IT資産管理サービス[JOSYS]と[Money Forward Admina]におけるIT管理者へのメリット(初稿記載2025年4月30日)
はじめに
JOSYSとマネーフォワード Adminaは、企業内のIT資産管理、とりわけクラウド時代に増加するSaaS(クラウドサービス)とデバイスの管理を効率化するプラットフォームです。どちらも情報システム部門 などIT管理者を主な対象として開発されており、社内のSaaS利用状況を可視化してセキュリティリスク低減やコスト削減を実現することを目的としています。以下では、機能・対象ユーザー・セキュリティ・導入のしやすさの観点で両サービスの共通点を整理し、それによって得られるIT管理者視点での共通メリットを説明します。
この調査について その1
初稿の記載は2025年4月30日です。本記事に記載のある各サービスはこの時点での調査を情報となります。今後の機能追加に対する本記事上での補足と追記は最小限として、追加機能などに関するフォローは別の記事にて対応する予定です。この理由は、IT資産管理という枠組みについてはまだまだ世間での認識として決まった機能リストや利用者メリットが無いからです。補足として本記事末に「IT資産管理」についてのAI調査を簡単にまとめます。
この記事について その2
この記事を書くきっかけはこのようなサービスとNetSuiteの連携方法について問い合わせをいただいたからです。ERPであるNetSuiteは「監視される側」「データ取得される側」と言えますのでIT資産管理サービスの利用検討をされている方にはNetSuiteからのおススメをリコメンドしづらいですが、監視対象になることに異論はありません。
機能の共通点
両サービスはSaaSとデバイスを中心としたIT資産の一元管理を実現する豊富な機能を備えています。代表的な共通機能は以下の通りです。
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SaaSの一元管理・可視化: 社内で利用中のすべてのSaaSアプリケーションを一覧で可視化し、一元管理します。JOSYS・Adminaともに数百種類規模のSaaSとネイティブ連携可能で(JOSYSは350以上 (ガバナンスを強化する、SaaS ID管理プラットフォーム)、Adminaは300以上 (情シス向け業務OS『マネーフォワード Admina』、連携可能なSaaS数が300件を突破))、各サービスの利用状況や契約情報を集約できます。誰がどのSaaSを利用し、各SaaSに誰のアカウントが存在するかを管理画面上で一目で把握することが可能です。
これによりシャドーIT(非承認のクラウド利用)の検知も可能で、両サービスとも未登録のSaaS利用を自動発見してリスクを洗い出します。 -
アカウント発行・停止の自動化(入退社対応): 従業員の入社時のアカウント発行や退社時のアカウント削除を効率化・自動化する機能を両サービスが備えます。JOSYSは従業員の入社から退社までの一連のIDライフサイクル管理をサポートし、各種SaaSのアカウント発行・権限変更・削除をJOSYS上から直接実行できます (お問い合わせ | Josys - ITデバイス & SaaS 統合管理クラウド)。Adminaも同様に、連携SaaSのアカウントを管理画面から追加・削除でき、各SaaSの管理画面に逐一ログインせずに一括管理することが可能です (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた)。特にAdminaでは人事・従業員データ(従業員マスタ)と連携することで退職者IDを自動検知し、該当アカウントの削除漏れ防止アラートを出す仕組みも提供しています (『マネーフォワード Admina』、効率的なSaaS購買を実現するベンダー管理サービス「Admina Vendor」プランを提供開始) (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた)。これにより入退社時のID発行・抹消作業を一気通貫で対応でき、手間と漏れを大幅に減らします。
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ライセンス管理・コスト最適化: 両サービスは各SaaSのライセンス数や契約状況を管理し、未利用ライセンスの把握や適正なプランへの変更を支援します。例えばJOSYSは未使用ライセンスや重複アカウントを特定して無駄なコストを削減し、利用状況に応じたライセンス最適化でコスト効率を向上させることができます。Adminaも契約管理機能を備え、SaaS契約情報を登録して更新日を一覧・リマインドすることで契約タイミングの管理や、支出データを取り込んで各SaaSのコストを可視化するコストマネジメント機能があります (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)。これらにより、利用状況に対するライセンス数の適正化や無駄なサブスクリプションの解約などITコストの最適化を両サービスで実現できます。
