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ポイントフリースタイルへの道 〜最大公約数編〜

Last updated at Posted at 2015-07-02

概要

標準入力から改行区切りで2つの数を読み込み、最大公約数を出力するプログラムを題材にして、ポイントフリースタイルの練習を行います。

出典

出典は anarchy golf - Greatest Common Divisor です。
35byte が Haskell における最短コードらしいので、それを目指して頑張ります。

実装

単純な実装からポイントフリースタイルへ頑張って変換していこうと思います。

ナイーブな実装

まずは do 記法を使って単純に記述します。

main = do
  x <- readLn
  y <- readLn
  print $ gcd x y

全く問題無いですね。

通常記法へ変換

do 記法は単なるモナドのシンタックスシュガーであるため、これを通常記法へ変換します。

まずは y の部分を>>=とラムダ式で書き換えてみます。

main = do
  x <- readLn
  readLn >>= (\y -> print $ gcd x y)

x も同様にラムダ式で書き換えてみます。

main = do
  readLn >>= (\x -> readLn >>= (\y -> print $ gcd x y))

これで do が取れそうです。

main = readLn >>= (\x -> readLn >>= (\y -> print $ gcd x y))

無事に通常記法へとたどり着きました。

ラムダ式をポイントフリースタイルへ変換

関数的記述に変換することができたので、ポイントフリースタイルへ変換していきます。
基本的に括弧で括る -> $で括弧を外す -> .で関数合成という手順でポイントフリースタイル化は可能なようです。

\y -> print $ gcd x yをポイントフリースタイル化

まずは一番内側のラムダ式である\y -> print $ gcd x yをポイントフリースタイル化します。
これはすでに括弧が外れて$のみの状態ですので、print . gcd xとすれば良さそうです。

main = readLn >>= (\x -> readLn >>= (print . gcd x))

大丈夫でした。

\x -> readLn >>= (print . gcd x)をポイントフリースタイル化

今度は\x -> readLn >>= (print . gcd x)をポイントフリースタイルへと変換します。
見るからに強敵です。どうしたら良いのか全くわからないので、まずは演算子を括弧で括って通常の関数と見なしてみます。

とりあえず>>=を括りだしてみます。

main = readLn >>= (\x -> (>>=) readLn (print . gcd x))

まだまだどうしていいかわからないので、今度は.を括りだしてみます。
printgcd xの合成をしているので、(.) (print) (gcd x)となる点に注意が必要です。
printgcd xの間に$を置いておけば括弧は使わずに済みそうです。

main = readLn >>= (\x -> (>>=) readLn ((.) print $ gcd x))

さて、次ですが、(>>=)に注目すると、readLn((.) print $ gcd x))の2引数を取る関数となっています。この間に$を置けば括弧が外せそうなので試してみます。

main = readLn >>= (\x -> (>>=) readLn $ (.) print $ gcd x)

なんと外せました。$にできたので、今度は.を使った関数合成にしてみます。

main = readLn >>= (\x -> (>>=) readLn . (.) print $ gcd x)

動きました。すでに難読すぎてヤバイですね。. (.)とか何だコレ……。

さて、次ですが、今回の変換でgcd xをしてから、(>>=) readLn . (.) print関数に渡すという意味になっているので、$を外して.による関数合成が使えそうです。

main = readLn >>= (>>=) readLn . (.) print . gcd

キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!

無事、ポイントフリースタイルへとたどり着きました……!
長かった……本当に長かった……!!

更なる高みへ

括弧で括られている演算子があるので、括弧を外して中置記法へ戻してみます。

正直何がなんだかわかりませんが、最初に結合するであろう右の方から見ていくと、(.) print . gcdで括弧付きの演算子が使われています。
(.)は2引数を取る関数とみなせるので、おそらくその右側には2つの引数が存在していると思います。
無理やり考えてみると、(.) (print .) gcdとなるということでしょうか。やってみます。

main = readLn >>= (>>=) readLn . (.) (print .) gcd

うわ、動いた。動いたので中置記法へ変換しておきます。

main = readLn >>= (>>=) readLn . (print .) . gcd

とりあえず1つ演算子の括弧を取り除くことが出来ました。

次は(>>=)を取り除きたいと思います。
(>>=) readLnの部分ですが、これは単純に2引数関数に部分適用した状態になんとなく見えるので、(readLn >>=)と書き換えてみます。

main = readLn >>= (readLn >>=) . (print .) . gcd

動いた……!

ゴルファーを目指して

ポイントフリースタイルとしては割りと完成形な気がしますが、35byte には到底及びません。
最初の目標に 35byte と書いた手前、ここでやめるわけには行かないので、短くする方法を考えてみます。

ぼんやり眺めてみると、readLn >>=というのが被っていますね。
よし、括りだしましょう!!

括りだしたいのですが、よく見るとこの関数、readLnという関数と(readLn >>=) . (print .) . gcdという関数が>>=の引数となっている状態なので、このまま置き換えることはできなさそうです。
$や括弧で区切りを入れて、括り出せそうな形に変形してみます。

main = (readLn >>=) $ (readLn >>=) . (print .) . gcd

動きました。

良い感じに(readLn >>=)という共通関数ができたので、それを定義して置き換えてみます。

r = (readLn >>=)
main = r $ r . (print .) . gcd

動きましたー!!あとは余分な空白を全て除去すれば……!

r=(readLn>>=)
main=r$r.(print.).gcd

35byte キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!

まとめ

全ての基本は「括弧で括る -> $で括弧を外す -> .で関数合成」であると信じている。
ポイントフリースタイルへの道のりは険しく遠い。

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