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NetSuiteと銀行入金管理サービスの連携【概要】

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はじめに

NetSuiteはグローバルで利用されるクラウドERPですが、日本の銀行API(オープンAPI)やFB(ファームバンキング)形式に標準対応していないため、入金データの自動取得・処理には課題があります。

この記事では、銀行入金管理サービス(例:V-ONEクラウド、MFクラウド入金管理など)とNetSuiteを連携する目的、利便性、注意点、開発上の論点を整理します。

この記事はこれからERPを導入(新規・入替)をする会社が銀行入金管理を行う場合において以下のことを想定しています。情報としましてはコピー&ペースト的なご利用をされて問題ありません。
・なぜERPとは別で銀行入金管理(SaaS)を別途購入し使う必要があるのかを社内説明する場合
・上記必要性は社内認知されているが資料的な情報整理が必要な場合
・現時点の運用に不満があるための情報整理


1. NetSuiteにおける他社銀行入金管理サービスの必要性

NetSuiteは以下のような理由から、日本の銀行と直接的に入金連携ができません

  • 日本の銀行APIやFBファイル(全銀協形式)には非対応
  • SuiteBankingやBank Feedsは欧米仕様であり、日本の金融インフラとの互換性がない
  • 日本の銀行APIは統一仕様がなく、銀行ごとの認証・形式差が大きい

そのため、銀行APIやFBファイルを扱える入金管理SaaSと連携することが、現実的な選択肢となります。

ただしこの機能的な制約と有無はNetSuiteに限ったことではなくいわゆる外国産ERPでは殆どの場合において、銀行入金管理を他社サービスを使うかアドオンでの対応となっております。逆に言えば「周辺システム」として一般的であるためほとんどの場合においてシステム間連携がされています。
国産ERPでも設計思想が業務管理中心の製品、銀行API・FB対応は周辺システムとの分業を前提にしている製品の場合は、銀行入金管理機能を持ちません。一方で「周辺システム」を自社で持っている場合もあります。
外国産ERPには無い、国産ERPなら有るという見解は一面的であるため「銀行入金管理の有無」をERP選定の判断材料の一つに加える場合には連携の事例と連携のコストや技術的困難さも検討するべきと考えます。


2. 銀行入金管理サービスとの連携によるユーザー側の利便性

連携によって得られる業務メリットは以下の通りです。

利便性 説明
⏱ 消込業務の自動化 振込名義や金額での自動マッチングにより、手作業の照合作業を大幅削減
🎯 消込精度の向上 類似名義の名寄せ、手数料差引処理、一部入金への対応なども自動で可能
📊 経営情報の可視化 入金ステータスがERPに即反映されることで、債権回収状況や資金繰りがリアルタイムに確認可能
🤝 営業・経理の連携強化 入金情報がNetSuiteに連携されることで、営業部門もリアルタイムで顧客の支払状況を確認可能

3. 連携上の注意点(技術・業務視点)

分類 注意点
データの不一致 銀行データの振込名義とNetSuiteの顧客名が一致しないケースが多く、名寄せロジックが必要
金額の差異 銀行手数料の控除や一部入金など、請求額との一致が前提でない場合の処理
消込ルール 同一顧客の複数請求書に対する一括入金、まとめ請求・入金など、業務フローに即した設計が必要
セキュリティ 金融情報を扱うため、アクセス制御・ログ記録・暗号化が必須
二重登録の防止 すでに消込済みの入金と同一のデータを再連携しないための排他設計が必要

4. 連携部分の開発に必要となる検討事項

項目 内容
💻 データ連携方式 REST API、CSV取込、Webhookなどの方式を選定。リアルタイム性とコストのバランスに注意。
🔄 連携方向 基本は「銀行入金管理サービス → NetSuite」だが、突合結果を戻す双方向も可能
🧩 対象データ NetSuite側は CustomerPayment, Invoice, Deposit, JournalEntry などが対象となる
🔎 突合ロジック 顧客コード、振込名義、金額、請求番号などをキーにマッチング。類似判定も検討
🧪 エラー処理 突合失敗時の対応フロー(手動処理、アラート、ログ出力)を設計
🔐 認証と権限 APIキーの管理、アクセス制限、ユーザーロールごとの閲覧・登録制御も忘れずに

5. 検討事項(次回記事)

  1. 🔄 NetSuiteでのCustomerPaymentの自動作成フロー(SuiteScript + CSV/API)
  2. 🏦 主要な銀行入金管理サービス3種(V-ONEクラウド/AccountBank/MFクラウド)とのNetSuite連携パターン比較
  3. 🧾 FBファイル(全銀フォーマット)をCSV変換し、NetSuiteに取り込むバッチ処理の実装例

まとめ

NetSuiteと銀行データを扱える外部SaaSと連携して会計業務にとって来い率的な環境を構築しましょう。本記事が導入検討・開発設計の参考になれば幸いです。


📌 この記事へのコメントやご質問はお気軽にどうぞ!続編記事も予定しています。

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