この記事は、Lancers(ランサーズ) Advent Calendar 2022 の12日目の記事です。
はじめに
エンジニアリングマネージャーとして活動している成田(@narinarinari )です。
今までチームリーディングや、プロジェクトリーディングする中で様々な悩みがありました。
今回はその経験と、そこから「アドラー心理学」に出会ってどのように変化していったかを書き綴っていこうと思います。
少々ポエムっぽくなってしまいますが、ご容赦ください。
顔色を伺うパートナー
当時の私はとても未熟でした。
プロジェクトは私とパートナー社員の2人体制です。
スケジュール、設計は私の方で担当し2人で開発を進めていました。
彼は大きく開発を進めるのは得意でしたが、細かな部分で取り込み漏れが生じていました。
そのことについて逐一指摘し、怒りながらペアプロをすることもありました。
「これじゃダメですよ!こういう風にしないと!」
自分をコントロールするのも難しいはずなのに、彼をコントロールしようと必死になっていたのです。
その結果どうなったかといえば、私が指示したことのみ作業をし、自らの提案をしてくれなくなっていました。
当然の結果です。
コントロールしようと思えば思うほど、相手の心は離れていきやすくなります。
さらに、こういったことの延長線上には、ミスを隠すような文化が形成されるはずです。
課題を押し付けない
「馬を水辺に連れて行くことは出来るが、水を飲ませることは出来ない」 ということわざがあります。
自分が課題と思っていても、相手にとっては課題と思っていないかもしれない、押し付けてはいけないと学びました。
相手の課題に土足で踏み込むのはトラブルの元です。
私は課題の指摘を辞め、リファクタリングしながらUTを書くことに徹しました。
大きく開発を進めるのが得意な彼と、リファクタリングが好きな私のペアがガッチリと歯車が合った瞬間でもありました。
大きな機能開発でしたが、特に問題も起きずにリリースができ、
「二人で大したトラブルも無く、この機能提供できたってマジ最高っすね〜!」と称え合うのでした。
ここでの学びは、
メンバーの不得意を、自分含め他のメンバーの得意で協力・支援すること です。
チームマネジメントにおいてとても重要なことの一つで、役割設定の判断にも使います。
「褒められた数」の劣等感
開発部に3人の新卒がやってきました。
育った環境も違えば、学んだ領域も違います。
研修を終えた彼らは、別々のチームに配属され、心躍る気持ちと不安な気持ち両方を抱えてスタートしました。
配属してすぐ彼らは全力投球な日々が続きましたが、順調に成長が垣間見れていました。
数ヶ月後、少しずつ異変が起きます。
毎週1on1を通じて新卒全員と対話を続けていました。
その中の一人がこう言います。
「みんなはたくさん褒められているが、僕はあまり褒められていないように感じる」
「レビュー指摘もたくさんあるし、向いていないのかもしれない」
中堅メンバーとも話し合いをしましたが、彼らはとても優秀で爆発的な成長を遂げています。
しかし、彼らにとっての比較対象は今いる同期のため、そこまで思っていませんでした。
認知の違いによる負のループで、彼はこの後もしばらく苦しむこととなってしまいました。
新卒という立場はバックボーンがそれぞれ違うが、同じスタートラインに立っている。
褒められた数の差が彼らにとっての優劣、競争が生じていると気づきました。
感謝を伝える
アドラーは 「褒めることは能力がある人がない人に下す評価である」 と解きます。
人によって基準が異なることもあり、アドラーが言う競争が起きたと自己解釈しました。
今までの経験も踏まえ、「褒める」を辞めて「感謝を伝える」ことにシフトしました。
感謝を伝えつつ、これが成功体験の1つだと思っていただけるように意識しています。
同じメンバーとして互いに尊敬し合うことがとても大切です。
成功体験の積み上がりによって、発言・貢献領域がどんどん大きくなっていく と思っています。
つまりはリーダー育成にもつながる ということです。
メンバーの成長が自分の成長
ここまで色々語りましたが、メンバーとの対話が非常に重要です。
毎週1on1を設置し、メンバーの興味に関心を抱き、強み・尊敬できるポイントを把握しておく必要があります。
これをチームビルディング・戦略に活かすことで、彼らの自立を支援することにも繋がります。
最後になりますが、メンバーの成長はチームを成長させます。
チームをいかに成長させられたかが、マネジメントをしている自分にとっての成長と考えています。
そして、これら全てが会社や社会への貢献に繋がっていくと信じています。
思想的な話が多かったですが、私の経験を踏まえて参考にしていただければ幸いです。
参考にした著書
この本に出会えたことで私の人生は一気に変わったと言えます。
マネジメントしている、興味がある人もぜひ読んでみてください。