中心極限定理は統計学の定理の中で最重要定理と言っても過言ではないほど重要な定理で、いわゆる教養レベルの本でもだいたい以下のような書き方で必ず出てきます。
確率変数X_1, X_2, ..., X_nが互いに独立で、平均\mu, 分散\sigma^2であるような同一の確率分布に従うものとする。
nが十分に大きいとき、平均\overline{X}は近似的に正規分布N(\mu, \sigma^2/n)に従う。
しかし、その証明は教養レベルの統計学の範囲を大きく超えます。
ここでは、証明が気になった場合の参考文献を記載しておきます。
だいたいこれを読んでおけば大丈夫
完全な証明ではないですが、以下の2冊にはかなり詳しい説明があります。また、これらの本では「近似的に従う」ではなく「分布収束する」という言葉を使うようになります。
・竹村 彰通:新装改訂版 現代数理統計学, 学術図書出版社, 2020.
・久保川 達也:現代数理統計学の基礎, 共立講座 数学の魅力, 2017.
後者の本には中心極限定理の一般化についても解説があります。
さらに詳しい説明
証明についてさらに詳しい説明が以下の本にあります。
・駒木文保, 清 智也:確率・統計Ⅲ 東京大学工学教程, 丸善出版, 2020.
余談ですが、この本では中心極限定理(という単語)が索引に載っていません。
完全な証明
完全な証明が載っているのは、例えば以下の本です。
・小谷眞一:測度と確率(岩波講座, 現代数学の基礎5), 岩波書店, 2005.