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UnrealEnginePython プラグインを使ってみた (導入編)

Last updated at Posted at 2017-09-23

はじめに

UE4 の UnrealEnginePython プラグインは、文字通り UE4 で Python を使えるようにするというもの。
が、日本語で検証している記事があまりに少ない・・・なので自分で検証してみる。

UnrealEnginePython は github で管理されている。

  • MIT ライセンス
  • UE4 の Editor/Runtime 両方で Python を使えるようにする(Editorだけ使用と限定することも可能)
  • エディタ拡張や自動化等の機能が Python で作れる
  • ランタイムで使用する場合は、 PyActor, PyPawn 等の専用の継承クラスが用意されている
  • Python は 3.x 系 および 2.7 対応
  • UE4.12 - 4.17 まで対応
  • プラグインを導入すると Python Console, Python Editor が UE4 上で使用可能になる

なにこれしゅごい。

そこに書かれている通り、現在の UE4.17にも対応していて、比較的頻繁に更新されている。
さらにはドキュメントもかなり充実している様子。
https://github.com/20tab/UnrealEnginePython/tree/master/tutorials
https://github.com/20tab/UnrealEnginePython/tree/master/docs
https://github.com/20tab/UnrealEnginePython/tree/master/examples

まさに至れり尽くせり。

今回はこれらのドキュメントを読みながら、自分の環境で導入テストしてみる。
なお、自分の環境は以下の通り。

  • Win10
  • UE4.17.1 (UE4.17.2 でも動作確認済み)
  • Python3.6 (Anaconda, 64bit版)
  • VS2017

ちなみに、下記にリリース版が定期的にあげられているので、ビルド環境がない人はそちらを試してみるのがよい。

プラグインの導入

1. ソースファイルのダウンロード

から最新版をダウンロード。
C++ プロジェクトの Plugins フォルダ以下に放り込む。
ここは UE4 プラグイン共通。

00_dl_plugin.png

2. Python のパスを指定

プラグイン側に Python のパスをあらかじめ指定しておく必要がある。
(そうしないと、ビルド時にエラーが出る)

UnrealEnginePython/Source/UnrealEnginePython/UnrealEnginePython.Build.cs の下記を編集

UnrealEnginePython.Build.cs
using UnrealBuildTool;
using System.IO;
using System.Collections.Generic;

public class UnrealEnginePython : ModuleRules
{

    // leave this string as empty for triggering auto-discovery of python installations...
    private string pythonHome = "D:/Anaconda3";

自分の場合は Anaconda なのでそのパスになっているが、要するに Python の dll がおいてある場所を指定すれば良い。

UnrealEnginePython プラグインを Runtime に加えたくない場合

UnrealEnginePython/UnrealEnginePython.uplugin を開く。
UnrealEnginePython モジュールを Runtime から Editor に変更しておく。

UnrealEnginePython.uplugin
  "Modules": [
    {
      "Name": "UnrealEnginePython",
      "Type": "Editor",
      "LoadingPhase": "Default"
    },
    {
      "Name": "PythonConsole",
      "Type": "Editor",
      "LoadingPhase": "PostDefault"
    },
    {
      "Name": "PythonEditor",
      "Type": "Editor",
      "LoadingPhase": "PostDefault"
    }

3. プロジェクトをビルドして実行

あとは、いつものように、Generate Visual Studio project files して Development Editor ビルド。

01_genelate_vsp_file.png

ビルドが通ったら、早速立ち上げて Plugins が追加されているか確認。

image.png

簡単な使い方と動作テスト

プラグインが入ったので早速いじってみる。

Python Console

「ウィンドウ -> ディベロッパーツール -> Python Console」で Python を実行できるコンソールが開く。

image.png

こんな感じ。見た目は標準のアウトプットログとほとんど変わらない。
試しにテキトーに打ってみたけどちゃんと動く。

image.png

Python Editor

「ウィンドウ -> Python Editor」で Python 用のエディタが開く。

image.png

こんな感じのウインドウ。

image.png

「New」 を押すと、新しく py ファイルを作って編集が可能になる。
python のスクリプトは Content/Scripts 以下に自動で保存される。
名前の変更は、左のファイル一覧からダブルクリックで変更することができた。

image.png

スクリプトの実行テスト

例えば、以下のスクリプトファイルを作る。

TestScript.py
import unreal_engine as ue
from unreal_engine.classes import Actor, SceneComponent, StaticMeshComponent, StaticMesh
from unreal_engine import FVector

