HyperledgerコミュニティがSawtoothのAdministrator資格 (CHSA) に続き、Fabric向けのAdministrator資格試験を開始する模様。昨年末にBetaプログラムの先行募集があったので受けてみた。
どんなテストなのか
Administratorとあるとおり、Hyperledger Fabricで構成されるプライベートなBlockchainネットワークの管理者をターゲットにした内容の問題が出題された。そのためChaincode(スマートコントラクト)開発に必要とされるようなプログラムスキルを発揮する場面は全くなく、主にネットワーク設定の変更方法や問題を抱えるHyperledger Fabricのネットワーク環境上での実際にトラブルシュートを行うスキルを問う設問が多く、基本的なDockerの使い方以外は、Hyperledger Fabric固有の設定周りに関する広い知識が必要とされる。以下のオフィシャルページに出題範囲と配分が載っているので参考になるだろう。
Hyperledger Fabric Certification – Hyperledger
Betaプログラムとは
Betaプログラムの実施目的は合格ラインの見極めるためらしい。ということもあって、協力者はタダで受験可能かと思いきや、しっかり受験料は取られる。が通常より安い100USDで受けられるという微妙なメリットがついてくるのだ。正式に受けると300USDとかするようなのでディスカウント価格ではある(が、よくバーゲンセールしているので、ベータプログラムが終了後でもタイミングが合えば、オンライン学習コースがバンドルされた上で200USD以下とかでオファーがある場合もある)。さらに一度落ちても無料で一年以内に再試験可能らしい。このチャンスはBetaプログラム参加特典というわけではなく、一般の受験者にも与えられるようです。
Certified Hyperledger Fabric Administrator Terms of Service | Linux Foundation ID
どんな問題が出題されるのか
普段業務でHyperledger Fabricの環境には触れており、更にはFabricコア部分のソースコードも覗いたり触ったりしているので、何とかなるんじゃないかと勘違いして受けてみましたが、残念な結果になりそうです(まだ結果がきてませんが)。こっそりここで設問内容を具体的にお伝えするのは、受験時に交わした秘密保持契約上アウトらしいので控えますが、公式ドキュメントを一通り読んでいろいろ実際に動かして理解しておく必要が当然ながらありそうです。全26問でしたが、全て実戦形式の問題でした。個人的には試験時間2時間じゃ全然足りないボリューム感でした。
どんな風に受験するのか
試験の模様は、本試験の提供元であるLinux Foundationの別資格試験の模様を記した以下の記事を参考になります。ほぼ同じような感じで試験自体は進みました。
Cloud Foundry Certified Developer(CFCD)を取得した - Qiita
試験にはWebカメラが必須なのですが、「カメラを使ってまわりをぐるっと見せて〜」とか「机の上も何もないか映して〜」とか、試験開始前に英語で注文が付きます(チャット越しに)。一度試験が始まると思い出したかのように「残り36分だよ」とか、切りの悪いタイミングでリマインダーを入れてくれます。私の場合は試験時間が過ぎてもなかなか「試験終了!」の知らせがなく、試験官が離席もしくは寝ていた疑惑がありました。
なお試験中に唯一開くことが許される1つのブラウザのタブ上で参照可能なサイトは以下でした。このドメイン配下ならOK。
A Blockchain Platform for the Enterprise — hyperledger-fabricdocs master documentation
まとめ
個人的には日頃触れているプラットフォームに関して、腕試し的な目的で何も準備せずに臨みましたが、普段はかなり偏った関わり方をしていたのも手伝って、試験中終始あたふたしていた印象です。既に落ちたと決めてかかっていますが、もう1ライフ残っているので少し抑えるとこ抑えてから再度臨みたいと思います。受かれば2年間自慢できるようなので是非皆様も受けてみてはいかがでしょうか。