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デバイス管理: 社用PCやモバイル端末などデバイス資産の管理も両サービスの共通機能です。どの従業員がどのデバイスを利用しているかを紐付けて可視化し、在庫状況や利用履歴を管理します (SaaS時代のIT資産管理方法とは?~ジョーシスの概要と機能について解説~ | コラム | クラウドソリューション|サービス|法人のお客さま|NTT東日本) (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)。例えばJOSYSではデバイスの貸与・返却時期の管理や過去の利用者記録が可能で (SaaS時代のIT資産管理方法とは?~ジョーシスの概要と機能について解説~ | コラム | クラウドソリューション|サービス|法人のお客さま|NTT東日本)、Adminaでもデバイスのステータス管理やMDMとの連携による一元管理が可能です (SaaS時代のIT資産管理方法とは?~ジョーシスの概要と機能について解説~ )。これによりソフトウェアだけでなくハードウェア資産も一括で台帳管理でき、従業員の異動・退職時にはデバイス回収とSaaSアカウント削除をあわせて管理できます。
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その他の共通機能: 上記以外にも、両サービスは共通して統合レポート機能による可視化や、管理業務のアウトソース支援サービスを提供しています。JOSYSはSaaS利用状況の診断レポート(SaaSドック)や定期的なアクセス権棚卸し(アクセスレビュー)によってガバナンスを強化する機能があり (SaaS時代のIT資産管理方法とは?~ジョーシスの概要と機能について解説~ | コラム | クラウドソリューション|サービス|法人のお客さま|NTT東日本)、Adminaも蓄積データを活かしたレポートや最近ではChatGPTを用いた問い合わせ機能(Admina AI)などを提供しています。また、JOSYSは**「SaaSライフサイクル」サービスとして専門チームによるアカウント発行・削除の代行やデバイスキッティング代行等のアウトソーシングも展開し (ガバナンスを強化する、SaaS ID管理プラットフォーム)、Adminaも「アウトソース」機能**で社内のアカウント管理業務を委託できるプランを用意しています (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)。これらはオプションではありますが、共通してIT管理者の業務負荷軽減を支援する仕組みと言えます。
対象ユーザーの共通点
両サービスとも主な利用者は企業内でIT資産管理を担う部署や担当者です。具体的には、情報システム部門(情シス)やそれに準ずる管理部門、IT担当者が想定ユーザーとなっています。実際、JOSYSは「情報システム部門におけるITデバイスやSaaS管理などのノンコア業務を効率化するプラットフォーム」として提供されており (ジョーシス、セキュリティ強化とコスト削減の実現に向け140億円のベンチャーローンを調達 新サービス「SaaSドック」「SaaSキュア」を提供開始 | ジョーシス株式会社のプレスリリース)、Adminaも“SaaSやデバイスの一元管理”を通じて情シス業務を支援する「情シス向け業務OS」と位置付けられています (情シス向け業務OS『マネーフォワード Admina』、連携可能なSaaS数が300件を突破 | 株式会社マネーフォワードのプレスリリース)。両ツールとも社内のIT統制や運用に課題を抱える企業全般が対象で、50名規模から数千名規模の企業まで導入事例があります (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)。専任の情シス担当者がいない中小企業では総務や管理部門が利用し、逆に大企業では情報システム部門が全社横断で利用するといった形で、IT管理業務の効率化を求める組織に幅広く対応する点も共通しています。
特に共通するユースケースは、「急増するSaaSの管理に追われている情シス担当者」が、社内のSaaS利用状況を把握しガバナンスを効かせたい場合です (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた)。例えば従業員数が増え退職者のアカウント消し込み漏れが問題になっていたり、各部署ばらばらにSaaSを契約しており全体像が不明なケースで、JOSYSやAdminaが選択されています。つまり社内の乱立したSaaS管理からの脱却 や 情シス業務の可視化・効率化が必要な状況において、両サービスは頼れるソリューションとなっています。
セキュリティ面の共通点
セキュリティ強化は両サービスの重要な目的であり、共通して以下のようなセキュリティ関連機能・特徴を備えています。
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ゼロトラストへの対応: 両サービスは「必要なときに必要な権限だけを与える」「常に認証・確認を行う」というゼロトラストの考え方に沿ったSaaSアクセス管理を実現します。例えばJOSYSではゼロトラスト原則を強制する自動アクセス管理ワークフローを提供しており、手動介入なしにポリシーに従ったアカウント削除・権限変更を実施できます (Josys Introduces Industry's First SaaS Management Scorecard)。Adminaも同様に、退職者や長期間未利用のアカウントを検知して可視化することで不要なアクセス権を洗い出し、不要アカウント削除によるセキュリティ向上を図っています (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた)。これらにより「常に疑い、常に検証する」ゼロトラストモデルに必要な継続的なユーザーアクセス監視と適切化が可能になります。
