概要
Qiitaで**「M1 Mac AndroidStudio」と検索したところ、意外にもM1 Macでのビルド速度比較結果に関する記事がなかったので、実際にM1 Mac Book AirでGradleをAppleSilicon対応**させた手順の忘備録も兼ねて、ビルド時間を比較しました。
当然プロジェクトの内容によって実際のビルド時間は差が出ると思いますが、一つの参考になれば幸いです。
使用した各種バージョン
Android Studio - Android Studio Arctic Fox 2020.3.1 Canary 4
https://developer.android.com/studio/archive よりDL
これ自体はIntel版。Gradle7を使うためにInteliJのAndroidパッケージが4.3以上必要なので利用
Open JDK zulu - 15.0.2+7 macOS向けdmg
OpenJDKのArm64版
https://www.azul.com/downloads/zulu-community/?package=jdk よりDL
インストール後に、Project Structureより指定
Gradle - 7.0-milestone-1
7.0からAppleSilicon対応しているようなので利用
参考(Gradle公式Twitter): https://twitter.com/gradle/status/1339958143963582465
distributionUrl=https://services.gradle.org/distributions/gradle-7.0-milestone-1-all.zip
Android Gradle Plugin - 7.0-alpha05
Gradle7を扱うために必要
ProjectStructureのプルダウンより指定
Kotolin Gradle Plugin - 1.4.21
Gradleもろもろのバージョン上げたら警告が出たので一緒に最新化
プロジェクト直下のbuild.gradleで指定
classpath "org.jetbrains.kotlin:kotlin-gradle-plugin:1.4.21"
これを上げたら、Kotlinの型判定が特に厳密になったようでちょいちょいビルドエラー出ました。
検証条件
同じメモリ16GBのMac Book Pro15インチで比較しました。
- Intel Mac Book Pro 15 (2017)
- Core i7 2.8GHz Quad Core
- メモリ 16GB 2133Mhz
- 購入時、26万円程度だったはず
- M1 Mac Book Air (2020)
- CPU Apple M1
- メモリ 16GB
- HDD 512GB
- 16万円ほどで購入
プロジェクトはRxKotlin、Firebase、GooglePlayService等のライブラリを含むそこそこ大きいプロジェクトです。
ビルド時間結果
他のアプリケーションを全て閉じた状態でCleanビルド時間を比較
Intel Mac Boook Pro 15 : 3分32秒 (212s)
M1 Mac Book Air : 1分19秒 (79s)
約37%の時間でビルド完了!!
計測した際のビルド中のアクティビティモニタです。
AndroidStudio自体はIntelですが、Gradleビルドを行っているJavaがAppleSiliconで動いています。
あとがき
想像以上にビルド時間が高速化されました。
比較対象のIntel Mac Book Pro15が2017年モデルなので、最新のIntelMacだともう少し差は縮まると思いますが、それにしても乗り換えのメリットが十分あるレベルかなと思います。
懸念点としては、プレビュー版のAndroidStudioがちょくちょく落ちたので、今後の安定化と、AndroidStudio自体のAppleSilicon対応にも期待したいと思います。