LoginSignup
15
9

More than 1 year has passed since last update.

KMMを触ってみて思ったこと

Posted at

はじめに

KMM(Kotlin Multiplatform Mobile)とは、Kotlin/NativeというKotlinのコードをさまざまなOSのネイティブコード(マシン語)に変換する技術を使って、モバイル(iOSとAndroid)に特化したクロスプラットフォーム開発をできるようにするSDKです。

僕はKMMってなんか響きがかっこ良いんでKotlinでiOSアプリが作れるっていうところが凄いなと思って勉強を始めてみました。勉強を始めて一番最初に浮かんだ疑問として、Kotlinで開発するのであればただのAndroid開発と何が違うのかというのがありました。その疑問について色々調べてみました。

仕組みの違い

そもそもAndroidのネイティブ開発ではKotlinやJavaを使うことができます。それぞれのコードがART(Android RunTime)という実行環境でAndroidOS上で動くようなネイティブコードにコンパイルされることで動いています。

対してKMMはKotlin/NativeがKotlinを各OSのネイティブコードに変換するための諸々をやってくれているので動くそうです。Kotlin/Nativeの公式ドキュメントの文章を見てみると、

Kotlin/Native is a technology for compiling Kotlin code to native binaries, which can run without a virtual machine. It is an LLVM based backend for the Kotlin compiler and native implementation of the Kotlin standard library.

ということらしいです。全然わけがわからないです。色々調べてみたところ、この部分の詳しい説明として↓の記事がありました。
https://developers.cyberagent.co.jp/blog/archives/23149/
要約すると、Kotlin/Nativeは
・ 標準ライブラリ
・ メモリ管理
・ プログラムランチャー
の3つの機能を提供してくれていることで動くそうです。

なので普通のAndroid開発とKMMでは、最終的にAndroidOS上で動くネイティブコードに変換している点は共通していてそのプロセスが違うということらしいです。

開発する上での具体的な違い

まずKMMはマルチモジュール構成となっていて、共有モジュールと各OSのモジュールの三つの構成になっています。各OSのモジュールではそれぞれのOSでしか使えないライブラリ等が使えます。僕はとりあえずサンプルアプリはMVVMで、ViewModelとViewをそれぞれのOS毎に分岐して書くというやり方で作りました。普通のAndroid開発とKMMで開発するときの具体的な実装時の違いとして使えるライブラリの違いがありました。ここがかなり重要な違いかなと思いました。例えば、

HTTPクライアント

・Android -> Retrofit(+ OkHttp)
・KMM -> Ktor client

Coroutines

・Android -> coroutines-android
・KMM -> native-mt

AAC(Android Architecture Components)

・Android -> 使える
・KMM -> 共有部分のコードでは使えない

他にもあると思いますがこの辺りが違いを実感しました。特にiOSにも対応しないといけないので当たり前ではあるんですが、共有部分のコードでAACが使えないのが辛かったです。ViewModelScope等のAndroidのライフサイクル対応のCoroutineが使えなかったので結局ViewModelを分ける以外にやり方がわかりませんでした。それに関係する話ですが、アーキテクチャに関しても、
・Android -> MVVMが推奨
・KMM -> 何が正解か全くわからない
といった感じでKMMは何が正解なのかよくわかりませんでした。KMMはそれぞれのOSの違いに対応する時に、どうしてもコードを共通化できない部分が出てきてしまってそれぞれ分岐させなければいけないところがあると思うんですが、その分け方のベストプラクティスみたいなものがわからないです。

感想

とりあえずKotlinでiOSのアプリが作れたのはめちゃくちゃ感動しました。ただ結局ViewModel以降はそれぞれのOS毎に書いているのであんまりクロスプラットフォームで開発している!みたいな実感は湧きませんでした。アーキテクチャ等のベストプラクティスみたいなものがわかればもう少し共通化できる部分が増やせるのかなと思いました。またKMMでの開発を通してAndroid自体の開発に関して少し理解が深まる部分があったのでそれもよかったなと思います。KMM開発においてiOS側からKotlinのflowをobserveする時などもっと具体的な壁もあったのでその辺りもいつか記事に書きたいです。

拙い理解と変な文章の記事をここまで読んでくださってありがとうございました。

参考記事

15
9
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
15
9