まえがき
本記事は「Nihon University Advent Calendar 2024」に寄せた記事となります。
能登半島地震で起きた地すべりをSAR干渉画像から判読することを目的とします。
SAR干渉画像とは何か、SAR干渉画像の入手方法、SAR干渉画像からどのように地すべりを観るか、が知りたい方にとって役立つ記事となりましたら幸いです。
SAR干渉画像とは?
以下のサイトを参照してください。
SAR干渉画像の読み方
以下のサイトを参照してください。
能登地震について
2024年1月1日の地震の詳細は以下のサイトを参照してください。
能登半島で起きた地震の履歴はこちらを参照してください。
サイトにジャンプするのがめんどくさい人のために超ざっくりと説明すると、能登半島では1年前くらいに大規模な地震が発生し、今でも高頻度で地震が起こっているってことが解ればOKだと思います。
なお、2024年1月1日の能登半島地震のSAR干渉画像の判読について、興味がある方は以下の文献をご覧ください。佐藤・宇根(2024)の文献です。
データのソース
SAR干渉画像はこちらからダウンロードしました。
本当は精度の関係でPALSAR-2のデータを使いたかったですが、データをダウンロードするための料金が高いことから断念しました。
まぁ、一般の方でもダウンロードできるSentinel-1のデータのソースを紹介できる点ではある意味メリットかと(言い訳)。
方法
2023年12月から2024年2月までのSentinel-1のSAR干渉画像2枚をダウンロードし、GISにインポート。
色(位相)の変化が急激な地域にポイントを置き、その経緯度を求め、実際に地すべりが起こっているかをGoogle Earthで確認しました。
ダウンロードしたデータは以下の通りです。
フレームID: 017D_05353_130400
期間:
・20231230-20240111
・20240111-20240228
結果
その結果、1箇所の地すべり箇所(白い点)を判読できました。以下図1、図2が地図になります。
図1.20231230-20240111
図2.20240111-20240228
そして、このポイントをGoogle Earthで観たものは図3です。
図3.Google Earthでの観測結果(観測年月日: 2024/5/14)
Google Earthでも観測した結果、この地点では地すべりが見られました。
あとがき
本記事は能登半島地震で起きた地すべりをSAR干渉画像から判読することを目的とし、SAR干渉画像から地すべりが起きている地域を予想して、空中写真から地すべりが起きているかどうかを確認しました。
本記事をきっかけでSAR干渉画像に興味を持っていただけたら幸いです。