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blackとpylintを使った快適なPython開発

Last updated at Posted at 2019-05-31

はじめに

Pythonでチーム開発を快適にする以下のツールをご紹介します。

さらに、上記ツールをPyCharmIntelliJ IDEAで連携する方法をご紹介します。
※ 本記事のキャプチャは執筆環境の都合で IntelliJ IDEA を使っています

本記事では触れませんが、blackpylintの両方に対応しているエディタ/IDEは他にもあります。

  • Emacs
  • Vim
  • Visual Studio Code

できるようになること

ファイルを保存したとき、フォーマッターと静的コード解析が自動でかかるようになります。
2019-05-31_09h53_32.gif

確認した環境

Windows10
:warning: MacやLinuxの場合はパス表記などが異なる可能性があります

ツールやIDEのバージョンは以下の通りです。

バージョン
black 19.3b0
pylint 2.3.1
IntelliJ IDEA 2019.1.3
IntelliJ IDEA の Pythonプラグイン v2019.1.191.7479.19
IntelliJ IDEAFile Watchers プラグイン v.191.6183.20

black

blackとは

Pythonのフォーマッターです。
ソースコードに実行すると、決められたルールに従いフォーマットがかかります。

⚠️ blackは2019-05-30現在β版のため、多少挙動が変わる可能性があります (大きな仕様変更の予定はないとのこと)

メリット

以下のメリットがあると感じています。

  • フォーマットが同じであるため、他人のコードが読みやすくなりレビュー速度が上がる
  • フォーマットを整えるために使うリソースを開発に充てることができる
  • どのエディタを使っても同じフォーマットになる

設定

blackの設定はpyproject.tomlに記載できます。
以下は一例です。

pyproject.toml
[tool.black]
line-length = 100
target-version = ['py36', 'py37']
include = '\.pyi?$'
exclude = '''
/(
    \.eggs
  | \.git
  | \.hg
  | \.mypy_cache
  | \.tox
  | \.venv
  | _build
  | buck-out
  | build
  | dist
)/
'''

設定できる項目

コマンドライン引数で設定できる項目はpyproject.tomlで上書きできます。

コマンドライン引数の一覧はblack --helpで表示させることができます。

$ black --help
Usage: black [OPTIONS] [SRC]...

  The uncompromising code formatter.

Options:
  -l, --line-length INTEGER       How many characters per line to allow.
                                  [default: 88]
  -t, --target-version [py27|py33|py34|py35|py36|py37|py38]
                                  Python versions that should be supported by
                                  Black's output. [default: per-file auto-
                                  detection]
  --py36                          Allow using Python 3.6-only syntax on all
.
(以下略)

pylint

pylintとは

エラーの発見やコード品質を向上させてくれる静的コードチェッカーです。

メリット

以下のメリットがあると感じています。

  • どのエディタを使っても同じ解析ができる
  • 不要な解析は無効化できる (ファイル単位、行単位も可)

設定

設定方法はいくつかあり、http://pylint.pycqa.org/en/latest/user_guide/run.html#command-line-options で紹介されています。

たとえば、プロジェクトで設定ファイルを管理する場合は.pylintcファイルを作成します。
雛形作成用のコマンドを使います。

$ pylint --generate-rcfile > .pylintrc

解析項目の無効化

不要な解析項目は無効にできます。

無効範囲の指定

http://pylint.pycqa.org/en/latest/user_guide/message-control.html に紹介されています。
たとえば、以下のように書くとその行だけimportポジションが間違っている警告を無視できます。

import os

a = "hoge"

import something # pylint: disable=wrong-import-position
無効できる項目の一覧

項目一覧は pylint --list-msgs で確認できます。

$ pylint --list-msgs
:blacklisted-name (C0102): *Black listed name "%s"*
  Used when the name is listed in the black list (unauthorized names).
:invalid-name (C0103): *%s name "%s" doesn't conform to %s*
  Used when the name doesn't conform to naming rules associated to its type
  (constant, variable, class...).
:missing-docstring (C0111): *Missing %s docstring*
  Used when a module, function, class or method has no docstring.Some special
  methods like __init__ doesn't necessary require a docstring.
.
.

全部で1000行くらい表示されます。

blackpylintPyCharmIntelliJ IDEAで使う

blackpylintPyCharmIntelliJ IDEAと連携させる方法をご紹介します。

開発に集中できるよう、ファイル保存時にblackpylintを自動実行できるようにします。

File Watchersプラグインのインストール

ファイル保存時に処理を実行させるためには、公式の提供しているFile Watchersプラグインが必要です。
IntelliJ IDEAにインストールしてください。

blackの設定

Settings > Tools > File Watchers から <Custom> で新規作成します。

image.png

以下の様に設定します。

項目
File type Python
Scope Current File
Program $PyInterpreterDirectory$\black
Arguments $FilePath$

またAdvanced Optionsの以下チェックは外しています。

  • Auto-save edited files to trigger the watcher
  • Trigger the watcher on external changes

IntelliJ IDEAで現在編集中のファイルが保存されたときだけblackを実行したいからです。

全て設定すると以下のようになります。

image.png

Pythonファイルを編集/保存してみましょう。
自動でblackがコードをフォーマットしてくれるはずです :smile:

:book: 【参考】https://black.readthedocs.io/en/stable/editor_integration.html

pylintの設定

blackのときと同様、Settings > Tools > File Watchers から <Custom> で新規作成します。

image.png

以下の様に設定します。

項目
File type Python
Scope Current File
Program $PyInterpreterDirectory$\pylint
Arguments --rcfile $ContentRoot$/.pylintrc $FilePath$

blackと同様、Advanced Optionsの以下チェックは外しています。

  • Auto-save edited files to trigger the watcher
  • Trigger the watcher on external changes

全て設定すると以下のようになります。

image.png

Pythonファイルを編集/保存してみましょう。
自動でpylintが実行され、問題がある場合だけ画面下部にViewが表示されると思います :smile:

:book: 【参考】http://pylint.pycqa.org/en/latest/user_guide/ide-integration.html#pylint-in-pycharm

終わりに

blackpylintを使うことで、エディタやIDEによらずフォーマットやコードチェックできる方法をご紹介しました。

保存時に自動実行するため、実行を忘れる心配もありません。
チームでPython開発を行う場合は、ぜひ試してみていただければと思います :smile:

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