皆さんはどれくらいコードを書いたら疲れますか?
私はある時期から急に3~5時間もコードを書くと極度の疲れを感じるようになりました。しかし、眼への負担を徹底的に削減することで、一日あたり10時間以上開発に当てられるようになるまで回復しました。
単なる眼精疲労が開発におけるボトルネックだったのです。
エンジニアの生産性向上において、「目の健康」こそ重要な要素であることは間違いありません。
また、最終的に眼科で診察を受けたのですが、 「目を酷使するエンジニアは角膜を傷付けやすい。あなたは幸いにも角膜を傷つける手前程度でした」 と言われました。
眼精疲労はエンジニアの職業病ですが、だからこそ「眼を大事にする」ということを意識してほしいです。
目を大事にしようと思ったきっかけ
突然、1日あたりの労働時間の上限が著しく狭まったと感じたからです。
今までは早朝から深夜まで仕事に打ち込むハードワーカーだったのに、作業可能な時間が急に減りました。
数時間もPCと向き合っていると、極度の疲れを覚えるようになったのです。
脳機能の低下や鬱病等ではなく、原因は 「眼精疲労」 でした。
実は人間の脳はイメージより遥かに疲れにくい器官です。
「脳が疲れた、もう限界だ」と思っている時、それは脳ではなく眼や筋肉の疲れであることが多いです。
眼精疲労の原因チェックリスト
眼精疲労の原因について、眼科医の方からのアドバイスをまとめます。
(ちなみに私は全てに当てはまっていました)
- PCやスマホのブルーライトを長時間浴びている
- 眼鏡・コンタクトの度数が合っていない(特に乱視軸がずれていました)
- 角膜※に傷がついている。ドライアイ(※角膜=「黒目の表面」のイメージです)
- PCを見るときの目線が極端に低くなっている
- 顔の目の前に近づけるようにしてスマホを見たり、本を読む(30cm以上が理想です)
- 目薬が合っていない(ドライアイの場合、市販の目薬だと返って悪化させることもあります)
- プログラミング中に瞬きの回数が極端に少なくなっている
眼の負担を減らすための施策
本記事では、私が眼の負担を減らす上で効果的だった取り組みを紹介します。
ジャンル毎に大別すると、
「PCの設定」
「メガネ/コンタクト」
「生活習慣」
です。
Macの設定
PCについてはラップトップ型のMacを想定しています(Windowsでも似たようなことはできるはずです)。
Night Shiftモードを常時適用
Night ShiftモードはAppleデバイスに搭載されている機能で、スクリーンから寒色系の色彩をカットして暖色に変換してくれます。(画面が黄色がかった、目に優しい色になる)
Macでブルーライトをカットする最も強力な方法であると同時に、眼の負担となるような色彩や光量も削減してくれます(Macはディスプレイの画質が高すぎて、眼の大きな負担になっています)。
元々は就寝前にブルーライトをカットするための機能ですが、これを常時適用するように設定するとMacを見て疲れにくくなります。
黄色ががった画面に最初は驚くかもしれませんが、すぐに慣れます。
今はむしろNight Shiftを適用していない画面を見ると眼に刺さるようなストレスを感じます。
設定方法は「システム環境設定」(歯車アイコン)から「ディスプレイ」(モニターアイコン)を開いて、「Night Shift」の各項目を下記のように設定します。
スケジュール: カスタム
開始: 4:00
終了: 3:59
色温度: 「暖かさ」MAX(右端まで引っ張る)
壁紙にカラー:ブラック
を適用
Macのデスクトップの壁紙を、デフォルトのカラー機能を使って黒一色にします。
これがおそらく世界で最も眼に優しいデスクトップです。
また、この状態は**「集中力が増す(気が散らなくなる)」、「電池が長持ちする」**というメリットもあります。
デスクトップが画像や写真だと、無意識のうちに注意力を割いてしまうようです。
設定方法は「システム環境設定」(歯車アイコン)から「デスクトップとスクリーンセーバ」(上から一列目左端2番目のアイコン)を開き、「Apple/カラー」のブラック
を選択してください(↓スクショ参照)。
常時ダークモードを適用する
「システム環境設定アプリ(歯車アイコン)」から「一般」(上から一列目左端のアイコン)を開き、外観モード: ダーク
を選択します。目に優しい・集中力が増す・バッテリー消費が抑えられる。常時ダークモードにしない理由がないです。
PCグッズ・周辺機器
Macの画面をノングレア化(ノングレア画面フィルム)
突然ですがPC知識を一つ。
PCスクリーンには「光沢(グレア)」と「非光沢(ノングレア)」の2種類があります。
光沢(グレア)は光を反射して、高精度な色彩を表現できるのが特徴です。
例えばMacのレティナディスプレイですね。
一方、非光沢(ノングレア)は光の反射を抑え、発色やコントラストが落ち着きます。
例えばThinkPad X1 Carbon※です。
Macのレティナディスプレイは精密な色彩やコントラストの表現力が高いですが、どうしても目が疲れやすくなります。
