この記事の想定の読者
- エンジニアのキャリアがあって、面接をより良くしたい人
- 面接に課題感を感じていて、上手くやるために準備を時間を掛けても良い人
- 仕事を紹介して終わりじゃなくて、もっとエンジニアを応援したいエージェント
面接のもったいないを減らしたい
採用はマッチング
面接官も落とすために面接をしてるわけではなく、本当はとても来て欲しい
企業側も等身大で伝えて、転職者も自分の表現の仕方で損しないようにして欲しい
世の中にあるエンジニアの転職準備の説明サイトの解像度が粗すぎて助けになっていない
と感じたので、面接の考えを書いてみることにしました
もくじ
- 私について
- 面接時にやってしまいがちな失敗と対策
- 面接前に準備しておくと良いこと
- 最後に
私について
文脈次第で正しいと思うことも違うということもあるかと思います。
なので、前提として私の経歴を軽くお伝えしておきます。
ざっくり過去の経歴
- SIerでバリバリエンジニアとして数十の開発現場で実装を中心に開発
- その後メガベンチャーのweb系の会社で働き、徐々に開発マネジメントポジションを経験
- 直近ではシリーズBのスタートアップに入社して3年半を過ごす
- 現在は無職
開発マネジメントポジションについてからの採用活動
- エンジニア採用に多く関わり、業務委託やエンジニアの中途採用に関わる
- マネジメントや採用に関わって10年近く
- 書類選考やスカウトなども行っていた
- メガベンチャーやスタートアップでの採用のため、即戦力を求める環境
- 成長の期待があるエンジニアや既に力はあるが発揮する場としてエンジニアに選んでもらう採用活動
という流れがありつつ、私の今の状況は転職活動中です! 詳しくはこちらの記事に書いています。
自分も転職活動中なので、ふと思い立って自分の面接官の経験と今の転職者としての実感を合わせた感覚を使って、この記事を書いてみました。
普段は転職者の立場の人が多いと思うので、面接官として感じたこととこう出来ると良いのではないかというアイデアを書いています。
面接時にやってしまいがちな失敗と対策
面接官として面接をしていた時に、もったいないなーと感じたことをいくつかピックアップしてみました
マイナスポイントになりそうなところを抑えておく観点
やってしまいがちな失敗1
ダラダラと経歴を説明しがち
かなりベテランの人でもやりがち
経歴が長くなるほど説明の難易度が上がるのに準備をしないで面接すると起こりやすい
面接官視点
現時点での実力が知りたいので、昔話や俺凄いとかを聞きたいわけではない。
アクション
何をやってきたかよりも今の実力を説明するために必要な要素だけまとめて説明をする。
例えば、技術的に1番難しかったことをしたプロジェクト、事業的に1番成果を出せたプロジェクト、大きな失敗をしてそこから学んだことで大きく成長したこと、など1番XXのような要素を取り出して説明できれば他は不要。
学歴を話たり、何年も前の過去の栄光を説明しても、その時と今の実力と変わらない場合、それは成長していないということ。
積み重ねてきた頂点のものを説明できると良い。(通常は現時点での実力値)
昔話OKの例外として、自分の仕事のスタンスや人生での価値観の根源を話すために、学生時代のエピソードや過去のエピソードを説明するのはとてもいいと思う。
ようは、何を伝えたいかを定めて要点をまとめること。
失敗1まとめ
経歴が長い人はまとめたり省略していい。強弱をつけて説明できるように準備をする。
やってしまいがちな失敗2
今の話だけしがち
各プロジェクトや会社のエピソードが個別に話されていて、仕事を通して起きた自分の成功体験や成長などの変化が見えない
1つ前の失敗でなるべく短く、今の実力を知りたいと書いたのになぜ!と思うかもしれないですが、「現時点の実力」とは別に「将来の成長角度」も知りたいので、必要な過去分については時系列での変化が伝えられると良いです
面接官視点
今の実力が足りなくても、可能性がある人は取りたい
ポテンシャルを知るために成長角度が知りたい
場合によっては現時点の実力よりも高く評価されることもある
アクション
- 成長の角度を知ってもらうため、「過去時点の自分」と「現時点の自分」の違いを説明する
- 説明しやすいのは、失敗したことを乗り越えて得たもの、プロジェクトの中で得たものなど
- ただし、古すぎるエピソードだと今の成長角度を表現しきれないので、直近5年以内くらいの話の方が良い
- 点の話だけでなく、線の話として自分の成長が見えるストーリーを感じられるプロジェクトを説明できるようになっておく
- ちなみに圧倒的な成長や変化がある場合は個別に考える必要はなく、自然に伝わります
失敗2まとめ
ポテンシャルを知ってもらえるように成長角度を理解してもらえるエピソードを準備しておく
やってしまいがちな失敗3
技術の単語の解像度が粗かったり、技術の利用場面が曖昧
自分の技術理解の深さを説明できていない
面接官視点
技術に対してどこまで深い理解をしているか知りたい。
技術に対する説明の解像度が粗いと理解も粗いと感じる。
エンジニアの面接官に向かって話すなら、自分の知っている最大限の解像度で話してみていい。
ちなみに抽象度は高くても良い。むしろ高い理解の方が良いことも多い。
例えば、「Javaできます!AWS使えます!」だと、超ベテランも、初心者も同じ表現になる。
だが、「Javaでモジュラモノリスとイミュータブルプログラミングを実施しました」 とか 「KinesisやEventBridgeをつかってデータストリーミング処理やデータフローを作りました」 というと、どのレベルに居るのか何となく分かる。
アクション
好きな言語のバージョンの違いによる使いやすさの変化、新機能に対する自分の考え
