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VR-HMDの動作検証に使うラップトップPC選定の注意点

Last updated at Posted at 2021-05-24

概要

VR-HMDを使ったコンテンツのお出かけデモ用、あるいは部屋の環境的にデスクトップPCを買えない場合にVR用のラップトップPCを購入する人もいるかと思います。
その際にCPUとGPUのスペックだけを見て決めるとHMDとの相性問題が発生してメチャクチャつらいことになるので、注意喚起です。

結論を先に書くと

  • 購入する予定のラップトップの実機を触れる場に行く
  • 実機上でPhysX設定を開いて、DisplayPort1.3以上がdGPUから結線されていることを確認してから購入する

ことで、トラブルを回避できます。

以下、簡単のために

  • CPU内蔵GPUをiGPU(Intel内蔵グラフィック的なやつ)
  • 独立したGPUをdGPU(Geforce RTXxxxx的なやつ)

と表記します。

VR-HMDの映像出力ポート制約

VR-HMDは「低遅延」「高リフレッシュレート」「高解像度」であるほど良い物です。

よって各HMDメーカともにどんどんスペックを向上させています。

その結果、DisplayPortは1.3以降を要求するHMDも登場しています。

image.png
↑出典: https://vr-maniacs.com/entry/extend-display-port/

HDMIから変換してDP1.3を出力するのは地獄(まともに動く製品を知りません)なので、VR用途でラップトップPCを買う時は DisplayPort1.3以上(将来を見越すならDisplayPort1.4以上、mini DisplayPortも可)のディスプレイ出力端子を備えた物を買いましょう。

待って!それだけじゃないんだ!

上で書いた端子情報だけだと罠があります。

最新VR-HMDはdGPU直結のDisplayPortでしか動かない のです。

たとえばHDMI出力とDisplayPort出力が載っているラップトップPCでも

  • HDMI(これがdGPU直結)
  • DisplayPort(なぜかこれがiGPU直結)

となっている場合、ValveIndexなどのDisplayPort接続を要求する最新VR-HMDが認識失敗します。

特に罠ポイントだと思うのがThunderBolt4のTypeC経由でDisplayPort出力ができる、と書いてあるものはほぼ確実にiGPU直結です。

どうやって映像出力の結線情報を確認するの?

NVIDIAコントロールパネルのPhysX構成の設定、の欄で確認できます。

残念ながらメーカーは結線状況を公開してくれていない場合がほとんどなので、店頭で実機を開いて確認しましょう。
image.png

例えばこのモデルの場合は「dGPUはHDMIポートにしか繋がっていないのでValveIndexが動作しない」と考えられます。

デスクトップ画面で右クリック→NVIDIAコントロールパネル→3D設定→Surround、PhysXの設定
で確認できます。

その他補足

Oculus QuestなどをUSB接続してPCVRとして使う場合は、こういった映像出力端子結線ガチャを無視できます。

絶対にハイエンドなPCVR向けHMDを買わない、OculusQuest系と添い遂げる!という決意があればこの文章にあったことは忘れて大丈夫です。

あと、そもそもVR ReadyなGPUを積んでいないラップトップを買ってしまうという失敗パターン(CAD用のQuadroモデルとか、ローエンドGPU搭載とか)もありますが、そういった不安がある人は事前に店員さんに相談しましょうね!

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