この記事を書いた動機
なんとなくエンジニアの面接官が求めている情報と面接者の提供する情報にズレを感じることがあるなーと思っているので書こうかなと。
自己PRが上手くなくて損してしまうのはエンジニアとしては本分では無いかなと思うので、そのあたりがうまくない人はしっかり準備が出来たらいいなと。
あなた誰?
某Web系上場会社に勤務するエンジニアです。
基本は現場で働いていますが、採用面接などは人事と一緒に現場エンジニアの一人として出たりします。
採用面接歴は2年以上。
注意事項
- 現在の会社の立ち位置から見た場合での限定した方向から見た場合の話です
- 個人としての考察になります。所属会社の見解とは無関係です
面接するときの私の個人の気持ち
- 落とすためにやっているのではなく、やりたいって思ってるなら全員通してあげたい!
- いいところをたくさん見つけたい! (強みを教えて!)
- 頑張ってることを評価したい (技術が好きな気持ち!)
会社にとっても面接に来てくれた人にとっても良かったと思える場所と機会を作りたい
面接はあなたのことを知りたい、会社を知ってもらいたい場
- 会社と面接者のどちらか一方の話ではない
- 30分も話していれば技術がどれくらい好きかは分かる
- 質問に対して聞きたいことを理解して回答しているか
知っていく上で大きな3つのポイント
- 動機マッチ
- 文化マッチ
- スキルマッチ
これらを一つずつ語りたいと思います
動機マッチ
- あなたがやりたいことや得たい知識を知りたいです。
- 会社としてその仕事があるかを考えて話します。
- モチベーションは仕事のパフォーマンスの上での最大の武器です。
自分のやりたいことを言葉にできるようにしておきましょう。
やりたいことは多くても良いです。
何故やりたいかとやりたいと思って行動したことを説明できるようにします。
行動していないことは基本的に評価しません。やりたいと思っているレベルがそのレベルだからです。
「マネジメントもやりたいと思っている」は、ほとんどの場合で死亡フラグ
- マネジメントに対するスキルを得る行動をしたか?
- プログラムやインフラなどと同じ様に勉強して行かなければならない技術
アジャイル開発の定義に対する正しい知識と自分なりの考察
サービス事業をする上でのプロダクトマネジメントに関する方法論やアイデア出しの手法
プロジェクトマネジメントにおけるスケジュールや予算、スコープ、品質の関係とステークホルダーに対する行動
など
これらを稚拙でも自分の考えを話せないなら、「マネジメントもやりたい」とかは言って欲しくない
「プログラム書いたこと無いんですけど、プログラマーになりたいんです〜」って言われて採りたいと思わないのと同じです
本を買って開発環境をそろえるのは仕事じゃなくても自分で出来ますよね?
マネジメントやりたいと思うならば、なんの知識を身に着けたかを語れるようになって来て欲しいです
モチベーションは最大のパワー
どんな仕事をするにしてもここは最重要です。
やる気が行動に出ているなら、僕らもマッチする仕事があるかを必死で探して、通してあげたいと思います。
そういう人は一度仕事に入ってしまえばあっという間に追いついてくれるからです。
文化マッチ
- 会社には文化がある
- 会社のサイズにもよりますし、会社の歴史によるものもありますし、ビジネスモデルに影響するものなどで文化が作られています
- そしてその文化を作り上げているのはそこに集まった一人ひとりの人間です
私の個人のスタンスとしてはスキルを上げるためや自分たちの信じるサービスを提供するためには残業を厭わないくらいの気概を持っている人が好きです。別に残業を強制したいのではなく、それくらいの情熱を感じたいだけです。僕は残業したくないときはしません。
別の会社であれば、ちゃんと定時内にしっかりと仕上げて、自分の時間で好きなことをする中で技術キャッチアップなどをすればいいと考える会社もあるでしょう。そこは会社のスタンスによります。
あとは勉強会の頻度や開発プロセスのサイクルなどでしょうか。参加する気持ちだけでなく、自分が登壇する気持ちがあるか、意見だけでなく行動で変えようとする気持ちがあるかなどです。
もし自分が作るのではなく、仕組みにのりたい気持ちならば、しっかり体制作られた会社を選んだほうがよいかもしれないです。
また、エンジニアとサービス企画を考える人との距離や落ちてくるプランの詳細度の違いもあります。SIerでは落ちてくる仕様をひたすら作るのですが、Web系では何を作るべきか?からエンジニアも考えるほうが良いと考えている所も多いです。その場合は、自分なりにその会社のサービスや体制を調べて、サービスに対する突っ込んだ質問をすると好感度が上がるかも知れません。
