キャリアの参考になれば嬉しいです
この記事は私のキャリアの遍歴の紹介です
自分は様々なエンジニアのキャリアを経験してきました。
人よりも転職の回数も多いかと思います。
今回の転職活動を機に自分のキャリアをふりかえり、今回転職した会社に決めた理由を記事としてまとめたいと思いました。
自由にキャリアを選ぶこと、広く選ぶこと、エンジニアのキャリアを歩まれる人の参考に少しでもなれば嬉しく思います。
この記事は前職を辞めた記事のアンサーソング
この記事は前職をやめた記事のアンサーソングです。
それなりに沢山の人に見て頂いたみたいで、入社の記事もQiitaに書くことにしました。
前職をやめたときの記事はこちら。
これまでのキャリア概要: SES、メガベンチャー、スタートアップまで
色々なチャレンジをしてきました、これからも色々なチャレンジをしたいと改めて感じています。
成長することが楽しいです。これからも失敗しながら成長したいと思っています。
私は直近ではメガベンチャーや成長スタートアップなどにいますが、新卒メガベンチャーのようなキラキラキャリアではありません。
就活失敗 → 弱小SIer → メガベンチャー → スタートアップでキャリアを歩んできました。
エンジニアの中では末端の仕事から始まり、今では組織をリードしたいと考えるような役割になっています。
色々な失敗と経験をして遠くまできたと思います。
そんな少しエモな感じで、自分の社会人の人生をふりかえります。
これまでをふりかえる人生60年表をやってみた
転職活動の中でキャリアを考えることがあり、60年表をみたりしてふりかえりました。
あらためてふりかえると、その時の自分が見ていた世界を思い出される部分と今だから分かる俯瞰した立場での自分を感じることが出来ました。
60年表のオリジナルはこちら
これらの60年表をあらためてみてみると、時期によって色が違うキャリアを経験していると感じました。
過去の自分のキャリアと、今回の新しい会社の選択に繋がっていきます。
これまでのキャリア - エンジニアキャリアの始まり編
エンジニアの人生の中ではもっとも難しかった時期でした。
最初のエンジニアの仕事をする難しさは現在でも大きな壁があるように感じます。
色々な勉強サイトは増えましたが技術そのものが簡単になったわけではないですし、技術を覚えるのは大変ですね。
ゲーム会社に憧れ就職できず、就活失敗
学生時代はゲーム開発を学ぶ専門学校に通っていました。
卒業が近づきゲーム会社に憧れるも、全てお見送り。
就活に失敗し、アルバイトで実家暮らしをしていましたが、仕事もせず家にいづらい生活をしていました。
典型的な就職氷河期の時代の波に乗っていました。
こんな社会人スタートでも今はそれなりに開発に取り組めていると過去の自分に伝えたいです。
プログラミングできない開発現場へ
初めての就職は60人ほどのSESの会社でした。
ゲームでプログラミングをしていたので少しはプログラミングできるし、もっとプログラミングしたいのに!
と思っていましたが、仕事はネットワーク保守の現場でした。
プログラミングの現場の要望を何度しても聞いてもらえず、半年で転職をしました。
まあ就職氷河期なので、希望する仕事を探してくるのも小さな会社では難しかったのかも知れません。
これまでのキャリア - SIer編
SESで様々な開発現場の渡り歩く
SESで様々な開発現場で働きました。システムが完成したら仕事は終わり、次の現場へ。
プロジェクト単位の開発がほとんどの時代でした。
電車系ICカードに関係するシステム開発、賃貸不動産検索サイトの開発、契約管理システムの開発、保険商品と契約の管理の開発、工場部品管理の開発など、10を超える様々な業務システムの開発をしました。
開発の組織や商流も様々、大規模〜数人の開発、請負開発、名刺を渡せないX次受け開発。
でもどれも自分が果たすべき範囲は実装フェーズです!
実装フェーズで入り、システムが完成したら次の現場へ、無限に実装フェーズ
エンジニアとして無限にコードを書いていて、それはそれで楽しい時代でした!