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認証統合とアクセス制御: 両サービスともシングルサインオン(SSO)や既存のIDプロバイダと連携可能で、社内認証基盤との統合をサポートします。AdminaではGoogle WorkspaceやAzure ADなどの従業員データを従業員マスタとして取り込むことでユーザー情報を同期でき (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた)、それを基準に退職者アカウント検知などを行います (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた)。JOSYSも従業員情報をもとにしたアカウントライフサイクル管理に対応しており、各SaaSでの権限変更・停止を一元ポリシーで適用可能です (お問い合わせ | Josys - ITデバイス & SaaS 統合管理クラウド)。また、操作ログや監査ログの記録機能も両者にあり、誰がいつどのアカウントを発行・削除したかといった履歴を残すことでIT監査やセキュリティインシデント調査に備えることができます(※操作ログ機能は明示的にアナウンスされており、Adminaでは各種変更操作が管理画面上で記録されます (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた))。
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不要アカウント・権限の検知: セキュリティ上問題となる削除漏れアカウントや過剰な権限の可視化も共通の強みです。JOSYS利用企業の声によれば、「アラート機能により削除が必要な退職者アカウントを即座に検知でき、削除漏れを防ぐフローを構築できた」ことが大きな効果だといいます。Adminaも同様に、前述のように退職者や休眠アカウントを一覧・通知することで不要なアカウント残存を防止します (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた) (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた)。また、JOSYSでは各SaaSごとに誰が管理者権限を持っているか一目で確認でき、適切でない権限保有者の洗い出しも可能です。このようにアイデンティティガバナンス(ID管理の統制)の機能を通じて、セキュリティリスク低減と内部統制の強化を図れます。
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シャドーIT・データ漏洩リスクへの対策: 前述したシャドーIT検知はセキュリティ面でも重要です。公認されていないSaaSの利用や、例えば個人契約したクラウドストレージに機密データを置いているようなケースを両サービスは発見できます (SaaS時代のIT資産管理方法とは?~ジョーシスの概要と機能について解説~ | コラム | クラウドソリューション|サービス|法人のお客さま|NTT東日本)。AdminaではGoogle Workspaceの監査ログやブラウザ拡張から社員のクラウド利用を監視し、社内で把握していないSaaSや外部共有されたファイルを検出して管理者に通知する機能があります (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)。JOSYSでも同様にブラウザ拡張や各種ログ連携によってシャドーITを発見し、未承認アプリの利用を抑止することで情報漏えいリスクを低減します (SaaS時代のIT資産管理方法とは?~ジョーシスの概要と機能について解説~ | コラム | クラウドソリューション|サービス|法人のお客さま|NTT東日本)。両者ともクラウド利用の可視化を通じたガバナンス強化に注力しており、これが結果的にゼロトラスト時代のセキュリティを支える仕組みとなっています。
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セキュリティ認証(認証局)取得: 両サービスともクラウドサービスとして信頼性の証明である各種セキュリティ認証を取得済みです。たとえばJOSYSはSOC2 Type2監査および**ISO 27001(ISMS)**認証を取得しており、AdminaもSOC2 Type2監査報告書を取得しています (SaaS時代のIT資産管理方法とは?~ジョーシスの概要と機能について解説~ | コラム | クラウドソリューション|サービス|法人のお客さま|NTT東日本)。サービス自体のセキュリティ対策(通信暗号化・アクセス制御・運用監査など)についても両社とも企業向けサービスとして高水準を維持しています。このような外部認証取得は、IT管理者にとってクラウド管理ツール選定時の安心材料となり、社内承認を得やすい共通点と言えます。
導入のしやすさの共通点
JOSYSとAdminaはいずれもクラウドサービスとしてSaaSでの提供がされているため、特別なサーバー構築やソフトインストールなしに利用を開始できます。具体的な導入・設定面の共通点は次の通りです。
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初期設定の容易さ: 両サービスとも、管理対象とする各種クラウドサービスとの連携設定はシンプルな手順で行えます。一般的にOAuth認証による連携やAPIキーの登録、管理者アカウントの認証情報登録など数種類の方法に対応し、主要なSaaSであれば数分程度で連携が完了します (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた)
