概要
Unityでのワークフローとして、モデリングやアニメーションはDCCツール(Blenderとか)上で全部作って、UnityEditorに取り込んで使う。というのが前提になっています。
ただ、UnityEditor上でアニメーションを作ったり編集したりする、という需要は結構あります。
もっと言うとモーションキャプチャデータを後編集する時にMotionBuilderを買うお金は無いけどなんとかしたい、みたいな切羽詰まった需要があります。
そういったUnityEditor内でのモーション作成、編集アセットとして人気なのが
- Very Animation https://assetstore.unity.com/packages/tools/animation/very-animation-96826
- UMotionPro https://assetstore.unity.com/packages/tools/animation/umotion-pro-animation-editor-95991
の2種です。日本国内だと作者が日本人(日本語のマニュアルがある!!!)という事もあり、前者のVery Animationの使用例が多いです。
でもUMotionProも結構強力なので、便利だなあと思った事を書きます。
強力なIKセットアップとIK Pinned
UMotionProは機能制限版の無料アセットであるUMotionFreeが体験版的に使われています。
ただ、このUMotionFreeは UMotionProの強力な部分が全部使用不可 なので、この無料版使って「うわ使えねえ…それに比べてVeryAnimation良い…」
となりがちです。
特にこのUMotionProはIKセットアップの自動生成と、IK Pinned(足滑り等の防止に使うやつ)がめちゃくちゃ強力なので、それが無料版では試せなくてつらいです。
UMotionPro使っていると「基本的にIKベースで作っていって、FKで微調整したデータもIKモードに変換する」というクセが付くくらいにはIKが優秀です。
MotionBuilderとかでお馴染みの「補正用レイヤー」でモーション編集できる
この動画を見たら強力さが分かると思います。既存の(特にモーションキャプチャデータ)のゴミ取りとか、めり込んだ腕の補正とか、捻れた足首の補正とかを頑張って直す時、「補正用レイヤー」を追加して、レイヤーウェイトも操作しつつ、めり込み補正専用のFKアニメーションを追加したり出来ます。
これと同じ事をMotionBuilderでやってる人は結構居ると思うんですがどうかな…UMotionProはほんの数千円ですよ。
.animだけじゃなくてFBX形式でもアニメーションをエクスポート出来るので、再度DCCツールに持って行く事も可能です。
ここが弱いよUMotionPro
あくまでHumanoidアニメーションに特化してます。
具体的に言うと、「髪の毛を綺麗にFKで揺らす」とか、「Blendshapeの表情付けを楽にする」みたいな機能は無いです。表情未サポートが痛いところですね…
(ただ、4本腕のキャラの腕4個それぞれにIKを自前セットアップ出来たりするので、刺さる人には刺さると思います!)
更に言うとVRMファイルは未サポートです。中身をFBX化して.animだけ使って転用するみたいなつらいワークフローになります。
VeryAnimationの方が、全部入り的にアニメーションを触れるので、キャラ物だったらVeryAnimationで良いかもしれません。 MotionBuilderを買えないけどモーキャプデータを編集したい人 とか、一定の量のモーションを量産する人とか、オブジェクト絡みのモーションを作る人とかにはUMotionPro結構良いと思います。