前職はコードすら書かせてもらえなかったですしね。
ソーシャルゲーム開発
スマホの台頭で世はソーシャルゲームブーム。
SESでソーシャルゲーム開発の現場に入りましたが、自社Webサービスの会社と同等の働き方に感じました。
実装の楽しさだけでなく、どうやって価値を届けるかを考えながら実装を変える視点が楽しかったです。
この現場ではSESの契約でしたが、バックエンドのリードエンジニア的な動きをさせてもらっていました。
この経験を通じて、ただ作るのではなく価値を作ることの面白さを知って、自社サービスの会社に転職したいと思うようになりました。
この経験が元で転職をして、メガベンチャー編に繋がります。
仕事以外の外の世界を知る
このSES中心の中小SIer時代の頃にOSSのコミュニティに参加しました。
OSS開発経験して、自由に良いコードを見ることができるし、自分も参加できることを知りました。
足りないのは「知るきっかけ」と「自分の行動力」だと思いました。
この頃からコミュニティ主催のイベントなどにも参加するようになりました。
エンジニアとしての自分の現在地を知れたり、技術力を高めた先のお手本になる人を感じて、成長の指針に出来た気がします。
エンジニアのコミュニティは今でもとても好きです。
これまでのキャリア - メガベンチャー編
人生での大きな変化の転職だったと感じます。
同じようにシステムを作るのですが、「SIの開発の価値観」と「自社Webサービスの開発の価値観」は全く違ったものでした。エンジニアのポテンシャルの発揮の仕方が全く違うと感じています。
大変なこともありましたが、エンジニアの人生では良い分岐点だったと思う。
このとき30歳を超えていたのですが、正直な気持ちを言えばあと5年早くこの業界でエンジニアを経験したかった。
サイバーエージェントでのアドテク
アドテクノロジー (広告技術)の開発。
デジタル広告の配信システムは1社で成り立たず、複数の会社のシステムを通して配信されます。
ビジネスモデルの関係上、関わる人がとても多く、広告主、代理店、配信システム、メディア、ユーザーなどいくつもの会社がそれぞれのレイヤーでひしめき合って広告を配信しています。BtoBtoCのモデルの事業に関わるシステムです。
アドテクは純粋なバックエンドエンジニアとしても面白いテーマでした。
ビッグデータ (1日数十億データ)、低レイテンシ (50ms以内のHTTP処理)がベースにあり、少しでも遅い実装があると成り立たない。無駄のない当たり前のコードを当たり前に書く実装ができるかが求められました。
いくつかの事業立ち上げフェーズからの関わったり、開発の責任者 (EM的ポジション)も経験させてもらいました。
肩書きでは技術責任者、開発責任者、子会社CTOなど、チームの技術面での中心となる肩書きで動いたりさせてもらって良い経験をさせてもらいました。
今思えば完全に力不足で、肩書きに見合った視野の広さが足りなかったと感じることは多かったと感じます。
ただ、それも含めて非常に良い経験をさせてもらって感謝しかないです。
非常にチャレンジが多い会社で、今でもエンジニアにオススメできる会社です。
他の職種は分かりませんが。イメージよりも遥かに愚直で泥臭く頑張る会社だなと思ってます。
アドテクは新規事業立ち上げ3回、既存プロダクト開発2回に関わり、4年半勤務しました。
最後のサービスがクローズしたことをきっかけに、アドテク領域ではないチャレンジがしたいと考えて転職することにしました。
メルペイでのスマホ決済
エンジニアでの転職ではなく、初めてエンジニアリングマネージャとして転職をしました。
まだメルペイがリリースされる前の時期に入社し、某100億円キャンペーンで急に盛り上がる業界に変貌し、リリース時期の大盛りあがりの時期を経験しました。
ホリゾンタルSaaSなで、1つのアプリを凄い大人数で開発する体制を初めて経験。
グローバル人材との開発やtoCビジネスでエンタメ以外の領域は自分の中で初めてでした。
エンジニアリングマネージャとしての入社は難しいと言われますが、自分の力不足も多く感じた時代でした。
