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届出電気通信事業 申請ガイド

Last updated at Posted at 2020-09-18

はじめに

「電気通信事業」を行うためには、総務省に登録もしくは届出が必要です。

「Mastodon」というマイクロブロギングサービスを運営する機会がありましたので、届出の申請を行ってみました。

「電気通信事業」とは?

「電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業」と定義されています。

ざっくり言うと「自分の持つ電気通信サービスを他人に使ってもらうようなサービス」です。

提供しているサービス種類によって「登録電気通信事業者」「届出電気通信事業者」の2種類に分けられます。

「登録」電気通信事業者

① 以下のいずれかの基準に該当する場合
1)端末系伝送路設備(端末設備⼜は⾃営電気通信と接続される伝送路設備((例)局舎から利⽤者宅までの間の伝送路設備。同軸ケーブル、光ファイバといった線路設備のほか、無線系の設備も含む。))の
設置区域が⼀の市町村(特別区、地⽅⾃治法の指定都市の区・総合区を含む)を超える場合
2)中継系伝送路設備(端末系伝送路設備以外の伝送路設備。
((例)局舎から局舎までの間の伝送路設備))の設置区間が、⼀の都道府県の区域を超える場合

出典:電気通信事業参入マニュアル[追補版](総務省) ※PDF注意

ざっくり、広域にわたり自社で通信ケーブルを敷設できるような業者(NTTやケーブルテレビなど)や、携帯電話のキャリア、インターネットプロバイダなどが該当するようです。

「届出」電気通信事業者

② ①に該当しない電気通信回線設備
(例)同⼀市区町村内におけるCATVアクセスサービス
・他の電気通信事業者の電気通信サービスを再販する場合
・サーバやルータ等の伝送路設備以外の機器のみを設置・提供して電気通信サービスを提供する場合

出典:電気通信事業参入マニュアル[追補版](総務省) ※PDF注意

単一の市町村内で完結するような、小規模な回線業者や
自社で回線は持っていないけども、電気通信サービス(Webサービス含む)を提供する場合が該当するようです。

提供予定のサービスは届出が必要?

電気通信事業参入マニュアル[追補版]の7~10ページにフローチャートがあります。
また、11~19ページにサービスの具体例が載っているため、参考にしてください。

電気通信事業参入マニュアル[追補版](総務省) ※PDF注意

今回、提供しようとしている「Mastodon」というWebアプリと運営形態は

  • 誰でも自由に登録ができ、他の誰とでもやりとり(リプライやDM)ができる(電気通信設備を他人の通信の用に供する。他人の通信を媒介する。クローズドチャットに該当)
  • 本格的にサービスインするつもり(電気通信事業である)
  • (仕組み上)全世界の誰でも登録でき、また誰とでもやりとりができる(狭域サービスではない)
  • もしかすると寄付やアフィリエイトなどによって収益があるかもしれない(電気通信事業を営む)
  • VPS上に構築する(電気通信回線設備を設置しない)

という流れだったため、「届出」が必要であると判断しました。

届出してみよう

どのタイミングで届出すればいい?

サービスイン前に行う必要があります。

届出手続きに費用はかかる?

手続きそのものに費用はかかりません。届出後も定期的に費用がかかったり、税金を課されるということもありません。
ただし、住民票が必要である他、書類を送るための封筒、申請用紙、郵便料金は別途必要です。

どんな書類を用意すればいい?

各様式のテンプレートは総務省のWebサイトに用意されています。

総務省:関東総合通信局:申請・届出書類(届出認定電気通信事業)のダウンロード

また、記入例や注意事項を記した文書を上げてくれているので参考にしてください。

個人で申請する場合は、以下の5アイテムを用意します。

1. 電気通信事業届出書(様式8)

基本情報を記入する用紙です。

提出年月日、住所、氏名、電話番号、メールアドレス、提供区域、事業開始予定年月日を記入します。
提供区域は「全国」とします。
他の項目は非該当なので空白としました。

2. 提供する電気通信役務(様式4)

どのようなサービスを提供する予定かを記入します。

今回は「クローズドチャット」として申請するため、
「30 インターネット関連サービス(IP電話を除く。)」の「提供する役務」に「クローズドチャット」と記入しました。

3. ネットワーク構成図(様式3)

届出者、インターネット、利用者の位置関係が分かるようなネットワーク構成図を描きます。
図そのものは割とざっくりでOKなようです。

VPSやレンタルサーバの類を使用する場合は、提供業者を記入する必要がありました。

ネットワーク構成図サンプル

4. 住民票

役場などで新しく取得してください。
コピーでは不可です。

5. 返信用封筒

切手を貼って、住所氏名を記入しましょう。

書類の送り先は?

各地域の総合通信局・総合通信事務所です。

総務省:管区行政評価局・行政評価事務所・行政監視行政相談センター

また、記入について分からないことがあれば、それぞれの総合通信局に問い合わせるとよいです。

申請後、届出内容に変更があったら?

たとえば、引っ越したり、サーバー業者を乗り換えたり、サービスを行わなくなった場合などは
同じように各地域の総合通信局にその旨申請しましょう。

おわりに

はじめての経験だったので、戸惑う部分もありましたが
電子通信事業についての理解が深まったのでよかったなと思いました。

また本記事の内容を鵜呑みにせず、総務省のWebサイト等で最新情報を参照するようにしてください。

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