私が描く職人像について
私はシステムエンジニアが建築家と同じように商品を実際に形にしていく職業であるという点から職人であると考えています。
私自身が描く職人像とは
「外見だけでなくお客様から見えない部分まで意識を向けることができる人」
であると考えています。
最近の話となりますが、Youtubeにてある建築家の方の投稿で、フローリングの敷き詰め作業後の床と壁の接合部の軋みチェックを行う作業の様子を載せた動画を目にしました。具体的な作業としては、異音がする部分を切り離して音が鳴らないように微調整を行うといった内容ですが、家の住人がほとんど踏みしめることのなさそうな住居の角の柱とフローリングの間の接合部まで意識を向けてチェックをしているシーンがあげられていました。その時に、こういったぱっと見では気づかないような細かい配慮の積み重ねが住み心地のいい何年も住みたくなる家へと変わっていくのだと感じました。
それは、システム開発を行うエンジニアにおいても同じであると考えています。
見えない部分は意識を向ける必要性について
システムの開発における見えない部分とは=ソースコードとなります。
ソースコードは見えない部分であることから「動けばいいや」といった気持ちになりやすいと感じています。
特に、納期に追われてくるとそういった感情になりやすく、私自身もそういった感情になることがありました。
エンドユーザの商品への評価は導入時よりも導入後数か月以上使用することで分かれてくる部分だと考えていますが、特に障害の発生数や障害からの回復までの時間が増大するほどエンジニアへ厳しい目線が向けられるようになりますし、評価も落ちていくことを2年間で経験しました。
今思えば、初めからソースコードを理解しやすくきれいなものに仕上げられていればテスト漏れによる障害の発生や、障害が発生した場合にもすぐ原因の究明へとつなげることができたと考えています。
これらの経験を受けて、「見えない部分まで意識を向ける職人を目指すことが自分自身を救うことにもつながり、結果としてエンドユーザが長く愛用したくなるいいアプリケーションを生み出すことができるのではないか」 と気付くことができました。
「リーダブルコード」のすすめ
「コードは理解しやすくしなければならない」
この言葉が「リーダブルコード」の根幹となる考え方です。
その考え方に沿って、意識すべきポイントがわかりやすく紹介されている一冊となります。
特に、本記事の内容で述べたような見えない部分への意識をする上で、確認すべきポイントについて変数名などの細かい部分からコードの構造まで幅広くまとめられているため一度のみならず何度も読み返して確認したくなる内容となっています。
この記事では、本の詳細を載せることはしませんが、私自身のシステム開発への意識を変えるきっかけを与えてくれましたし、中身が伴ったいいモノづくりをするための指針となる本だと感じています。
ぜひ、手に取ってご確認いただけますといい刺激を受けることができると思います。
私自身、これからもコードを書く上で「リーダブルコード」を何度も見返しながらいいモノづくりができる職人に近づけるように日々精進してまいります。
ご覧いただきありがとうございました。
参考文献
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「リーダブルコード」
The Art of Readable Code by Dusitin Boswell and Trevor foucher.
Copyright 2012 Dustin Boswell and Trevor Foucher, 978-0-596-80229-5