一方、ThinkPadのようなノングレアは発色の精度こそ劣りますが、長時間画面を見ていても目が疲れにくいです。
※私は元々はThinkPad X1 Carbon(Lenovo)を愛用していたのですが、モバイルアプリ開発用にXcodeが必須であったり、Reactの環境構築のしやすさだったりでMacbook Proに乗り換えざるを得ませんでした。
データサイエンティストやWeb開発しかしないという方は、是非ThinkPad等も考慮してみてください。
(私はThinkPadからMacに変えてから、目が疲れやすくなったことを実感しています)
ただ、殆どのエンジニアはMacを使っていると思うので、今回はMacをノングレア化しましょう。
と言うと大袈裟ですが、Macにノングレアの画面フィルムを貼るだけです。
ThinkPad等元々ノングレアのPCには及びませんが、Macにノングレアフィルムを貼るだけでも大きな効果が実感できます。
Lenovo ThinkPad X1 Carbon (Core i5-8365U/16/256/Win10Pro/14inch 2K)
デュアルモニター
デュアルモニターを導入すると、「理想的な目線の高さ」「理想的な目とモニターの距離」「大画面」とあらゆる目に優しい条件が整います。
ノングレアのモニターなら尚更最高ですね。
財布的にお手頃のものとしてはThinkVision S24e-10 モニター(23.8型)がお勧めです。
在宅と持ち歩きに兼用できるモバイルモニターとしては、
ThinkVision M14がお勧めです。
暖色系のデスクライト
暖色系だと目への負担の違いをはっきりと実感できるので、自宅の電灯は基本的に全て暖色系に統一しています。
ただ、いきなり天井の電灯を取り替えるのは大変なので、まずデスクライトから試してみるのがおすすめです。
TaoTronicsのような暖色系で、光量を調節できるデスクライトを使用すると目がラクになります。
TaoTronicsはYoutuberのヒカキンが取り上げたことで有名ですが、光量調節・光色切り替えに加えて本体の角度や向きも柔軟に調整できるのでおすすめです。
眼鏡/コンタクトについて
視力検査&度数確認
眼科もしくは眼科と提携している眼鏡ショップで、一度視力検査を受けてみてください。どんなに長くても1年もすれば、度数はずれてくるものです。
眼鏡の度数についてはJINSショップがお勧めです。
コンタクトは眼科に行きましょう。
僕はコンタクトも眼鏡の両方ずれてました。
なるべくコンタクトではなく眼鏡
当たり前ですが、眼鏡の方が目に優しいです(眼科医の方からもしばらくコンタクトは控えて眼鏡にすることを勧められました)。
私は元々コンタクト派だったのですが、コロナによるリモート化もあり、眼鏡派にジョブチェンジしました。
ただ、やはりコンタクトの方が外見の印象は良いので、大事な商談やMTG等の時のみコンタクトにしています。
在宅勤務用の眼鏡を専用に持つ(JINSがお勧め)
在宅用の眼鏡を専用に持つこともお勧めします。
私はJINSのAirFrame ヒンジレス、JINS SCREEN/ヘビーユース(ブルーライトカット率38%)を愛用しています。
普段眼鏡をかけない方も、PCメガネとしてJINS SCREENはお勧めです。
生活習慣
ホットアイマスクで仮眠を取る
午後に20分間ほど、ホットアイマスクをつけて仮眠を取るようにしています。
ホットアイマスクはあずきのチカラがコスパ・使い心地・安全性共にお勧めです。
一つにつき250回分使えます。
水に濡らしたりする必要も一切なく、電子レンジでチンするだけできちんと蒸気が発生して目を潤してくれます。
カフェ等の出先ではめぐりズムを使用しています。
(ちなみに、電動式のホットアイマスクは安全性に完全な信頼を置けないためお勧めしません)
朝に裸眼で散歩する
「(目に良いとされている)太陽光のバイオレットライトを取り込むこと」、「遠くの景色を見て目を休ませる」ことを目的としています。
朝に自然の中を散歩する習慣があるとQOLも上がります。
スマホではなくタブレットとKindle
スマホの使用自体が目にとても悪いです。また、スマホだとどうしても顔に近付けるようにして見がちです。
なるべくタブレットやKindle端末を使用するようにしましょう。
私は調べ物や動画視聴のような以前ならスマホで行っていたことはiPad Airを使うようになりました。また、そもそもネットサーフィンやSNSに時間を費やすより本でも読んだ方が生産的だなと、ポケットにスマホ代わりにKindle Paper Whiteを入れて持ち歩くようになりました。
時間の使い方自体の生産性も上がりました。
高さ調節できるデスク
PCを見る角度が合っていないことも、目に大きな負荷をかけます。
高さを調節できるデスクがおすすめです。
こちらのように十分な大きさがあり、かつ電動式のものがお勧めです。
PC本体だけで完結している方はコンパクトなこちらもお勧めです。