ここであまりやらないほうがいいのはサービスに対する批判と提案です。事業をやっている側としては100個くらいやりたいことが合っても、開発リソースの問題で価値の高い開発を優先せざるを得ません。パッと外から見て分かることなんてはるか前に理解しているケースが多いです。知ったかぶりは開発を進める上でも齟齬につながるコミュニケーションなので、マイナスになるケースが多いです。
かなり鋭い指摘の場合はもちろん好印象です。リスクの高い諸刃の剣のケースが多いと思います。
明らかなバグならば伝えててもいいですが、それほどポジティブな加点にはならないかと思います。
次世代へのプロダクトの世界観があるならば語っても良いかもしれません。提案というよりは自分なりのビジョンですね。
安定を求めるか、厳しくても成長を求めるか
スキルマッチ
エンジニアなので経験したり勉強してきた技術セットですね。上の2つに比べて優先度は低いです。なぜなら不足していても、モチベーションが高く行動すれば早い段階でキャッチアップ出来ると考えているからです。
それでも同じチームでやっていく人として価値を提供できる人であるかは最低限必要になります。
会社と個人の双方が一方的に知識や経験を享受することは出来ません。
プロジェクトで使っているプログラミング言語が完全に合致していればプラスポイントになります。
一致していなくても特にマイナスにはなりません
何か1つのプログラミング言語を深く理解していれば他の言語の特性をキャッチアップするのはそれほど時間は掛からないと考えています。
逆にその言語の良いところや悪いところ、特徴的なもの、特性、などを自分なりの考察で語れるレベルにまで知識や考えが至っているかを確認します。
面接者が得意と考えている強みがプロジェクトの中で強みになるかのマッチを確認しています。
その時点での習得スキルは仕事環境に寄るところも大きく、求められてきた要件や役割があるので、仕事だけによらず、個人の勉強に繋がり、動機の強さが鍵になることも多いです。
強みとしていくスキルの深め方などはこちらに書いた記事を参考にしてもらえればと思います。
エンジニアの次のステップへの勉強法
実際の面接中の指針
大方針 : 強み、スキル、思考を説明するという観点でまとめましょう
経歴説明
- 経歴は今の強みとスキルを説明しやすいプロジェクトを2つか3つを5分程度で説明する
- 学生時代から全てを語る人が居ますが必要ありません
- 趣味なども仕事のスキルや思考に関わらないものは話す必要ありません(アイスブレイクは別)
- プロジェクトでは自分の特徴を捉えきれない場合は自己勉強に関わるものを加える
- 転職がある場合は転職の動機を説明
- 1つの転職に対して「会社の概要 + 動機の説明」で1分以内で出来るはず
- 自分の技術に対する態度や考え方と自己PRになることを語りましょう
- 得意言語(技術)となぜその言語が得意なのか、好きなのか
- 仕事以外での勉強会の参加や登壇経験など (仕事などで強制されることなく行動できるもの)
面接官が食いつきやすい場所や気になる場所を中心にindexをつけていきましょう
- 転職動機に興味があれば、そこに質問が来ます
- スキルやプロジェクトでの役割に興味があれば、そこに質問が来ます
- 行動に対する考え方をもっと深く聞くとき
- やりたいと言っていたものをどこまで行動しているかを聞くとき
質問の回答
- 意図が理解できない質問だった場合は意図を確認して回答する
- 出来ない、知らないことは知ったかぶりしない
- ほとんどの場合は完全にバレていて、寒い気持ちになっている
- 技術の深い質問が来て、得意なものの場合は食らいつく
- 楽しく話すとよい
- 長くなりすぎないように。長くても2、3分くらい。最大5分。10分以上一方的に話されるのは辛い
- 面接官が更に深く聞いてくる場合だけ10分以上話しても大丈夫。双方向になっているか
逆質問
- 技術のキャッチアップの仕方
- エンジニアの行動指針
- キャリアパスやエンジニアの役割
- 会社特有の制度や活動
- 事業の展望や課題
主に文化に関わる所を確認する質問にすると良いと思う。
そのあたりはネットの記事などでは伝わりづらいものがある。
逆にネットにある情報を質問されると、そんなに興味ない人だと考える。
(面接前日にホームページを見るだけで分かる事なので、その数時間の労力を行動できない人と思う)
まとめ
- 採用はマッチング。落とすために面接をしてるわけではない。
- 自分の強みを明確に。強みがないなら半年以上かけて作っておく。
- やりたいと面接で口に出すなら、出来る範囲で何かをやったあと。
- 文化マッチはタイミングや部署の違いもある。落ち込む必要はない。
- 強み、スキル、思考を説明できる言葉をもつ。それを裏打ちする行動をしておく。
どんな人が面接官としているかや転職活動開始のときにはこちらの記事も参考にしてもらえれば。
エンジニアが転職する時に考えることを採用面接官をしてる立場から書いてみた
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