今であればもう少し上手く出来そうなことも多くありそうです。
その失敗を含めて、優秀な人達に囲まれた開発現場を経験できたことは非常に良かったです。
これまでのキャリア - スタートアップ編
カケハシでの薬局の在庫管理システム
VCから出資を受けて急成長をしているスタートアップに入社しました。
AIを使った薬局の薬の在庫管理、発注業務の最適化、効率化の事業の立ち上げフェーズでした。
バーティカルSaaSの開発で、新しいコンセプトを実現するためにシステムを作りながら、開発組織も作っていく役割でした。
初めてのスタートアップで、しかもシリーズBの調達直後で、組織が大きく急成長期するフェーズ。
そして、フルリモートの組織の難しさも感じながら試行錯誤していました。
組織を作る上で必要な採用では、知名度があるメルカリグループやサイバーエージェントと違い、全く違う採用観点が必要でした。しかも1-2人採用するのではなく、今までにない組織成長スピードについていくための多くのエンジニアの採用が必要でした。
急成長のスタートアップのフェーズで採用が必要だったからこその経験だと思います。
今回の入社 - この記事のメインコンテンツ
これまでに様々な領域のチャレンジがあった
- SESでの短期間での様々なプロジェクトの経験、多くの時間のほとんどを実装するエンジニアとして過ごした経験
- アドテクの技術ドリブンな事業でのエンジニアリング経験、ビッグデータ、低レイテンシー、事業の立ち上げとサービスクローズ
- メルペイでのホリゾンタルSaaSと堅牢なシステム、大規模な開発組織経験
- カケハシでのバーティカルSaaSでの深いドメイン開発、急成長スタートアップ環境
エンジニアリングが大好きですが、転職のたびに全く別の観点から技術を使う面白さを感じてきました。
事業特性からくる技術の取り扱いの変化もあれば、組織の環境特性のものもあります。
また会社のフェーズによる違いもあったと感じます。
直近の会社の経験
そして直近の前職はバーティカルSaaSで医療領域の会社でした。
今でも日本の社会のために非常に意義があることをしていると感じます。
しかし、自分にはテックの力をフルに使って関わる力が足りていませんでした。
組織の急成長に追いつくことに力を使い、ドメインが深い医療領域の深い理解をなかなかすることができませんでした。
開発組織を新しいEMに引き継げたことを一つの区切りとして、自分のキャリアを考える時間にしました。
そして、この記事を書きました。
非常にチャレンジングな毎日で、楽しく過ごさせてもらいました。非常に感謝しています。
そして、組織を引き継いだ人にも大感謝です!
振り子のように大きい振り幅を感じるチャレンジが面白そう
ここまでふりかえって、自分の取り組む技術の観点で見たときに、最近の転職では色々な領域にチャレンジしていて同じ領域のチャレンジはありませんでした。
この経験から、チャレンジが少ない転職にはあまり意味がないと感じていると理解しました。
環境を変えても似たような環境では新しいものは得られない。大変であっても新しいことを見つけたいと考えました。
その結果、今回、大きな振り幅で振り子が大きく触れたチャレンジだと感じた会社が株式会社Datachainでした。
この会社はブロックチェーンの周辺技術を扱う会社で、非常に面白い研究開発の技術を軸に事業を推進しようとしている会社でした。
直近は医療というドメインが深い経験だったからこそ、今回は大きくテックに寄った会社が面白く感じたのかもしれません。
もともと自分はメルペイでFinTech領域の経験があり、転職活動中は金融業界を選ぶことはないと考えていました。
実際にカジュアル面談を受けさせてもらった会社でも、金融系(決済系)の選考に進むことを断った会社も数社あります。
さらにブロックチェーンの自分のイメージは特に投機的な暗号資産のやりとりやNFTなどを利用したエンターテイメントのイメージが強かったので、ソーシャルゲームの開発経験の意味でも領域が似ていて、ほとんど選択肢として考えていませんでした。
そんな風に思っていた会社だったのですが、最終的に入社してしまうわけですw
新しく入社した会社のDatachain
