生成AIの歴史(2022〜2025)
2022年
Stable Diffusionの公開
2020年頃から急速に発展した 拡散モデル(Diffusion Model) をベースにした画像生成手法であるStable Diffusionが登場。
高品質な画像生成が個人でも容易に扱えるようになり、生成AIブームが本格化する。
DALL·E 2の公開
OpenAIが開発した画像生成モデルDALL·Eの第2世代であるDALL·E 2が公開。
テキストから極めて高品質な画像を生成できることで話題を集める。
2023年
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ChatGPT-4の公開
OpenAIによりChatGPT-4がリリースされる。
従来のChatGPT-3.5に比べて、論理的推論能力・創造性・マルチモーダル(画像対応) が大幅に向上した。
Midjourney V5リリース
Midjourneyチームが手がける独自スタイルの画像生成AI「Midjourney」のバージョン5が公開される。
フォトリアリスティックな表現力が大幅に進化し、デザイナー・アーティスト層にも急速に普及する。
GitHub Copilot の本格普及(Microsoft / GitHub)
GitHub Copilot が VSCode/JetBrains などで広く採用され始め、「生成AIによるコード補完」 がエンジニアの日常に入り込む。
特に Copilot Chat の登場により、コード解析・リファクタリング・デバッグ支援 が高度化し、「AIペアプログラマ」が現実的なものとして常用されるようになる。
LangChain の台頭
LLM をアプリケーションに組み込むためのフレームワーク LangChain が急速に普及。
RAG(検索拡張生成)、ツール実行、エージェント構築を一気通貫で扱える設計により、LLMを「使うアプリ」から「使いこなすアプリ」へ と発展する流れを加速させた。
2024年
Gemini 1のリリース(Google DeepMind)
Google DeepMindが、次世代大型マルチモーダルモデルGemini 1を公開。
従来のPaLM 2に代わる基幹モデルとなり、マルチモーダル処理やエージェント指向タスクで高い性能を示す。
Claude 3のリリース(Anthropic)
AnthropicがClaude 3シリーズ(Opus、Sonnet、Haiku)を公開。
セーフティ重視の設計思想を保ちながら、知識量・推論力でGPT-4に迫るレベルに達する。
Model Context Protocol(MCP)の発表(Anthropic)
11月にAnthropic社がAIと外部ツールを連携させるための共通規格である「Model Context Protocol(MCP)」を発表。
Dify(ディファイ)の普及
オープンソースの生成AIアプリプラットフォーム Dify が急速に普及。
ノーコードで RAG・エージェント・AI チャットを構築できる利便性の高さにより企業内の「自前のChatGPT環境」 として採用が拡大。
LangChain と異なり GUI ベースでの開発が可能で、非エンジニア層にも浸透した。
DeepSeek-V3の発表
DeepSeekが 「DeepSeek-V3」 モデルを発表。
開発費用は約560万ドルと、他の主要な大規模AIモデルと比較して非常に低コストでありながら、高性能を示した。
2025年
GPT-5 の公開(OpenAI)
OpenAI が GPT-5 を投入。
特徴は以下の通り:
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長期的推論能力(長時間の思考チェーン) が強化
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エージェントタスクに特化した「長期記憶モデル」
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マルチモーダル最適化(動画解析・リアルタイム処理の高速化)
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モジュール式アーキテクチャでタスクに応じた動的拡張
Gemini 2 のリリース(Google DeepMind)
Google DeepMind が Gemini 2 を発表。
Gemini 1.5 の “長文耐性(context length の極端な長さ)” を継承した上で:
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リアルタイム推論(streaming reasoning) の強化
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マルチエージェントを前提とした API 設計
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Drive / Gmail / Workspace など Google 連携の完全自動化
Google の全 SaaS + LLM =「作業自動化の巨大基盤」が整備される。
Claude 3.5(Anthropic)
Anthropic がアップデート版 Claude 3.5 を発表。
特徴は:
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倫理制約下でも高度な推論が可能
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チームエージェント(複数Claudeによる共同作業)を標準サポート
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複数モデル間での「役割分担」が可能に
DeepSeek-R1 / V4 の登場(DeepSeek)
中国の DeepSeek が 2025 年に “R1” および次期 “V4” を公開。
低コスト・高性能の流れをさらに強化し、世界で最も急速に成長する AI モデルメーカー として地位を固める。
マルチエージェント時代の到来
マルチエージェントとは複数の AI エージェントが 目的達成のために役割分担しながら協力する仕組み。
人間の組織やチームに似た構造で作業を進める。