指数型分布族とはクラメール・ラオの不等式の等号が成り立つ時の微分方程式の解となる関数を確率密度関数とする確率分布のことである。
単一の実数パラメータ$\theta$に基づく指数型分布族の確率密度関数は以下の形で表すことができる。
$$f(x;\theta)=h(x) ~\rm{exp}[\theta~ T(x) -c(\theta)] $$
$T(x)$は十分統計量となっている。
初学者向けの統計学の本では出て来ないことが多いが、以下の様に極めて重要な概念である。
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一般化線形モデル(GLM)の定義に使われる。
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一様最強力不偏検定(Uniformly Most Powerful Unbiased (UMPU) Test)が存在する。
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共役事前分布を持つ。
また、統計多様体 $\cal{S}$はそれ自身が指数型分布族であり、その部分多様体$M$が$\nabla^{(e)}$-自己平行部分多様体であるための必要十分条件は、$M$が指数型分布族であることである。
情報幾何学では、指数型分布族と双対的な役割を果たす混合型分布族という概念も登場する。