はじめに
この記事では寮生活のQOL向上のためLINEBotを作製した際のきっかけやどのように実装したのかを紹介します。
- LINE Developer Communityさん主催のLT大会に登壇しました。
きっかけ
国立高専の中でも群を抜いて山奥の舞鶴高専に住む寮生の娯楽は食事です。
夕方になると学内では今日のご飯はなに?といった話題で持ち切り。
調べればいいじゃんと思われるかもしれませんが、とても確認方法が面倒です。
舞鶴高専のホームページを検索
↓
学校生活のタブをクリック
↓
さらに寮生活のタブをクリック
↓
数あるお知らせの中から今月の献立表をクリック
これで終わりじゃありません
↓
表示されたPDFファイルのリンクをクリック
これでようやく、今月の献立にたどり着けます。
でも、この献立表スマホだととても見にくいんです。
7日×3食分がびっしり!!!
こんなのを毎日見るのはストレスでしかありません。
もっと見やすくしよう!
といった思いで開発をスタートしました。
なぜLINE Botにしたのか
ブラウザで動作するwebアプリでもモバイルアプリでもなくなぜLINEを採用したかにつきましては大きく二つです。
- ユーザーの使用ハードルが低い
- 結構すぐ作れそうだったから
使用ハードルが低い、これに関しては解説するまででもありませんね。
なんせLINEは国内ではやっていない人はいないと言ってもよいレベルで普及してます。
簡単に調べてみたところ作成から公開までも特に複雑なステップを踏むことなく行えそうだったためGasを用いたLINE Bot開発に踏み切りました。基本的なUIはLINE側で用意してくれてますしね。(リッチメニュー等)
動作環境・使用するツールや言語
- Google Apps Script
- Google Drive (献立表保存用)
- Messaging API
- Python 3.11.1 (献立表を分割するために使用)
機能紹介
このLINE Botは大きく三つの機能に分かれています。
- 今日の献立確認
- 明日の献立確認
- 近くのお店紹介
これらの機能を写真と共に説明します。
献立確認機能
基本画面はこのようになっています。

左端の「今日の献立」ボタンを押すとPDFを一日分が短冊状に分割された画像が送られてきます。
真ん中の「明日の献立」ボタンを押すと次の日の文が送信されます。
短冊状に分割する作業はPythonを用いて毎月手動で行いGoogle Driveに保存しています…
この作業も自動化したいですね。
ここでの工夫点としましては曜日に合わせて「欠食届」に関する注意喚起を行ってます。
「欠食届」とは何物だと思っている方が大半だと思うので簡単に説明すると、舞鶴高専では週末ご飯が要らないとき水曜日の17時までに届け出を出す必要があります。
大体水曜日の夕方にどこからともなく
「うわ!欠食届出し忘れた」
と聞こえてきます。
これらの出し忘れを防ぐために火曜と水曜にこのBotを使うと欠食届に関するメッセージが送信されるようになっています。
飲食店紹介機能
右端の「今日は外食の気分」というボタンを押すと近くのお店がリッチテキストで表示されます。
住所と予算が表示されていて知らない店でも問題なく訪れることができます。
まだ舞鶴を知らない一年生に好評の機能です。
リリースからの寮生の反応
公開から約4日で友だちが200人越え!!!
現在は312人がともだち登録をしています。舞鶴高専の寮生が575人なので半分以上が使っている計算になります。
寮にポスターを張るなどの工夫はしましたが、ほとんど口コミで広がっていった印象でした。
寮生からは、外食とメニューが被るのを防ぎやすくなった、欠食届を忘れなくなったなどと好印象な反応を貰いました。
開発を通じて感じたこと
寮という空間が特殊だったのもあるが、便利なものを使うと一瞬で広がっていくことに感動しました。
物を作る→意見を貰う→改良
といった開発の流れを短期間で体験できたことがとても楽しかったです。
改善点
-
おすすめの店の画像・予算・住所を表示するFlex Messageの自動化
-
データベースにGoogle Driveを使っているがもっと安全で運用しやすくする
最後に
何となく思い付きで始めた開発が多くの人に反応を貰えてとても楽しかったです。
舞鶴高専生専用のLINE Botですけど何かの参考になればうれしいです。
