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AIで自動生成されたNIKKEI決算サマリー記事にフリーライドしたら著作権侵害になるか

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AIと知的財産について色々調べていて、日経が少しおかしなことを言ってないか?と思ったのでちょっと考えてみます。NIKKEIが、日本経済新聞のサイト上でAIが自動生成した決算サマリーを記載していることはご存知だと思います。こちらの決算サマリー自動生成AI紹介サイトでのNIKKEI自身の説明によると、

元データである企業の開示資料から文章を作成し、配信するまでは完全に自動化し、人によるチェックや修正などは一切行いません。

つまり人は一切関与していないと明言しています。

一方、同サイトの中では、以下のように権利はNIKKEIに帰属すると明言しています。

Q6 : 自動作成したコンテンツに関する権利はどこに帰属していますか

A6 : 日経に帰属しております。二次利用のルールなどはこちらをご覧ください。

これはとても奇妙に見えます。というのも、本記事を書いている2018年6月15日現在、僕は、この「決算サマリーのAIによる自動生成」で創作された記事は著作権を認められないと思うからです。AIの創作物に関しては議論が進められているところですが、現行の法制度ではこの事例は以下のようになると思われます。

1)人間の記者が書いた場合:著作権が認められる
2)AIをワープロ的なツールとして利用し記者が書いた場合:著作権が認められる
3)AIに元ネタのURLを与えて自動作成させた場合:著作権が認められない

人工知能が作った創作物、現行の法律ではどうなる? という記事に分かりやすい説明がありますが、法制度上は今のところ上記のようにならざるを得ないと言われています。

もし僕が、AIが自動作成したNIKKEI決算サマリーをスクレイピングして、AIで翻訳し多国語で決算サマリーを配信するフリーライドのWebサービスを立ち上げたら、NIKKEIから著作権侵害で訴えられるでしょうか?少なくともAIが自動作成したサマリーのテキスト部分について著作権侵害で訴えられることはなさそうに思います。

知的財産権について少し整理してみます。以下の5つが代表的な知的財産権になりますが、僕にはフリーライドしてもどの権利も侵害していないように思えます。

1)著作権:人が寄与しないAI創作物は著作ではないのでセーフ。NIKKEI自身がAIによる自動生成と認めている。
2)特許権:NIKKEIのWebサイトに掲載された時点で公知なのでセーフ。
3)実用新案権:製品の形状、構造、組み合わせに関わる考案ではないのでセーフ。
4)意匠権:美感の面から創作を保護されるものではないのでセーフ。
5)商標権:テキストに商標が含まれていなければセーフ。含まれていたらNIKKEIもアウト。

果たしてNIKKEIは、AIによる自動生成の創作物に対して何の権利を有しているといっているのでしょうか?

例えば、スクレイピングでテキストデータを毎秒1回収集すると、DDoSアタック並みの威力業務妨害と判断されるかもしれませんが、1時間に1度程度なら妨害にはならないと思われます。でもそれは権利がNIKKEIに帰属するというポイントとは無関係です。

はっ、まさかNIKKEIのAIモデルはFinancial Timesと同じく英国にあって、コンピューター創作物にも著作権を認める英国著作権法が適用されるとかいうちゃぶ台返しか!

今度、この辺りに詳しい法曹界の方にお会いする機会があったら是非一度お伺いしてみたいテーマです。

というところまで書いて、少し記事を寝かせていたらAI記者が記事を書く時代(下)AIが書いた記事は誰のものなのか?という記事を見つけてしまい疑問解決というオチでした😅 しかし、ここでNIKKEIが言っている無断で流用されない権利というのは何だろう?著作物でないとNIKKEI自身が認めているにもかかわらず、無断で流用されない権利を有していると言える背景がわからない。NIKKEIの著作物でない以上、流用することをNIKKEIに申し入れるのもおかしいと思います。

しかし、少なくともNIKKEIは「記事には侵害される著作権があるとは思っていないが無断流用は許さん」と言いたいわけですね。何だか、インターネット黎明期にあった無断リンクお断りみたいになってきました。そのうち #インターネット老人会 みたいなハッシュタグの代わりに、第3次AIブーム黎明期のことを懐かしむ何かタグっぽいものが生まれて「そういえば昔NIKKEIが、AIで作成した記事に権利主張してだな」とか語り継がれるのでしょうかね。

narista
製造業の海外事業部門を辞め、2019年9月からインドのソフト開発会社に転職し東京で働くビジネスアナリスト。C#、Javaでアジャイルが得意。Xamarinでモバイル、Pythonで機械学習にも手を出してましたが、今の本業はお客様の要求を取りまとめビジネスを前進させるお手伝いをすること。
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