このように短時間で次々と社内利用SaaSを接続できるため、初期段階からすぐに効果を得やすくなっています -
豊富な連携アプリ数: 前述の通り、両サービスは連携可能なSaaSアプリのカバレッジが広いです。JOSYSは350以上のアプリに深いAPI連携が可能と謳っており (ガバナンスを強化する、SaaS ID管理プラットフォーム)、Adminaも2025年時点で300件超のSaaS連携に対応しています (情シス向け業務OS『マネーフォワード Admina』、連携可能なSaaS数が300件を突破 | 株式会社マネーフォワードのプレスリリース)。主要な業務クラウド(Google WorkspaceやOffice365、Salesforce、Slackなど)はもちろん、国内のニッチなサービスまで対応を拡大しているため「自社で使っているSaaSの大半は網羅できる」ケースが多いです (マネーフォワード Admina | アスピック|SaaS比較・活用サイト)。対応していないサービスでも、カスタム連携機能(ID/PWでのスクレイピング連携やCSVインポート)により管理対象に含めることも可能です (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた) (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた)。このカバー範囲の広さは両者共通の強みで、導入企業は自社のSaaS利用状況を漏れなく一元化できます。
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UI/UXと操作性: 情シス担当者向けに設計されているだけあって、両サービスとも直感的なユーザーインターフェースを備えています。統合ダッシュボード上で必要な情報がグラフィカルに表示され、操作もWebブラウザから完結します。例えばAdminaでは「同じUI・同じ操作方法で、何のアカウントが契約されているか、休眠状態のアカウントはないか、誰が管理者かまで一目で確認できる」と評価されています (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)。JOSYSでも各ツールごとの利用状況やコストがレポート画面で可視化され、未割当ライセンスや不要アカウントにアラートが付くといった形で、次のアクションが分かりやすく提示されます。複数の管理画面を行き来する必要がなく一つの画面で完結する操作性は、両サービスに共通する導入しやすさのポイントです。
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サポートとドキュメント: 両社とも導入企業へのサポート体制を整えており、初期設定時の問い合わせ対応やオンボーディング支援を受けられます。JOSYSは専任のカスタマーサクセス担当による手厚い支援が特徴で (SaaS時代のIT資産管理方法とは?~ジョーシスの概要と機能について解説~ | コラム | クラウドソリューション|サービス|法人のお客さま|NTT東日本)、Adminaもオンラインヘルプセンター (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)やチャットサポートを提供しています。セットアップ手順やベストプラクティスがドキュメント化されているため、IT管理者はそれらを参照しながら短期間で本番運用に乗せることができます。また、Adminaは50IDまでは無償利用可能なプランを提供しており、小規模チームでも試験導入しやすい配慮があります (導入実績事例|マネーフォワード Admina - PRONIアイミツ SaaS)。このような柔軟な料金・サポートも含め、両サービスは導入ハードルの低さという共通メリットを持っています。
以上のように、JOSYSとAdminaは機能面・対象ユーザー・セキュリティ・導入容易性において多くの共通点があります。次に、これら共通点がIT管理者にもたらす具体的な業務上のメリットを整理します。
IT管理者にとっての共通メリット
両サービスの導入によって期待できるIT管理者視点での業務改善効果は非常に大きいです。共通する主なメリットを具体的に挙げます。
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日常業務の大幅な効率化: アカウント発行・権限付与・退社時回収といった一連の作業を自動化・一元化できるため、手作業に費やしていた時間を大幅に短縮できます。ある企業ではAdmina導入により「退職者処理にかかる時間が1/2に削減」されたケースも報告されています (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)。JOSYS利用企業でも、削除漏れ防止や一括操作により「これまで一人では難しかった全社アカウント対応が可能になった」とされています (メリービズ株式会社 - Josys)。複数のシステムにログインして行っていた作業が一箇所で済むようになるため、年間で数百時間規模の工数削減も現実的です (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)。情シスの限られた人員でも、より多くのユーザーやサービスを管理できるようになる効果は計り知れません。