フレームワークなどのカスタマイズポイントやメリット・デメリット
大きな失敗の反省と学びを活かした次の取組に活かせる観点の整理
マルチスレッドや大規模データ処理などのテクニカルな実装が必要だった背景と実装のポイント
など、自分の実力の最大値やポテンシャルが伝えられるエピソードを整理しておく。
失敗3まとめ
得意な言語、フレームワーク、開発手法について、それぞれについて自分の知識の深さが分かる表現をそれぞれについて1つ以上を端的に説明できるようにしておく
やってしまいがちな失敗4
転職理由がふわっとしている
エンジニアの取り合いの市況なので、出来ることベースで転職先は見つかると思われる
しかし、自分のチャレンジしたい領域や次の成長を求めたキャリアの進展があまりない結果につながってしまう可能性がありそう
面接官視点
転職理由がふわっとしているときに起こりがちなのが、自分の実力と同じくらいの同じような会社を選ぶことがある。 (私のやってしまった過去)
なぜ会社を受けにきているのか、面接している会社とやりたいことの説明にズレがある。
アクション
- 自分のやりたいことの動機を整理しておく
- 使いたい技術、入ってみたい開発文化、理想のエンジニアの姿に近づくステップ、興味がある事業など、興味の軸がどこにあるか整理する
- 技術のキーワード、組織のキーワードなどは今いる会社ではなく、世の中で共通的に使えるキーワードを見つけて、かつ具体的な興味のあるキーワードに落とし込んでおく
- やりたいことを並べて、優先順位の高い方から自分の転職動機と繋げて説明できるようにする
失敗4まとめ
自分が何故転職をしたいのか、次にやりたいことを整理する
やりたいことを整理できない場合は転職に至った経緯と気持ちだけでも説明可能にしておく
やってしまいがちな失敗5
面接しに来た会社のこと全然知らない
わざわざ会わなくても10分調べれば分かる範囲のことも知らない
会うという意思決定をしたのに自分がどこに興味があるのかすら知らないままに来ている
面接官視点
自社ホームページがあるのは当たり前の時代で情報をキャッチアップ出来ていないことは課題
特に技術情報のリサーチに慣れているはずのエンジニアが、会社の情報のキャッチアップをしていないのはリサーチ力に懸念がある
これは興味関心の前に、課題に向き合うときの単純な技術力の1つであるリサーチ力や課題対処力に懸念があると感じる
アクション
- 会社ホームページはチェックし、使っている技術、価値観、募集条件を理解しておく
- 自分の興味を持ったポイントを整理しておく
- 可能であれば、会社のニュースや評判もリサーチして、面接時に「気になるポイント」として質問の材料にすると、会社のことに興味を持っていると感じられたり、自分の不安の解消が出来る
失敗5まとめ
会社のホームページから辿れる情報はチェック
自分の転職動機に繋がるポイントは話せるようにしておく
やるといいこと
失敗事例の方はマイナスポイントになりそうなところを抑えておく観点でしたが、
こちらはプラスを引き出して高めていけるようにする観点
自分の実力を正しく理解してもらうための表現を準備しておく
- 準備なしで話をすることで実力を正しく理解してもらえない不幸を避ける
- 必要以上に実力を超えた表現をすると会社に入れたとしても不幸になる場合があります
- 成長する自信がある範囲での少し実力より高い表現は許容できると思います
私の技術的なエピソードはこの記事で書いている内容を例えとして参考にできるかもしれません。
課題の背景、技術のレベル感、意思決定でのトレードオフ、アーキテクチャなどの具体性などが書かれています。
面接で上手く説明する布石として、職務経歴書に必要な情報を記載しておく
- 説明が長くならないように、口頭での説明は最小限の必要なポイントにして、経歴の全体は職務経歴書で理解してもらう
- 個別具体の話をする時にプロジェクト背景や利用技術をの前提を経歴書にまとめておいて、詳細のポイントを口頭で説明しやすいようにキーワードを書いておく
職務経歴書の準備にはこちらの記事も参考にどうぞ
この記事は結構前に書いていて、今では少し自分の観点がアップデートしているので、気分が乗れば新しい記事を書きたいと思っている。この記事の反応が良かったら、職務経歴書の方の書き方の記事もアップデートを頑張れる気がするw
面接で上手く出来なかったと感じたことをブラッシュアップする
- 上手く説明出来なかったことを改善すると面接を繰り返す中で成長できて、最初よりもいい会社に受かる可能性があがる
- 技術説明がうまく出来ることは技術力を活用する中で使えるため、ぜひ面接の機会でも成長を目指したい
- 普段ない機会だからこそ大きく自分の表現を高められる可能性もある
- 失敗は成長の種と考えて、見つけることを楽しめると強い
自分の記事ではないですが、失敗と向き合えることが成長につながるなと思いました。
面接の準備は丁寧にする
- 自然と説明ができるようになるまでは、面接の準備を丁寧にする方が良い
- 整理をすることで自分の力の本質や今までの環境が自分にどのような影響を与えたかも整理できる
- 転職でどういう方向に進むのが良いのかを考えるきっかけにもなる
自分がどんな価値観を大事にしているのかを整理し直すために、最近オススメされてこちらの本も最近読んでみたりしました。エンジニアとしての経験をある程度積んできている30代の人には合うかもしれません。
キャリアアンカー 自分のほんとうの価値を発見しよう (amazon)最後に
より良いエンジニアになるための成長の環境をみつけるためにこの記事が少しでも役に立てば嬉しく思います!
少しでも役に立ったならば、コメントやいいねを頂けると嬉しいです!
この記事以外にも気ままにエンジニアの転職活動に関わる記事なども書いているので、興味がある方は見てみてください