はじめに
今更ながらTeam Geekを読んでみたら良かったので、個人的に学びが多いと思った箇所をアンチパターンの形でまとめてみました。自分でやってしまった失敗に関係する内容がメインですが、メンバーとして嫌だなと思っていた部分もあります。
いくばくかのリーダー経験を経て(大半は失敗)、チームで結果を出す難しさと大切さを知った時期に、このような良書に出会えたことを感謝しつつ書きました。現在進行形でリーダーとしての働き方に悩まれている方や、これからリーダーになる方の一助となれば、そしてTeamGeekを手に取るきっかけとなれば幸いです。
内容について
冒頭にも書きましたが、以下すべて "アンチ" パターンです。(真似しちゃダメってやつですね)
アンチパターンをやってしまうときのリーダーの頭の中を再現して書いてみました。(構成は自分の経験によって再編成しているのでTeamGeekのそれとは少し異なります。)
リーダー初心者の私が解説を書くのはおこがましいと思って、各パターン何が悪いかは書いていませんが「あらゆる人間関係の衝突は、謙虚・尊敬・信頼の欠如によるものだ」というTeamGeekの基本ルールに立ち返れば、各パターンの悪さは感じて頂けると思います。
マネジメント・アンチパターン13
「**"完璧なリーダー"**という幻想」
1. リーダーなのですべてを正しく行おうとする
- リーダーは全てを把握して全てを正しく判断する責任がある
- チーム合意形成や方向性の決定は全て俺がやらないとダメだ。
2. メンバーの相談には的確な答えを返す
- メンバーが相談してきた
- リーダーとして正しい答え返さなきゃ
- よし、時間取って俺が考えてやろう
3. 自分がいないと部署が回らないと感じる
- 元チームのエースで現リーダーの俺はこのチームの要。
- 自分がいないとこの部署は回らない。ああ忙しい。
「過度な民主主義」
4. チームの進むべき方向はみんなで決める
- リーダーだからといって方向性を指示するのは良くない
- 方向性を勝手に決められるのが嫌な人もいるだろう
- チーム方針はみんなの意見を取り込む
- そして、メンバーの**"総意"**をもって決定する。
5. ミーティングにはみんな呼ぶ
- 関係者は話聞いて貰いたいし取りあえずみんな呼ぼう
- 除け者にしてるって思われるのも嫌だしな
- 関係ない時間帯はチャットで暇潰ししてくれるだろう
- ミーティングの場にみんながいることが大切なんだ
「部"下"は上司のコマという奢り」
6. チームの頭数を揃える
- チームのパフォーマンスが上がらない
- とにかく人が足りない。人を集めよう。
- 頭数いれば分担作業でなんとかなるっしょ!
- 言うこと聞いてくれる人だと助かるな。
7. 仕事は仕事
- リーダーはチームのKPIだけ責任持って伸ばせばいい
- メンバーの個人的な事情などは知らないほうがいい
- 真のプロフェッショナルはそんなこと斟酌しない
- チームの今期の結果が全てを語るんだ
「嫌われる勇気を持てない」
8. チームのみんなと友だちになる
- 今まで一緒に同僚として、友人として働いてきた。
- 俺がリーダーになってもみんな仲良くしてくれよな。
9. 叱るときは褒め言葉でオブラートに包む
- 彼のあれ、明らかにミスだよな。今回で何度目だ…。
- ただ、ストレートに叱ると凹むだろう。可哀想だ。
- 褒め言葉でサンドイッチしてオブラートに包んで伝えよう
10. 怠け者に目をつぶる
- あいつ、またニコ動みてる…。
- 能力の問題じゃなくて、明らかに仕事してないな…。
- ただ、直接的に害はないからほっておこう
「あるべき姿を描けない」
11. 目標設定は現状の延長
- 正直、未来のこととかわからないよね?
- 目標設定なんて成行きでしか出来ないよね?
- 来季目標はいつものKPIの現状+X%で。
「無能で十分説明されることに悪意を見出す」
12. やる気を疑う
- あいつ、ずっとパフォーマンス出てないな。
- 頓珍漢なことばっかりやってるな。
- 仕事のやる気ないんじゃないか?
「社内政治への過度な無関心」
13. 必要なら守りの施策にチームの全勢力を注ぐ
- 技術的負債めっちゃ溜まってるわ…。
- 上層部や他チームにどう思われようと何とかしないと!
- 上半期は**"全"**チームリソースを技術的負債解消に使う!
あらゆる人間関係の衝突は、謙虚・尊敬・信頼の欠如によるものだ
「あらゆる人間関係の衝突は、謙虚・尊敬・信頼の欠如によるものだ。」というフレーズには自らの行いを反省するところが非常に多く、とても痺れました。最後にTeamGeekからその3つの要素の説明を写経させて頂き、本稿を締めたいと思います。
謙虚 (Humility)
- 世界の中心は君ではない。
- 君は全知全能ではないし、絶対に正しいわけでもない。
- 常に自分を改善していこう。
尊敬 (Respect)
- 一緒に働く人のことを心から思いやろう
- 相手を一人の人間として扱い、その能力や功績を高く評価しよう。
信頼 (Trust)
- 自分以外の人は有能であり、正しいことをすると信じよう。
- そうすれば仕事を任せることができる。