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ヒューマンエラーの削減: 手動管理では見落としがちな退職者アカウントの消し忘れやライセンス更新漏れといったミスを、ツールが自動で検知・通知してくれるため人的ミスが減少します。例えばAdminaは退職者アカウント検知時にSlack通知することもできるため、担当者が確認し忘れてもアラートで気付けます (SaaSを管理するSaaS、Admina使ってみた)。JOSYSでも未使用ライセンスや未削除IDを洗い出して一覧化するので、「気づいたら元社員のアカウントが何ヶ月も残存していた」といった事態を防げます。結果としてセキュリティ事故のリスクも下がり、監査対応などにおいても証跡が整うため内部統制上の安心感が高まります。
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ITコストの削減・最適化: 両サービスのレポートと最適化機能により、不要なSaaS支出を削減できます。例えばJOSYS導入企業のケースでは、GWS(Google Workspace)のライセンスプラン見直しによって「月50万円、年間600万円のコスト削減」を達成しています。Adminaでも複数企業で数百万円規模のサブスク費用削減事例があり、公式に「全体の10%以上のSaaSコストカット」を目標に掲げるプランも提供されています (『マネーフォワード Admina』、効率的なSaaS購買を実現するベンダー管理サービス「Admina Vendor」プランを提供開始 | 株式会社マネーフォワードのプレスリリース)。IT管理者にとって、部門横断のクラウド費用を見える化して無駄を削ることは難しい課題でしたが、両ツールの導入でそれが容易になり、結果として予算圧縮やROI向上という成果につながります (『マネーフォワード Admina』、効率的なSaaS購買を実現するベンダー管理サービス「Admina Vendor」プランを提供開始 | 株式会社マネーフォワードのプレスリリース)。コスト削減の成果は経営層からの評価も高く、情シスの戦略的貢献度を示す材料にもなります。
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セキュリティ強化とリスク低減: 共通機能により退職者や不正利用に起因するセキュリティリスクが大幅に低減します。アカウントの削除漏れ防止や権限適正化により「退職者が機密データにアクセスし続けていた」「元管理者のアカウントが放置され乗っ取られた」といったリスクを潰せます。また、シャドーITの把握によって、例えば管理外の個人利用クラウドに重要情報が保存されているような状況を発見し是正できます (SaaS時代のIT資産管理方法とは?~ジョーシスの概要と機能について解説~ | コラム | クラウドソリューション|サービス|法人のお客さま|NTT東日本)。Admina導入企業ではCASB(クラウドアクセスセキュリティブローカー)等と組み合わせてより強固な体制を築いた例もあり (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)、JOSYSもゼロトラスト実現の一環としてリアルタイムのアクセス監査を推進しています。つまり、両サービスの活用により**「アカウント管理の徹底=セキュリティ向上」**という効果が得られ、情シス担当者の大きな安心材料となります。
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可視化によるガバナンス向上: IT管理者は両サービスを通じて、自社のSaaS利用状況やIT資産状況をデータに基づき把握・報告できるようになります。誰がどのサービスを使っているか、利用頻度やコスト推移はどうか、管理者権限は適切か、といった情報がワンクリックで取得できるため (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)、経営陣への報告資料作成やIT戦略立案にも役立ちます。特にJOSYSの診断レポート機能やAdminaの契約管理は、定期的な棚卸しと分析を促すことで継続的なITガバナンスのPDCAを回せるよう支援します (SaaS時代のIT資産管理方法とは?~ジョーシスの概要と機能について解説~ | コラム | クラウドソリューション|サービス|法人のお客さま|NTT東日本) (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)。結果として「属人的だった管理から脱却し、透明性が向上した」という効果が得られ、IT管理者は組織全体のIT統制をリードしやすくなります。
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情シス業務の負担軽減と戦略業務へのシフト: 業務効率化と自動化によって rutinaワークが削減されることで、情シス担当者は本来注力すべき戦略的な仕事(IT戦略立案、新規施策の導入検討等)に時間を振り向けやすくなります。実際、あるJOSYS利用企業では「属人化の排除や心理的負担の軽減」が大きな成果だったと述べています。ツール導入前は削除漏れや管理の不備に常に神経を遣っていたものが、導入後はそこが自動化され精神的にも楽になったという声です。このように、両サービスは情シスの働き方改善にも寄与し、結果的に離職防止やチームの安定運用にもつながるでしょう。また、アウトソースサービスを活用すれば定常作業を外部に任せることもでき、人手不足の情シスでも安全に運用を回せるというメリットも共通しています (ガバナンスを強化する、SaaS ID管理プラットフォーム) (クラウド管理でリスク削減。SaaS管理ツール | マネーフォワード Admina)。
