新しい振り返りを作ってみた目的
僕はKPTが大好きです。
正確にはKPTTが好きです。
しかし、どうも世の中のプロジェクトマネジメントでKPTが上手く行っていないように見えることが多々あります。
そこでKPTでハマるところを改善しつつ目線を やりたいこと
と やるべきこと
を分離し、改善を実行するための振り返りを考えていみました。
最初の着想
Will, Can, Must (やりたいこと、出来ること、やるべきこと) をベースに考えました。
やりたいこととやるべきことは雲泥の差があり、コントロールが難しいにも関わらずTryというカテゴリにまとめられています。そこには出来ること(Can)で判断することが必要です。
また、やりたいことっていうものは問題があって出てくるものではなく、ただやりたいと感じることがあります。技術的チャレンジや興味、新しく見つけた手法の実験もあります。
その中でプロジェクトが上手くいくように思いついたアイデアは、深堀りしていったときに初めて本当の課題や問題を見つけることもあります。明らかにわかりやすい問題は一定レベルのチームでは既に対処可能状態になるものだと思います。
Tryに移した事象はまずは本当に今のチームで実現可能なものなのか? 出来ること
なのか?と言うフィルターこそがチーム改善の中でキーエンジンになると思いました。
これについては現状のKPTTのフォーマットを使っていても、うまいファシリテーションを実行すれば実現可能なものだと思います。
しかし、どうにもファシリテーション力が求められるものだと感じました。
他の振り返りとの違い。やりたい目的。
僕は圧倒的にTryが大好きです。 次に何をするべきか?
をしっかり考えることで改善が加速すると考えているからです。
その中で、KPTやYWTの Try
は上記に書いた目的で曖昧なため、うまいファシリテーションなどのコントロールを要すると思います。
またFDL (Fun, Done, Leane)やタイムライン、セレブレーショングリッドは完全に振り返ることに特化しており、Nextアクションを決めきるものではないので、プロジェクトマネジメント上でチームの改善を加速するためには物足りないと感じています。(どれも利用する場面によってはとても大好きな振り返りです)
そこで考えたGPWMと言う振り返り
GPWM (Good / Problem / Will / Must) のやりかた
やり方はKPTとほとんど変わりません。
最初に出すべき項目はGood, Problem, Will です。
そして、その結果やるべきことと判断したもののみをMustに書きます。
Mustはチームの総意であり、カンバンなどでプロジェクトを管理しているのであればチケット化するべき項目になります。
Good
KeepをGoodに変えている理由はシンプルで、続けていく良かったことだけでなく、ただ単純に良かったと感じたことを書いてもらいたいからです。Keepを書いてもらうときに良かったことを書くんだよって毎回説明していましたが、それが必要なくなります。
それにみんなが続けたいと思うものは自然にKeepされるものだと思います。
Keepで続けたいと思っていてもコスト対効果が見合わないものは自然に淘汰されると思います。
それはやったらいいなと思うレベルではなくやるべきことの場合とは別のカテゴリとして扱うべきだと考えました。
Problem
これはKPTのProblemと同等です。問題に感じていることをシンプルに書いてもらうことで良いと思います。
Will
これは新しく定義した項目です。
Tryに近いのですが、もっと純粋にやってみたいなと感じたことを書いてもらえればいいと思います。
今までのTryはKeepやProblemをベースに書かれていることがKPTのメジャーな方法ですが、課題ベースだと課題を深堀りしてからでなければその課題そのものが出てきにくい現状がありました。なので、感じているやりたいことをもっとシンプルに書いてもらっていいと思いました。
別の名称候補としてChallengeやWantなども考えましたが、Will, Can, Mustの考えに従ったほうがより実行するべき課題を抽出しやすいと考えてWillにしました。
Must
やりたいなーと思うことはプロジェクトを進めていくと山程あります。Tryにはやれたら良いことやずっとやりたいと思ってることが溜まり続けてしまう自体にもなります。
その中で本当にやるべきことは何なのか?
コスト対効果が出せるものはなんなのか?
チームでチャレンジする意義のある取り組みは何なのか?
などを精査して、チームの中で必ずやりきる合意が取れた項目のみをここに残します。 KPTTではTODOと呼ばれる項目です。 TODOだとリストにすると満足してしまいがちな言葉に思えるため、より強く実行するべきことの意味でもMUSTとしました。
Can
ここでのポイントは本当に 出来ること (Can)
のみをMustとすることです!
したいことはたくさんある中でチームのリソースは限られています。
大きすぎるサイズのものや効果が出るまでに時間がかかる方法などは実行するべきものとしては難しいです。
やらないと分からないものの場合は1週間程度実行したら結果がわかりそうなサイズにしてMustに移動します。
Canはチームの合意であり、アイデア出しの場であり、フィルターし集約した結果のみがMustに集まります。
これをチケット化などして次回の振り返りまでトラッキングしましょう。
まとめ
KPTがマンネリしていて新しく課題解決できていないな?と感じたり、新しいアイデア(Will)が出てこず課題ばかりにフォーカスしてしまったり、Tryにやれたら良いなと言う項目が溢れてしまって、本当に実行するべきことが実行できていないと感じたり。
そんなKPTに課題を感じたチームの方々はちょっとGPWMをやってみてはどうでしょうか?
課題ばかり上げてTryを出すのではなく、ただただシンプルにやりたいこと(Will)を出してポジティブになりませんか? Willから課題を見つける事もできます。Willから見つけるチャレンジは、課題からでは見つからないチームの大きな変化を見つけることも出来るかもしれません。
チャレンジした結果はコメントやツイッター等でレポート頂けると嬉しいです。
改善が推進される振り返りをしたい!!
追加課題
GPWMというのがどうにも読みにくいので、良い読み方や別の名前を募集したいかもしれない。