いきさつ
大学教員です。パソコンの先生をしています。
Chromebookだけで仕事ができるか1ヶ月挑戦をしてみました。概ね、うまくいったので、やったこと・だめだったところなどまとめておきたいと思います。
当然のことながらこの原稿もChromebookで書いています。
(同僚に向けての内部的な報告ですが、何か参考になることもあればと思い、一般公開の形にしておきます)
環境など
マシン
- ASUS C300M(2015年10月20日購入)
- 自宅でのみ使用(光回線、WiFiはIEEE802.11a)
- プリンタ:キヤノンMG7530
チートなところ
- 大学では教員用PCを使用(Win7または8)
- ただし、意識してなるべくウェブサービスを利用
- 仕事時間における職場と自宅の配分は半々ぐらい(研究室とかないので、自宅が研究室代わり)
- 今回は、外出時の持ち出しは行っていない
- サービスインの時から、メールはGmailに完全移行している
- 個人データはすべてDropboxに保存している
- 大学によりOSが違うので、もともとソフトウェアのスクリーンショットは当該大学で作成せざるを得ない状況だった
利点と欠点
実験期間中の主な授業(仕事)内容
- 映像編集と画像編集
- JavaScript入門
- パワーポイント
- 上記に関する授業資料作り(印刷資料とスライド資料)
Chromebookで利用している主なサービス
- Googleドライブ(有料相当。一年間は無料で増量されている)
- Onedrive(有料相当。Office365のアカデミックアカウントなので実際は無料)
- Dropbox(有料)
- Evernote(有料)
- Amazonプライム(有料)
- Hulu(有料)
- Googleミュージック(有料)
- Youtubeの映像編集機能
- WeVideo(有料)
- Monaca
- Cloud9
- Soundtrap
- fc2(有料、って、おい^^;)
- Pixlr Editor
- Janvas
- Line(ChromeApp)
利用方法
- 授業資料(スライド)の作成:1.または2.
- 印刷資料の作成:1.または2.
- 映像編集:8.または9.
- 音楽制作(Garagebandの代替):12.
- 画像編集:15.(授業では未展開)
- JavaScriptの授業:10.
- 印刷:Googleクラウドプリントを利用
タブレットではなくChromebookである理由
- タブレット同様、電源の持ちはすばらしい
- 無制限のマルチウィンドウが可能
- Flashに対応(映像系・画像系ではまだまだFlashが基盤のサービスは多い)
- 日本語入力もGoogle日本語入力なので、変換でイライラすることはない
- (年がバレるかもしれないが)マウスを使えるのはやっぱり嬉しい
- 安いは正義
Chromebookではできなかったこと
以下のことはChromebookではできなかったので、日常的に利用していたMacbookAir(2011)を起動しました。「そりゃそうだろ!」という項目も含まれますが、記録としてすべて記載しておきます。
- OSXで暗号化されたディスクイメージに保存されたデータの検索
- SoundtrapでUSB接続のMIDIキーボードが使用不能(ピアノロールでの編集や予め取り込んだMP3ファイルのエフェクト操作とかはOK)
- カラースキームを保ったまま、コードを書き出す方法がなかった。JavaScript関連で印刷資料を作る目的。しかたないので、macvimを経由してワードに取り込む(この時は取り込みもMBAで行った)
- ChromeAppでもvimっぽいエディタ系やSSHクライアントはあるのだけれど、日本語が通らない
- ワードオンラインで、表の枠線と塗りつぶしを個別に設定できない。任意の色が選択できない。パワポオンラインも同様
- ワードオンラインで図形挿入ができない
- wevideoの問題点として「10フレーム以下のクリップが作れない」「クロマキー処理は有料」「Chromebookでは日本語メニューが文字化けする(メニューを英語にするしかない。テロップへの日本語入力そのものは問題なし)
今後の展開・その他
未展開・今後の検討事項
- イラレの代替として16.
- WordPressの設置場所として11.
- PDFの編集をするにはどれがいいか?(OSXのプレビューの代替としてどのサービスがいいか?例えば注釈をつけたり、ページを増やしたり)
大学で授業展開するときの問題点(一部予測含む)
- ネット接続が不可欠
- 接続速度もある程度ほしい
- 有料プランに加入しないと使い物にならないものもある
->(ソフトに支出するのではなく、サービスに支出させる文化が受け入れられるか?) - 英語メニューしかないサービスも少なくない
- 電源の持ちがよいので、普通教室でも展開が可能(?)
コツ
- ちょこちょこしたメモ書きなどは、サービスを固定せず、たまたま開いているサービスに書き込み、後日Evernoteにまとめる
- メモ書きのためだけに、何かをわざわざ開くのは面倒なので
ひとこと
Monacaに出会ってなければ、そもそもこの実験も思いつかなかったと思います。ただいま、それくらいMonacaラブです。
特定のソフト(具体的にはPremiereElmtとかPowerPoint)の使い方そのものを教えなければならない部分もあり、そこは代替不能でした。
PPTを教えているから、ということもありますが、「(印刷するのでなければ)画像の編集はPPTでいいんじゃない?」「アニメーションソフトがなければパワーポイントを使えばいいじゃない」「イラレは高いから、レイアウトはPPTで充分じゃね?」的に、パワポ狂信者になりつつあります。以前よりもいろんなことに妥協的になってます。
あと、iPhoneなければ、絶対に無理だったと思います。改めて自分の生活パターンを見てみると、以前であればパソコンを起動していた場面でも、相当程度iPhoneで済ませていることが多いことに気付かされました。