アメリカのラスベガスで開催されている、AWSの年次カンファレンス「re:Invent 2019」には、グローバルから数多くの企業が出展しています。
企業の出展ブースはEXPOと呼ばれ、多くの来場客で賑わっています。
そんなre:InventのEXPOを回ってきましたので、私が会話した出展企業を振り返り、傾向などを分析したいと思います。
でも、ただ振り返るだけでは面白くないので、これだけ回ってきたんだぞと言わんばかりに、各ブースで配っていたノベルティを紹介していきたいと思います。
そもそもノベルティとは
re:InventやIT系イベントにおけるノベルティとは、平たく言えば、各企業が出しているグッズのことです。
ノベルティには、各企業を象徴するロゴやメッセージが載せられています。
米国のみならず、日本でも多くの企業がイベントで何かしらのノベルティを出しています。
re:Inventでは、多くの企業がステッカー、Tシャツ、ピンバッジのいずれかを出していました。
ただ、少し変わった路線も増えてきており、フィギュア、帽子、靴下、モバイルバッテリー、さらにはバウンドさせると光るボールなどを出している企業もありました。
re:Inventにおけるノベルティ入手方法
基本的には英語で会話でき、ブースの方とユースケースやビジネスの相談等してからでないと、ノベルティは貰えません。
ただ、中にはカンファレンスバッチに個人ごとに付属するバーコードを読み取るだけで、ノベルティがもらえるブースもありました。
基本的に、バーコード読み取りだけで貰えるのは小物が多く、Tシャツがバーコード読み取りだけでもらえるブースはなかったと思います。
出展企業とノベルティ
さて、ここから怒涛のように出展企業を振り返っていきたいと思います。
RedHat
言わずと知れたRHELを作っています。
最近はOpenShiftやAnsibleでも有名です。
Salesforce
Qi充電器をいただきました。
クラウドベースのCRM/顧客管理システムを提供しています。
AWSを利用していることで知られていますが、一部はAzureも利用しておりマルチクラウド戦略を取っています。
Nutanix
展示員の方にXi Clustersと、マネジメントコンソールの説明をいただきました。
Nutanix on AWSも覚えておきたいキーワードでした。
ParkMyCloud
AWSのコストマネジメントツールについて説明をいただきました。
どこにどのくらいのコストが掛かっているのかを1つのMAPのように表示し、対策できます。
一画面で全範囲のコストを確認できるという説明でした。
Zendesk
最新バージョンのZendeskの管理画面を見せていただきました。
CTO.ai
CLIやSlackコマンドを通じて、AWSのリソース管理ができるようです。
Slackとのコラボレーションは他のブースでも良く話を聞きました。
開発とコミュニケーションの一体化は、現在のトレンドのように見えました。
paloalto
ネットワークルータと仮想アプライアンスの説明をいただきました。
アメリカでは、MarketPlaceを中心としたビジネスが確立されている感があります。
IBM
バッグをいただきました。
なんとAWSのセキュリティを管理するためのツールをリリースしているとのこと。
ただ目指す方向はマルチクラウドだそうです。
自社でもクラウドサービスを抱えるIBMが、先導してマルチクラウドに取り組み始めています。
AWS China
ask me (AWS様スタッフ) のTシャツをいただきました。
東京リージョンとの接続に関する情報が少ないと言われるお客様が多いそうです、
また、今後はアップデートのスピードを上げていくとのことでした。
ExtraHop
Tシャツをいただきました。
『箱の中身は何だ』ゲームに取り組むと貰えました。
ネットワークの分析・監視ツールをリリースされていました。
Sophos
セキュリティソリューションは、クラウド特化を進めているようです。
databricks
靴下をいただきました。
データ分析環境をAWS上にデプロイしてNotebookで分析・可視化ができます。
TIBCO
Tシャツをいただきました。
イベント駆動型アプリを構築するための、超軽量のGoベースのオープンソースエコシステム「flogo.io」です。
splunk
インシデント管理・監査のためのVictorOpsとSplunkの連携について説明いただきました。
Okta
シングルサインオン、MFAなどの認証を統合的に実現するサービスです。
日本でも名が知れてきており、コンソールは日本語にも対応しています。
日本語のコンソールで説明いただき、本当に感謝でした。
Rapid7
