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JavaScriptの親切過ぎる型変換

Last updated at Posted at 2022-04-14

概要

jsの比較演算子に関する仕様です。
間違って配列と数値を比較してしまいましたが、処理が通ったので驚きました。

// 比較A
1 == [1] // true
// 比較B
1 === [1] // false
// 比較C
'1' === [1] // false

種明かし

比較する値がオブジェクトの場合、手順を追ってプリミティブ型に変換した上で比較される。

解説

stack overflowでも解説をみつけましたが、概要にのせた中の比較Aを例に解説します。
解説中にプリミティブ型とオブジェクト型が出てくるので、分からない方は以下を参考に

プリミティブ型とオブジェクト型
https://qiita.com/makotoo2/items/9566cebf205ef8b42505

// 比較A
1 == [1]

1. まず、右辺がオブジェクトなので、プリミティブ型に変換。
Arrayの場合、toStringメソッドによってstringに変換。

1 == '1'

2. それでもまだ左右で型が違うので、文字列をNumberオブジェクトに変換。

1 == Number('1')

3. 右辺がオブジェクトなので、再度プリミティブ型に変換。
Numberの場合、valueOfメソッドによってintに変換

1 == 1

4. 両辺の型が揃ったので、比較し結果を返す

true

比較Bのように、比較演算子が=== の場合、1の操作までで終わり、型を揃える操作は行われずfalseとなります。
厳密な手順は少し違いますが、正確なのは上記のstack overflowでもChristophさんがおっしゃっているように、jsの規格(ECMA-spec)に載っています。

3rd edition
ECMA-spec
(P67の11.9.3 The Abstract Equality Comparison Algorithm)

また、最新版でも同様

11th edition
ECMA-spec
(P129の7.2.19 Abstract Equality Comparison)

感想

さすがjsって感じの親切さですね。もちろん、この仕様に頼るとバグの元になる上に、読む人に理解されづらいので、自身のコードは別の書き方に修正しました。
また、jsの規格も初めて読みましたが結構簡単な英語で書かれているので、読みやすかったです。

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