以上の共通メリットから分かるように、JOSYSとAdminaは**「SaaS管理の効率化=セキュリティ・コスト・生産性の向上」**という好循環を生み出すツールです。両者の共通機能により、IT管理者は社内のクラウド利用を統制しながら自らの業務負荷も下げることができ、企業全体としてDX時代のITガバナンスを強化できます。
以下は、代表的なIT資産管理(ITAM: IT Asset Management)サービスについて、主要機能ごとに比較したQiita掲載向けの表形式リストです。
比較対象は以下の5サービスです:
- 一般的なITAM(旧来型資産管理ツール)
- AssetView(ハンモック)
- ManageEngine AssetExplorer(Zoho)
- Money Forward Admina
- JOSYS
🧾 ITAM機能比較表(主要機能 × 各サービス)
機能カテゴリ | 一般的なITAM | AssetView(ハンモック) | ManageEngine AssetExplorer | Money Forward Admina | JOSYS |
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IDマネジメント連携によるアクセス権管理 | △ AD連携のみ | △ AD/LDAPベースの制御 | △ AD連携中心 | ✅ Google Workspace / Azure AD連携でSaaS毎の権限管理可 | ✅ 組織・従業員DBとSaaS連携し自動制御 |
アクセス制御 | △ 手動での台帳管理ベース | △ アプリ・デバイスの操作制御あり | △ 権限記録可能(制御は限定) | ✅ SaaSアクセス状況の監視・棚卸し対応 | ✅ 権限制御+アクセスレビュー自動化あり |
ハードウェア資産管理 | ✅ 主機能 | ✅ PC/周辺機器/USB等を詳細に台帳化 | ✅ 資産タグ、棚卸機能あり | ✅ 社用PCやデバイスの管理機能あり(MDM連携含) | ✅ デバイス台帳と利用者・部署の紐づけ管理可 |
退職者ID管理と通知(SaaS横断) | ❌ 非対応 | ❌ SaaS対応なし | ❌ SaaS非対象 | ✅ 従業員マスタと連携し退職検知→未削除アカウント通知 | ✅ 退職者発生時にアラート、棚卸しレポート通知あり |
SaaSライセンス課金状況の管理 | ❌ 非対象 | ❌ アプリ数・導入台数ベース | ❌ ライセンスキー管理が中心 | ✅ 契約情報・費用・更新日などの一元管理に対応 | ✅ 未使用・重複アカウント洗い出しでコスト最適化 |
SaaS利用ログの取得 | ❌ 非対応 | △ 一部アプリ操作ログ収集あり | △ ソフト利用回数記録 | ✅ ブラウザ拡張・監査ログ取得でSaaS利用状況を記録 | ✅ 各SaaSのアクティビティログ可視化、分析可能 |
情報漏洩対策機能 | △ USB制限など物理制御 | ✅ メール誤送信対策・外部記録デバイス制御など充実 | △ ソフトの不正利用検知機能あり | ✅ 社外共有ファイルの可視化、公開リンク管理 | ✅ 管理外SaaS検知、権限過多アカウントの可視化・警告 |
✅ 凡例と解説
- ✅:ネイティブ対応/高度な制御あり
- △:部分対応/AD連携等に限定
- ❌:非対応 or 想定外機能
📌 IT管理者視点で見るポイント
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クラウド・SaaS時代に対応したID・アクセス管理が可能か?
→ AdminaやJOSYSはSaaS前提のガバナンスに強く、AD前提の旧来型とは用途が異なる。 -
セキュリティと統制:退職者IDの削除漏れ・過剰権限を放置しない設計か?
→ 自動アラートと棚卸しレポートを提供するAdmina/JOSYSが抜けている。 -
ライセンス費用の無駄を見つけられるか?(未利用SaaS、重複アカウント)
→ 管理画面で費用や利用実態を可視化できる機能は新世代ITAMの強み。 -
ハードウェアとSaaSを一元で見える化できるか?
→ JOSYS/Adminaは両方を1画面で把握できる「SaaS+デバイス統合ITAM」。
💬 まとめ
クラウド中心の業務環境では、「SaaS特化型ITAM(Admina / JOSYS)」の導入が不可欠。一方、オンプレ資産やローカルアプリの管理が主目的であれば、AssetViewやAssetExplorerが依然として有効です。
Qiita用にこのままマークダウン形式で出力したり、記事形式に編集も可能です。必要に応じてご指示ください。
おわりに
JOSYSとMoney Forward Adminaは、SaaS全盛の現代においてSaaSのみならずデバイスの統合管理、自動化、コスト・セキュリティ対策といった共通機能群により、情シス担当者は煩雑な管理作業から解放され、セキュアかつ最適なIT環境を維持できています。両サービスとも「社内のクラウド利用を見える化し、適切にコントロールする」というコンセプトを共有しており、その実現により得られる効率化・品質向上の恩恵は計り知れません。結果として、企業は無駄なコストやリスクを削減しつつ情シス業務の生産性を高めることができ、IT管理者は経営に貢献する戦略的な役割を果たしやすくなります。