#micro:bitの電波はどれくらい飛ぶのか試してみた話
###micro:bitのDXチャレンジ
大昔になりますが、中学~大学の頃アマチュア無線に熱中した時期がありました。元をたどると玩具のトランシーバーで遊んだのが原点だったと思いますが、何もない空間を電磁波というよく分からないものでダイレクトに情報が伝わる、という感動はずっと持ち続けていて、いまだにラジオを作ったりエアバンドを聞いて喜んだりしています。
アマチュア無線の醍醐味は自分の家から思わぬ長距離に電波が飛ぶところにあるのですが、長距離通信のことをDX(Distance)という略語で呼びます。自宅のアンテナから出た電波が他県や国外という長距離に到達する経路を想像するのが楽しいのですね。
無線はmicro:bitにとっても重要な機能です。micro:bit同士を通信させるときも、ちょっとした感動があります。無線機能を使うと小学生でも手軽に通信が体験できるのが、他のマイコンボードとの大きな差別要因とさえ言えます。
この無線機能は、室内では障害物がなければ問題なく使用できますが、教育目的の場合、体育館や校庭などの広いエリアでスポーツと絡めた活用法も考えられます。その場合の通信距離はどの程度を想定しておけばよいのか、とりあえず実験してみることにしました。
というのは建前で、micro:bitでDXがどこまで行けるかという、単なる遊びですw
###実施方法
実施にあたり必要なのは、広い空間と距離測定の方法です。近所には広大な公園もあるのですが、長尺の巻き尺も測距儀もないので、近所の川沿いの遊歩道を利用してみました。
ここはかなりの直線区間がある上に、転落防止の柵がきっちり2m間隔で作られているため巻き尺代わりに距離が測れるというメリットがあります。
計測には、送信機と受信機の2台のmicro:bitを用意しました。送信側はひたすら1を送信し続け、受信側は着信したらLEDを点灯させます。
送信機を柵に固定しておき、自分は受信機を持って遊歩道を歩き、送信機から離れていきます。受信が不能になった(LEDが点灯しなくなった)距離を、通過した柵の本数で測ろうというものです。
####送信側
####受信側
#結果はどうだった
micro:bit V1とV2でそれぞれやってみたところ、LEDが点灯しなくなるまでに通過した柵の本数はV1が45本、V2が43本でした。柵の間隔が2mなので、大体90mということになります。個体差もあり、測定も適当すぎるので、差は無視して同じと考えて良さそうです。
V2はアンテナが改良されたらしいのですが、特に違いは感じませんでした。
予想外に飛んでいる感じなのですが、他の方のデータでは半分以下という報告もあり、この場所特有の結果の可能性もあります。川の両側に建物や護岸があり、反射波の影響も考えられますので、広大な公園の方で再度挑戦してみたいと思います。