話を聞くうちに面白そうな会社だと理解していきました。 逆を言うと最初は何も理解していなかったとw
直近の会社では社会的意義のある事業があり、それを支える技術でした。
今回は技術で社会課題の解決を目指します。順番が逆順なのことが面白いことの1つです。
直近でバーティカルSaaSをやっていたからこそ、より深くエンジニアの感じる面白い順番と思いました。
エコシステムレベルでの変化をもたらすようなグローバルでも先行するような技術をR&Dで開発して、強みがある。
今までよりも広い使い方が出来る技術を開発し、世界の市場の変化を起こそうとしているインパクトの大きさを感じました。そして自分が全く知らない技術であるブロックチェーン。
会社の事業の勢い波、会社の技術力の高さ、そして今まで経験してきた自分の能力を必要だと言ってくれたこと。
全てが楽しみに感じました。
そして、新しく始まる事業のターゲット、インパクトの大きさ、技術活用、ゼロからの組織づくり、全てが楽しみでした。
この記事の公開が遅れた理由
実はこの記事は入社して1ヶ月時点で書いたのですが、既に3ヶ月が経ってしまいましたw
せっかくなので自分の入るきっかけとなった事業チャレンジが公になってからこの記事を公開しようと思っていたのですが、記事のプレスリリースが少しずつ延びてあっという間に時間が過ぎていました。
毎日チャレンジングであっという間に過ぎてしまいました。刺激的て面白い毎日です!
開発組織を作っていくために色々なことが動いています
新しい世界を作るためのワクワクするような開発組織を作りたいと思っています!!
自分がこの会社をチャレンジングで面白そうと感じた新しい事業を説明する記事も書いたのでぜひ読んでみてください。
分からない言葉だらけでエンジニアになりたてのような気持ちで面白い
全然違う技術パラダイムに触れると面白い
ブロックチェーンなんもわからない!
本当に何も分からなくて面白いですw
そもそも計算処理の考え方の違いがあったり、コンセンサスアルゴリズムがブロックチェーンごとに違ったり、精算処理やコンセンサスや分散処理の違いで発生するハックがあって、それを防ぐために実装しなきゃいけないことがあったり、技術的なテクニカルなことを知っていくだけでも面白い。
更に先に金融構造の面白さがある。それを技術ベースに再設計する必要がある。
以前こんな風に技術パラダイムの違いを感じて面白いと思ったのは、OSSの開発に関わり始めたときや関数型言語のScalaに触れたときでした。
Scalaを始めたばかりのときは、implicitとDSLと演算子のオーバーロードで何やってるか何もわからんってなった。あとモナド。モナドは今もわかってない。文脈は分かった。つもり。
ともかく、新しいパラダイムに触れるというのは面白い。
今は自分の仕事の責任範囲の関係もあり、すっかりマネジメント方面の知識を得ることに興味が移ってしまっていますが、久しぶりに純粋に技術の話や経済の根源的な考え方の話などをキャッチアップしていて、知的好奇心が満たされる感覚もあります。
これが上手く組み合わさると面白いことが出来そうだと感じられてくると更に面白いですね!
まとめ
最初の会社では、何故か研修中は給料が10万円の初任給だった生活、1行もコードが書けない会社から、ずいぶん遠くまで来ました。
チャレンジし続けることは面白いです。自分に変化を起こしてくれます。
チャレンジすると成長ができるし、成長し続けて自由にできることが増えるともっと面白くなる。
転職する時にはチャレンジの振り幅を考えて、自分が許容できる大きな振り幅の環境を選ぶことで、大きな成長に繋がると思います。振り幅が大きいと大変ですが、成長と面白さがあります!
これまでの色々な経験をさせてくれた会社には本当に感謝しています。
力が及ばず上手く出来ないことも沢山あって迷惑もかけました。
その経験も含めて成長だったと思うので、ここまで来るために必要なことなのだと思いました。
今月からまた新しいチャレンジを楽しんでいます!
長々読んで頂いてありがとうございました。
面白かったと感じたら、リアクションいただけると嬉しいです。