイスなどを受け、何度もその判断を促すことが重要です。

最後に

スクラムマスタがタスクを管理し、スケジュールを管理しだしたら、それは半分マネージャであります。

最初は専任でスクラムマスタを置くことが難しいため、マネージャと兼務することが多いですが、スクラムマスタはなにを重視する役割かを意識しながら行動してみてはどうでしょうか。

あとはマネージャの他にリーダーと言う立場もあります。
リーダーとは何をする人でしょうか?定義を考えてみて、その役割の行動が出来ているか考えてみて下さい。
もし、リーダーの定義が良くわからない方が居ましたら、コメント下さい(笑)
どこかに記事でまとめたいと思います。

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