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micro:bitでカラーセンサーを使ってみる

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IMG_8692.jpeg
光センサーには可視光用・赤外線用など種類があり、電子工作でよく使う光センサー(フォトトランジスタ、CDS)は可視光の強弱を取得できるものです。また赤外線センサーは測距や人感センサー、テレビなどのリモコンにも使われています。
可視光のRGB別に強弱を取得して、色の識別ができるようにしたのがカラーセンサーで生産工程の品質管理や、液晶モニターの自動カラーバランスなどの用途に使われています。

カラーセンサーは色を識別できますので、読み取った色の違いを利用してコンピュータに命令をすることができます。例えば、ロボットに赤い色を見たら止まれ、緑を見たら進めと命令したり、色によって物品を分類することもできます。
教材としても面白いのですが、micro:bit用に特化した製品は無いようなので作ってみることにしました。

浜松ホトニクスのS11059-02DTを使う

カラーセンサーの種類

カラーセンサーはGrove、M5Stackなどのモジュール化されたものからチップ単体まで各種の製品があります。
今回はmicro:Maqueenの裏面に取り付けて、色で動作を制御したいという目的があるため、極力小さくするためにチップ単体品を使用しました。
チップ単体品にはアナログセンサとI2C接続のデジタルセンサがあります。アナログセンサはRGBそれぞれの光量を電圧で出力するだけなので、RGBごとに電圧の増幅、AD変換をする部分を作る必要があります。
一方のデジタルセンサは、ワンチップにAD変換までの処理を内蔵しているので、RGBの明るさを数値で出力してくれます。

デジタルセンサも沢山製品がありますが、入手のしやすさと国産で日本語資料があるところから浜松ホトニクスのS11059-02DTを使うことにしました。単体ではチップのフットプリントが独特の寸法のため、秋月電子通商で販売されている4ピンSIPモジュールが便利です。ピンヘッダやジャンパーケーブルをハンダ付けすれば、ブレッドボードやロボットカーに取り付けて使えます。

I2Cの使い方

micro:bitのI2C接続は、若干コツがありますが基本は他のマイコンボードと同じで、
・アドレスの指定
・コントロールレジスタへのコマンドの送信
・データ用レジスタからのデータの取得
の繰り返しになります。

S11059-02DTのデータシートによるとレジスタは以下のような構成です。
s13683-registers.png
8ビットのコントロールレジスタは、ビットごとに機能を選択し、8ビット全体を数値とみなして送信します。
RGBの明るさを示すセンサのデータは、16ビットのデータを上位バイト、下位バイトの8ビットずつ取得し、結合して16ビット整数にして使います。

面倒くさそうですが、データシートにはサンプルの設定が載っているので、とりあえずこの通りに設定すれば使うことができます。
s13683-sample.png
上のサンプルに従うと、実際のプログラムの流れは、

最初に初期設定をします。

I2Cのアドレス0x2Aを指定、続けてコントロールレジスタのアドレス0x00を指定します。
次のコマンド0x89を与えます。これはレジスタマップによると、リセット・スリープ解除・Highゲイン指定・積分時間1.4msにする設定です。
続けて再度、アドレス0x2Aのコントロールレジスタ0x00に対して、0x09のコマンドを与えます。これは直前のコマンドと同じ条件で、リセットを解除して動作をスタートさせるコマンドです。

動作が始まると、

積分時間のサイクルでデータ用のレジスタにRGBと赤外のデータが入ってきますので、これを取得する処理になります。
アドレス0x2Aの0x03はRデータの上位バイトのレジスタですが、ここを指定して連続的に読み出すと、RGBと赤外のデータが、それぞれ上位バイト、下位バイトの順で自動的に読み出されます。

micro:bitで使う例

上記の手順をMakecodeにした例です。
s13683-makecode.png

「最初だけ」ブロックが初期設定の部分です。

2つのI2Cの送信ブロックを使っていますが、最初のブロックは前述のリセットを行い、2つ目のブロックが動作スタートのコマンドになります。
どちらもI2Cアドレス42(0x2A)を設定します。
1つ目のブロックでは、送信する数値は、レジスタアドレスとコマンドの0x00,0x8B(積分時間179.2msの設定)の2バイト分を16ビット整数にしてから10進数に変換した139を送信します。
この2つのコマンドをまとめて16ビット整数にして送るのが、micro:bitのコツというかクセの有る仕様で、8ビットずつ別々に送ると動作しません。
データの形式は符号なし16ビット整数で、上位バイトから送るためビッグエンディアンになりますので、UInt16BEという形式になります。
「つづく」は後続のデータがなければ「偽」あれば「真」にします。

初期化の後半も同様に、動作スタートのコマンド全体を16ビットにまとめた11という数値を送信します。

「ずっと」のループがデータのレジスタ読み出しのプログラムです。

最初にI2Cアドレス42と、データレジスタを指定する0x03を送信しますが、この場合は1バイトだけのデータなので、形式はUInt8BEになります。

データの取得は、RGBごとにデータを入れる変数を用意しておき、またI2Cアドレスを指定してレジスタを読み出して行きます。
読み出しは16ビットデータで、上位、下位バイトをまとめて取得するため、データ形式はUInt16BEを選択する必要があります。

マップ関数が入っていますが、RGBの感度には差があるので、色の識別に使う場合は生データを補正してホワイトバランスを取るために入れてあります。

micro:Maqueenを制御してみる

ロボットカー(micro maqueen)に取り付けて走らせた例がこちら。緑色で左に方向転換、赤色で停止するようにしたものです。
クリックで動画
s13683-maqeen.png
以上

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