脆弱性管理、ペネトレーションテスト等を提供するサービスです。
日本でも取り扱いがあります。
Capital One
Tシャツをいただきました。
展示員の方のトランプマジックに参加した後、バンキングソリューションとバックエンドの話で盛り上がり、最後に、トランプかTシャツかどちらが良いか、という選択で、Tシャツを貰いました。
SignalFx
こちらもSaaS型の監視・分析サービスです。
Instana
アプリケーションのパフォーマンスモニタリングに関するサービス (APNツール) を提供されています。
Global Knowledge
言わずもがな、技術教育を提供されています。
StackRox
バウンドさせると光るボールをいただきました。
原型をとどめたまま電池を換える方法はなさそうです。
コンテナやKubernetesのセキュリティに特化したサービスです。
AWS
EXPOのサービス別ブースで英語で質問して会話できないと貰えない引換券があり、引換券をSWAG DESKという受付に持っていくと、Tシャツが貰えました。
こちらはManaged BlockchainのTシャツになります。
この他にも、サービス毎に靴下等のノベルティがあったようです。
その他、各種ステッカー類
出展内容から感じた傾向
監視・ログ管理系を中心にSaaS型サービスが豊富
様々な企業が、それぞれ独自のUIで個性を主張し、SaaS型でこれらのサービスを展開される傾向があると感じました。
全て似たように思えるかも知れませんが、例えば同じ分析でも、フィルターしながら各個の項目を詳細に眺めるのと、タイル状のマップで全サービスの状態を俯瞰できるのとでは、やはり違うと思います。
特に監視とログ管理系は各企業でかなり力を入れて豊富に展開されており、この分野で戦うにはかなり強烈な個性が必要だと感じました。
また、利用する側に立てば、製品の特徴を押さえ、自分たちが本当に必要で使いやすいサービスを選んでいくべきだと感じました。
ただ、比較しだすときりがなく、ある程度直感で選ぶことも大事でしょう。
機械学習によるログ分析やセキュリティ分析サービスの登場
ログ分析については、機械学習を取り入れた分析サービスも登場しており、機械学習は特にセキュリティ面で脅威を検出する観点で応用されている製品が多かったです。
ハードウェア中心と思われていた企業はマルチクラウド/ハイブリッドに
例えばIBMやNutanixは、独自のハードだけで攻めるのではなく、クラウドとの連携を打ち出してきていました。
特にIBMは、自社でもIBM Cloudを抱えているのに、AWSに対応したセキュリティサービスを出してきており、その裏側にはやはりマルチクラウドを意識した戦略があると感じました。
Nutanixの場合は、AWSとの接続によるハイブリッドクラウド戦略に重きが置かれていると思いました。
逆に、AWS自身もOutpostsをリリースしており、AWSもオンプレミスを強く意識していると感じます。
この辺りの市場動向はどうなっていくのかと思うと、目が離せないです。
ブース巡りの所感
ノベルティはTシャツなどの衣類が中心に
ブースでTシャツや靴下を配る企業が爆発的に増えていると感じました。
明らかに集客効果があるのだと思います。
また、Tシャツなら、後から身につけてくれればそれだけで宣伝になるなどの考えもあるのだと思います。
多くの企業が効果があると考えているからこそ、ブームになっているのだと思いました。
日本でも、ノベルティに力を入れる企業が増えていきそうな気がします。
ブース巡りは英語力も大事
1年前、AWS re:Invent 2018に参加した際は、英語が全く話せず、ただただブースを回って、置いてあるノベルティを持って帰るだけになり、あまりにふがいなく終わっていました。
もちろん、ブースでの会話ができないので、ステッカーやピンバッチといった小物以外のものは貰えませんでした。
一番の目的である、情報収集も殆どできていなかったです。
これではまずいですし、面白くないし楽しめていないと思い、今年の1月から英会話の勉強を始め、11月末までにそこそこに聞き取れつつ片言ではあるものの喋れるようになりました。
今年のre:Invent 2019では、その腕試しとの思いでEXPOに挑みましたが、英語が少しでも話せるだけで、ブースでの会話が楽しくなり、情報収集やノベルティ集めも昨年に比べてかなり出来たと感じました。
やはり、re:Inventに行く際は、英語が話せて損はないと感じます。
もちろん英語が話せなくても楽しめますが、話せると楽しめる範囲が格段に広がりますので、良いです。
今年のEXPOはかなり楽しめましたが、これで満足せず、もう1年間英語を勉強して、来年は今年以上に楽しもうと思いました!