この記事はKLab Engineer Advent Calendar 2018の11日目の記事になります。
概要
VR/MR/ARに関する開発者会議です。
これまでGDCと呼ばれるゲーム系の開発者会議の一部(VRDC)として行われてましたが独立して開催されることになりました。
【公式サイト】
【Youtubeチャンネル】*執筆時2017までの一部動画が掲載されてました
場所は、アメリカサンフランシスコの
Westin St. Francis Hotel in Union Squareで開かれました。
社内でVRに興味ある人います?と声がかかり、手を上げた所、そのまま行く流れになりました。自分は、英語は中学レベルなのですがそれでも行けるチャンスがもらえてとても嬉しかったです。ちなみにGDCの方は一度も参加経験はないです。
開催期間は2日間で10/30-10/31に開かれました。
開催前日に入国して開催翌日に帰国しましたが時差の都合で5日かかりました。
自分が聴講したのはゲーム関係のVR系のものになります。
会場では、ゲームに限らず医療/教育/スポーツなど様々な業界の物がありました。
1日目
Designing Content for VR Arcades: Lessons Learned
VRアーケードをやる上でのお話をしていました。
どういったユーザーをターゲットにしているのかなど実際にアーケードで出したサービスを上げながらデータを挙げて話す内容でした。
'BRASS TACTICS': REINVENTING THE RTS FOR VR
製品情報(OculusRiftのみ)
VRで遊べるRTSゲームで遊びやすくするためのUI設計や操作性について解説していました。
まとめると以下の話をしていました。
- 初期のプロトでは球体を回したりフィールドの動かしやすさを模索していた
- 2つ目のプロトでターンテーブルを回す形に着地して調整を進める
- しかしユーザーテストで中心に手をのばすのが大変などの課題が見つかる
- 3つ目で調整を重ねてフィールドを動き回れる操作に修正
- 最終的にユニットの選択やアップグレード部分なども同じ流れでアイデアを調整して完成
'Sprint Vector': Evolving VR for the Esports Scene
製品情報
RawDataを作っていた会社の新作で両腕を振ると走る動作ができ特殊能力を持ったキャラクターで走ってきそうゲームになります。
酔わないようにするために行った工夫やコースデザインについて解説していました。
まとめると以下のような話をしていました。
- RawDataを製作中に移動の問題をどうにかできないかの課題があり、ユーザーテストを重ねて腕を腰で振る今の形のモーションに持っていくことができた。
- ジャンプなどのプレイヤー操作も腕の動きを重要視して操作する形にした
- コースデザインでは基本的に各コース3つのルートが有り、難易度が高いほどコース短縮が可能で落下した場合でも遠回りにコースに戻れる設計にしている
- ショートカットユーザーはアイテムが少なく、遠回りしたユーザーはアイテムを活用してバランスを取っている
遊んだことあるのですがジャンプしなければ、腕を左右にふる動作があるだけでVR酔いは、かなり軽減されています。スケートの表面を滑るような感触に近いです。操作性としては腕を左右にバランスよく降るため、かなり疲れる物となっています。スポーツ性の高いゲームとなっていて遊んでいて楽しいので興味ある方はプレイしてみるといいかもです。
懇親会
各企業でハードウェア体験ができつつ開発者で交流が取れる感じのパーティが開かれていました。
お酒の提供もありましたが写真のようにカクテルもXRDC仕様になっておりました。
ノベルティの配布があり、タンブラーと帽子とシールを貰いました。
2日目
The Story of 'Beat Saber'
製品情報
ゲームが制作されるまでの過程や小話などを行う内容でした。
サウンドやデザインのコンセプトやリリース後の反響などを中心に話しておりました。
まとめると以下の事を話していました。
- ビートセイバーの原型は、ChameleonRunというゲームの制作後にできていた
- ゲームの外見デザインは、映画「トロン」のようなネオンのデザインをもとにしている
- リリース後の売上として通常のVRはしばらくすると売上が下がるがBeatSaberの売上は、横ばいだった
- BeatSaber専用のアーケードが作られた
- 168の店舗/20カ国以上の場所でゲームのトーナメント行われた
日本でも遊んでる人が多そうなゲームですが自分が遊んだ感想ですとVRと音楽ゲームの操作性がうまくマッチしていて楽しい物となっています。
Powering a Cognitive Assistant for the Blind Using AR
盲目の方のサポートとしてMRデバイス(HoloLens)を使ったという学生による講演です。
空間認識を行い、音声で案内ガイダンスを出すという形でした。
実際に被験者の方に協力してもらい動画で成果を発表する感じになっておりました。
Lighting a Legend: Art Pipelines in 'Hold The World' with Sir David Attenborough
製品情報(OculusRiftのみ)
ロンドン自然博物館が体験できるVRツアーの制作事例になります。
イギリスの動物学者デイビッド・アッテンボローさんとVRで博物館のツアーをするといったものになります。
マイクロソフトと共同で行い、動物学者の方のモーションキャプチャー・博物館の展示品を3Dスキャンするなど物量と規模が感じられる内容でした。
Design Beyond the Screen: Mixed Reality at Osmo
Osmoと呼ばれる子供向けの教育コンテツについてのお話です。
iPadなどのタブレットデバイスと連携させて行えるデバイスになっており、遊ぶコンテンツに合わせて使う道具が変わる形になるようです。
UIで工夫した点や子供が混乱しないようにするには、どうするべきなのかの事例などを紹介していました。
総評
技術的な解説というよりは、それぞれのサービスでユーザーに向けてどういった取り込みをしているのかといった内容が多くみられました。
Oculus専用でリリースしているタイトルが2つありましたが逆にHTCViveの方で専用のリリースしているタイトルで講演等がなかったのは、不思議に感じました。
日本だと広まっていない方面での話やVRの制作過程などを聞くことができ参加できてとても良かったです。
会場の様子としては、朝に行くと廊下に朝食がずらっと並んでいたのが印象的でした。
只、ホテルでも食事サービスがあり、お腹いっぱい状態だったので食べられませんでしたが
食事をしながら見ても良いという形になっていたのは面白いなと思いました。
また、会場はホテルで行いましたが、ちょうどホテルのストライキがあり、すべての入り口がプラカードを持つ人々で巡回していたのは驚きました。
ちゃんと許可を得てやっているので危険なものでもないのですが日本と異なる文化に触れられた気がします。
GDC VaultにXRDCのセッション動画は上がっており、会員になっていれば一部セッション見れるようなので会員の方は確認してみると良いと思います。