# EditorWrold 取得
editor_world = ue.get_editor_world()

# Actor を Spawn
new_actor = editor_world.actor_spawn(Actor);
# ラベル設定(アウトライナから見える名前)
new_actor.set_actor_label('TestActor');
# Rootコンポーネント追加
root_comp = new_actor.add_actor_root_component(SceneComponent, 'Root');
# StaticMeshComponent を追加
mesh_comp = new_actor.add_actor_component(StaticMeshComponent, 'StaticMesh', root_comp);
# メッシュをセット
mesh_comp.StaticMesh = ue.load_object(StaticMesh, '/Engine/VREditor/BasicMeshes/SM_Ball_01');
# 100.0, 100.0, 100.0 の位置に移動
new_actor.set_actor_location(FVector(100.0, 100.0, 100.0));

Python Editor の Execute ボタンを押して実行。
もしくは、Python Console で以下を記述して実行する。

Console
unreal_engine.exec('TestScript.py')

実行した結果。

02_test_result.png

おまけ

機能を探すとき

まず、ドキュメントやexample, testsをあさる。
それ以外に、直にソースコード読んだほうがわかりやすいときもある。
特に、UnrealEnginePython/Private/UEPyModule.cpp は、
バインドされている関数やEnum定義が記述されているので、探すときの取っ掛かりになりやすい。

Python Editor の使い勝手

正直に言って、使いにくい。
特に、エディタとして基本的なところで不具合があったり、使いにくいと感じることが多い。
例えば、

  • Ctrl + S で保存とあるのに、ショートカットが効かない
  • ディレクトリの Delete が実行されない
  • ディレクトリが1つもない状態で New Directory すると、ディレクトリは作られるものの、Python Editor 側で反映されない
    • (1つでもディクレクトリが存在していれば正常に動作するようだが・・・)
  • ファイルが未保存かどうかの印(いわゆるアスタリスクマーク)は特に付かない
  • 外部から Content/Scripts 以下のフォルダ構成をいじった場合に即時反映されない(一度閉じる必要がある)

などなど・・・。
なので、本格的に使用する場合は、エディタは自分が使い慣れているものを使用したほうが良さそう。

UPythonScript アセットに関して

スクリプトの実行は基本的に py ファイルさえあれば実行可能なのだが、
スクリプトはそのまま UE上にアセットとしてインポートすることも可能らしい。

インポートすると Python マークがついたファイルがコンテンツブラウザ上で見えるようになる。

image.png

アセットを開くとこんな感じ。

image.png

UPythonScript のソースを読んでみる。

PythonScript.h

#pragma once

#include "PythonScript.generated.h"

UCLASS(MinimalAPI)
class UPythonScript : public UObject
{
	GENERATED_BODY()

public:

	UPROPERTY(EditAnywhere, Category = "Python")
	FString ScriptPath;

	UPROPERTY(EditAnywhere, Category = "Python")
	FString FunctionToCall;

	UPROPERTY(EditAnywhere, Category = "Python")
	TArray<FString> FunctionArgs;

	UFUNCTION()
	void Run();

	UFUNCTION()
	void RunSandboxed();

	void CallSpecificFunctionWithArgs();
};

どうやら、スクリプトのパスと関数名、引数情報をセットでアセット化しているだけみたい。
(スクリプトの中身が保存されているわけではない)
BP公開されていないようだが、Run 関数を呼ぶことで指定の関数を実行できる様子。

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